奴隷島(ゴレ:セネガル)

 セネガル





2006.01.07(土)


 ダカールに滞在して3日目、昨日までのホテルが高かったのでそこの人に安い部屋を案内してもらい宿を移る、今度はレストラン内にある家の一角、明らかにそこの住人が住んでいる部屋を間借りするような形になり、シャワートイレは別になったがこれまでの10000CFA(約2000円)が6000CFA(約1200円)になるのは大きなメリットだ。

 今日は土曜日だ。大使館等もやってはいないだろう。なかなかにくつろげそうなそのレストランを出て観光する事にした。

 ターゲットはゴレ島、ダカールの沖合3km程度の所に位置するこの島はフランス統治下の奴隷貿易の拠点でありまた現在は世界遺産にも登録されている。

 それだけがここを訪れる理由ではない。

 サハラ以南のブラックアフリカ、ここで観光と言えば大抵の場合「意味不明な苦行」を伴う事が常識だし、そもそもその”見所”もタネのないマジックショーみたいなものでガイドブックをみて普通の国なら「全く何も無い」と判断せざるを得ないようななんの他愛も無い教会やモスク、モニュメントを無理矢理「この街最大の見所」とやって観光していくのが当たり前だ。

 だが、このゴレ島はブラックアフリカで数少ない本物の見所であり、かつ余所の国と同じように簡単に行って帰ってこれるサハラ以南では稀有な観光地だ。

 『逃す訳にはいかない・・・』

 私はのんびりと歩いて港へ向かう。

鉄道駅


結局利用しなかったセネガルの鉄道、車両は2002年アフリカ・ネーションズ・カップモデル。ただペイントしてあるだけとも言う。


セネガルの鉄道イメージ図、駅構内で。



 港は鉄道駅からさほど離れていない場所にある。駅を多少観光してそれからのんびりと港へ向かってフェリーを待つ。

 島までたった3kmの距離、世界有数の観光地に向かうだけあってフェリーは頻発といっていいレベル(山手線は想像しないで下さい)だ。

乗ったフェリーと船着場
 


 現地人よりも明らかに多い観光客、それも黒人系よりも多人種(主に白人、黄色人種は見なかった)が多い交通機関、ブラックアフリカでこういった光景を見たのはいつ以来だろうか?おそらく南アが最後だったのではないだろうか?

 いずれにしてもここがブラックアフリカ他の観光地とは明らかに違ったものであるという事を思い知らされる瞬間だ。

 フェリーは何の問題も無く出発する。


洋上から見たダカール市街


こちらは港


そしてダカール市街


遠ざかりつつ違った角度から


ちょっとアップで、市街の全景を見るのに高台の次に好きなのは洋上からの景色。


3kmの距離なのですぐに近付いてきたゴレ島、全景が見れるのも洋上からならでは。


また違った角度から。


ついつい気になった警察の巡視艇



 20分ぐらい乗っていたのだろうか、あっけなくゴレ島に到着

到着した船着場、乗ってきたフェリーと



 島についた瞬間、私はここが只者ではない場所であると確信する。

 予想通りではあるが「ここは完全な観光地」だったのである。

教会に路地
 


 何と言えばいいだろうか?そう、日本でたとえるなら「湘南の江の島」といっても過言ではないだろう。
 かつて奴隷貿易の拠点であったという後ろ暗い過去をこのように例えるのは不謹慎かもしれないが、ブラックアフリカを散々に周ってきた私にはここに広がっていたのはあまりにも異質な世界であった。

 私は早速見晴らしのいい高台に登る事にした。

高台にあったモニュメント
 

そして高台からみたダカール市街


ちょっとアップで・・・


さらにもうちょっとアップで・・・


高台にあった砲台、その横に売り物の絵が置かれている


そして別の砲台、今度はその前に売り物の絵が・・・


気に入ったので・・・


さらにアップまで・・・


そしてゴレ島の景色




砲台とモニュメントとバケツ


ゴレ島とダカール市街、手前に絵


何とも鮮やか・・・というか結構気に入った。


こちらもゴレ島、ダカール市街、そしてお土産、右の衣装をきているものは人形。


ちょっと低い所から・・・




 『・・・』


 『・・・・・・』


 『ふぅ~・・・満足・・・・!』



 高台の景色を十分堪能したので下に降りて今度は島の他の見所を観光する事にした。

いい感じの小路


海に出てから高台を眺めて・・・


今度は島の反対方向を・・・


そこから眺めたダカール市街


お見事!


建築物にも趣を感じる・・・


船着場近くの公園


砲身とフェリー


海事博物館


石畳とくすんでいながらもカラフルな街並がこの島に良く似合っている
 


 私は島を縦断するような形で高台とは真逆な方向にある要塞へと向かう

途中で見かけたドア、妙にカラフル
 

これがその要塞


要塞から船着き場を眺めて


そしてダカール市街




 これでメインの観光場所を大体見た感じになる。まだ訪れたい博物館もあるがここは小休止でいいだろう


船着場近くの海岸線。


こんな時決まって飲むのは特注したアイスコーヒー、右の透明なカップの中身は実は氷!水は澄んでいる
 

のどかなゴレ島



 ちょっと休んだらまた観光だ。

壁絵が気に入って撮影した一枚


みやげ物屋さん



博物館の中から


こういうのが好き!



こちらも博物館
 

その中から眺めた海


 

博物館付近の通り道


奴隷のモニュメント



これはまた登った高台で見たサブラという砂絵、安いので土産用にとついつい4枚買ってしまった・・
 




 私にとって滅多にない地図以外の土産物を買うという行為・・・

 ゴレ島に十分に満足していることを良く示しているだろう。

 まだ名残は尽きないが見たい所はもう十分に見ていた。

 私はまたダカールへと戻る事にした。


また船着場を


ありがとう、そしてさようならゴレ島!





 フェリーはまた20分足らずでダカールへ

ダカールに近付いて


ダカールのフェリー乗り場、出発と到着がしっかりと書かれている辺りがブラックアフリカ水準を完全に越えている



 『こんな観光は久しぶりだった・・・』


 私は大きな満足感とともにダカールへと戻る。


 全てを成し遂げた、そんな感覚だろう。


 所でこの記事を読んでいる読者の方々は「私がなぜこうも満足しているのか?」疑問に思うかもしれない、確かに日本から、または他の観光地を観た後にここを訪れたのなら、写真で見る限りそう大したものでもなさそうなこの島でこれほどの充足感を覚える事はないだろう。

 だが、物事に対する自分の感情というのは対比というものが大きなファクターとしてあるだろう。

 飢えに飢えてようやくありついたビスケット一かけらは満腹した状態で食べる超一流ホテルで出される高級なフランス料理を遙かに凌駕する至高の一品であろう事に疑いの余地は無い。


 私が今まで周ってきたのはブラックアフリカ・・・

 ここに至るまで「普通に観光する」ということがまず有り得ない大陸だ・・・

 普通に行って普通に帰ってくる、そういった先進国では単純な筈のただの観光、それがここでは常に苦行と言った趣が付いて回っていた、それがアフリカだったのだ。

 そこで出会えた「ごくごくどノーマルな観光・・・」


 空腹で出会えた一かけらのビスケットと同じように感涙に咽び泣く事請け合いだった。


 そこで私がこの「ゴレ島」観光を終えた時、声も高らかに歌声をあげてしまったということも無理からぬことだろう。


 そう


 『ゴォ~レェ~、ゴレゴレゴレェ~・・・!』


 と・・・・
 






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