ローマ遺跡ジェミラへ(セティフ:アルジェリア)

 アルジェリア



2006.03.01(水)

 首都アルジェでの約1週間の滞在を終えて次に向かう先はティパサと言う地方都市だ。
 朝早く宿の朝食を摂るとジャムを丁度切らしていた。パンとジャムがセットの朝食ならジャムが無ければただのパンだけだ。ツイてない。

 まだ日が明ける前の首都アルジェ、短い期間の滞在ながらとても気にいった街並ともこれで終わりだと思うと一抹の寂寥感は拭えない。
 キャリーバックをコロコロと転がしながら周りの街並を眺めながら中央駅であるアルジェ駅へと向かった。
 

朝のアルジェ駅


そしてこれから乗る鉄道



 列車は”ほぼ”予定通りに出発する。ブラックアフリカ時代の「Time is no money」、「予定は未定であって決定ではない」と散々思い知らされたあの土地と比べると知られざるアルジェリアは隔世の感と言った所だろう・・・。


 若干内陸に入り込みセティフへと向かうその道すがら。
 遠く山の頂に雪が視界に入る。

道中の景色



 『アフリカで雪・・・』

 モロッコのマラケッシュへ行く道中で感じた違和感は消える事は無い。
 ただそれは私が「アフリカ」に対して持っているステレオタイプのイメージからきているだけの事。北アフリカの険峻な山を備えたこの地で山の頂に雪を見る事は別段不思議ではないのだ・・・

もう一枚雪のショット



 目的地をセティフにしたのにも当然訳がある。
 アルジェから次の移動先への選択肢、古代の壁画で有名なタッシリナジェールを眺めに南下して砂漠地帯に入る。砂漠を散々抜けてきた私にはもう砂漠に入る事に興味は無くなっている。となると行き先は地中海沿いにチュニジアに向かうルートとなるだろう。
 そしてアルジェリアには世界遺産になっているローマ遺跡が点在する。それを効率的につなぎ合わせながらチュニジアに抜けるつもりだった。


到着したセティフの駅。結構おしゃれだと思うがいかがだろうか?
 


 世界遺産を見るには当然理由がある。

 古代ローマの息吹を感じたい。ただそれだけではない。

 私はそれまでの旅行の経験で「首都旅行者」を売り物(単なる趣味)にやってきた。だが「首都旅行」というと怪訝な顔をされる、「首都ならどこでも一緒」としたり顔で言う旅行者と幾人にも会って来たし、「この国に来たならその国の観光地を見なければいけない」と言われた事もある。
 事実私は東アフリカではケニアやタンザニアでサファリツアーにも行かず、キリマンジャロも見ていない。当時のルートの組み立て、その予算から考えて「その時間と金を使うなら別の所」と思っていたし、そこで私が取った選択肢はコモロを含む東アフリカの4つの島国であったりブルンジへ抜けるルートであったりだったのだがこれはアフリカの、東アフリカの旅行者ステレオタイプとは違った選択肢になっていたのだ。

 当時の私は疑問なくこれでいいと考えていたが長かった中央、西アフリカを抜け、モロッコに入った時、「イージーな観光が何と楽しい事か!」と軽い衝撃を受けたのだ。そして「首都旅行」を第一にするがそれを繋ぎ合わせるルート上に何か観光地があるのなら訪れようと考え始めたのだ。そこで決めたターゲットは世界遺産。
 元々歴史好きというのはあるがたいてい遺跡でいい状態、あるいは歴史的な物は観光地になりやすく世界遺産にもなりやすい。そしてそれ以上に「首都旅行」とあまり人の共感を得ない不透明なイメージを持つ物よりも「世界遺産が好きでいっぱい周っているんですよ~」と説明した方が一般人受けもしやすい。

 そう、私がモロッコ以降なるべく世界遺産を訪れようと考えたのは「簡単に行ける場所が多い」事とそれ以上に「ツーリストとして旅のイメージアップに繋がる」と考えたからなのだ!

 ギニアではホームページも始めてみた(注:作成は友人でこちらはただ文を打って写真を貼っているだけです)。そこでそのHPも利用して「世界遺産を周る歴史好きで知的なツーリスト」というイメージを定着させれば、その勘違いが元で水着を着た美女・・・水着を脱いだ美女と恋に落ちるなんて事も・・・


 ムフフッ・・・

 
 膨らむだけ膨らませた妄想と邪念に勢いを借り、到着と同時に素早く宿を探し、荷物を置いて遺跡へ向かう。
 そう、インフラに信頼が置けるなら勢いにまかせて一気呵成に遺跡を攻略するつもりだった・・・

 
 ここティパサにある遺跡の名前は「ジェミラ」

 歴史に詳しい私にとってはすぐに「ジャミラ」と連想できる、そんなローマ遺跡だ。 



ジェミラの入口



 外国人料金を取らない30円程度の激安な入場料を払い遺跡に入る。立派な博物館も併設されている。
 これでこの値段というのは信じられない値段だ。

中にあった博物館



 遺跡に入り見渡しのいい場所に行く、”全景マニア”という異名(書いてみて良い異名じゃないと気付いた)を持つ私にとって「全貌が見渡せる場所」というのは何にもまして見なければいけない場所だ。

こうして見ると実に遺跡遺跡している。


この廃墟感は中々・・・



 街の中心に近付き中を歩く、遠い昔に人が住み生活を営んでいたこの遺跡。
 「夏草やつわものどもが夢の跡」
 ではないが街の移り変わりに人の世の儚さを感じさせられる・・・

近くで撮った建物と道
 

中心から眺めて


回廊


凱旋門に後ろの建物はなんだったっけ?


こういった景色は好き!



 ジェミラ・・・

 世界遺産の古代ローマ遺跡・・・

 太古の歴史のロマンを感じさせる場所・・・

 そして『よくよく考えるといまとなってはただの石じゃねえの?』

 と思わなくもないこの場所は入場料の安さも相俟って私に十分な満足を与える物だった。

 そして帰りのバスターミナルでは・・・





夕焼け・・・陽の上がり方が綺麗です。





 『・・・』

 『・・・・・・』

 『う~ん、マンダム・・・・』


 セティフの街にそれほど目を引く物は無い。
 
 ただ広場にあったレリーフの殺伐とした感じにはこの国の今と言う物を考えさせられた。

これがそのレリーフ(注:知人によるとレリーフは1945にセティフとゲルマで起きた「コンスタンティーヌ暴動」のものらしく現在とは関係無いらしい)



 そしてそれ以上に気になったのは営業してない遊園地だ。


これがそれ


 

 古代ローマと現代のアルジェリア。そしてこのおとぎの場所が混在する街セティフ・・・

 私はプロフェッショナルとしてこう思う。

 世界遺産を訪れて良かったと同時にこの場所を見るのに2日はもう要らない。

 と・・・








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