攻略!世界一の迷宮!(フェズ:モロッコ)

 モロッコ

 


2006.02.03(金)-02.04(土)


 マラケシュの次の目的地は2択だった。

 アイト・ヘン・バットゥ等の名だたる名所のある砂漠のワルザザートの方面が第一案、そして世界一の迷宮と言われる古都フェズが第2案だ。

 答えを出すのはそう難しく無かった。

 『何故砂漠を抜けて砂漠をみるのか?』

 極めて単純な解答を出し、やけにあっさりとフェズへ向かう事が決定する。

 フェズに向かうにはアトラス越えという難所を抜けなければならなかったがそこはこのデューク・東城。

 今までの知識と経験をフルに活用し、この困難に立ち向かう。

 立ちはだかるのは予想外の雪。

 北アフリカと考えるとおかしくはないのだろうが常夏が続いたブラックアフリカを周り続けたこのプロフェッショナルには妙に奇異な物とかんじてしまう。思えば最後に雪を見たのはもう2年以上も前の事だった・・・

アトラス越えでみた雪




 今までの厳しい冒険と同様、交通機関に”ただ乗っていただけ”という一番得意な手段で切この難所を切り抜け、朝フェズに到着する。

 まだ良く慣れない近代的なバス・ターミナル、それがこの街のスタートアップだ。

 
CTMバスターミナル



 フェズ、モロッコのみならず世界的に有名な古都だ。

 ここを有名たらしめているのはそのフェズ・エル・バリと呼ばれる旧市街だ。外敵の侵入を拒むため入り組んだ構造をしているその旧市街はなんでも”世界一の迷宮の街”と言われているそうだ。

 世界一エレガントなツーリストと世界一の迷宮のある古都とのコラボレーション。

 その化学反応から何かが起こりそうな予感。

 そう期待させる街、それがフェズだ。

 
 バス停のあるヌーベル・ヴィル(新市街)からフェズ・エル・バリの入口までは地図で見る限り1.5~2km程度だ。

 まだ肌寒く感じる2月の空気を身体に感じながら私は目指す旧市街に向かう事にした・・・
 



ヌーベル・ヴィルの一コマ




 ヌーベル・ヴィルから最初の旧市街であるフェズ・エル・ジェイドに向かう途中、私の右手に見える物がある。



こっこれはっ!




 そう、このエレガントなツーリストにつきもののエム・エイ・シィー(Mac)だ。

 幸先の良い出足、迷わず店内に入る。

 日本でおなじみの朝マックセットがないのが”画竜点睛を欠く”と思えなくもないが、アフリカで朝マックがある国は南アだけと分かっただけでも儲けものであったとするべきだろう・・・(注:この豆知識は全く役に立たない事を請け負います)


愛すべきドナルド・マクドナルド氏。 




 やや小雨気味なフェズ、ドナルド氏に見送られさらに前に進む。

 フェズ・エル・ジェイドは目の前だった・・・


フェズ・エル・ジェイドの正門



 キャリーバックを転がしながら正門に入ると早速王宮が見えてくる

王宮



 門は閉じている物の観光客がたかっている。

 ここが世界有数の観光地であると容易に悟る事が出来る瞬間。

 軽く息を吸い、天を仰ぎ見る。

 西サハラを抜けモロッコに入りマラケシュに到着した時に感じた感覚。

 ブラック・アフリカに一年いたことから他の旅行者が良く「私が第三世界専門の旅行者でそれを好んでやっている」と勘違いする事があるがそうではない。

 ある一定水準以上のインフラが整った国でエレガントな、もしくは歴史を感じさせる都市というのがこのプロフェッショナルの本領を発揮する場所なのだ。

 一年以上たってようやく「自分のホームグラウンド」に帰って来た、そう言っても過言ではないだろう・・・


イスラムの国の中にあるユダヤ人街メラーを抜けスマリン門を潜り抜ける。

左はメラー、右はスマリン門
  

 そしてフェズ・エル・ジェイドの一番の繁華街を抜けていく。

 まだ朝少し早いので店はポツポツと開いている程度だが宿を決める前の私としては道がすいていて歩きやすいのは僥倖であった。

フェズ・エル・ジェイド一番の繁華街



 そしてフェズ・エル・ジェイドを抜けいよいよフェズ・エル・バリへと向かう。

フェズ・エル・バリ



Dar el Makhzen

 旧市街同士を向かう回廊、そこは庭園のある景色。

 エレガントに一息つけるひと時だ。

 そしてこれから向かう世界一の迷宮へとテンションは高まっていく。


ブー・ジュルート庭園



回廊を抜けた目に飛び込んでくる広場。



 広場から最初の門を潜り抜け目に入るのはフェズの旧市街メディナの入口にあるフェズ最大のブー・ジュルード門。

 芸術的な幾何学模様を持つこの門はこのプロフェッショナルのエレガントさと鮮やかな対比を成し、私が「この街に選ばれたツーリスト」であることを示す証左であると言えよう。

ブー・ジュルード門




 旧市街にタッチするような感じで中に少し入り、そして私はこの門の前にあったホテルに泊まる事にした。

 芸術的な門には芸術的なツーリストこそ相応しい、簡単な理由だった。

 簡素な部屋の中に荷物を置き、これからの計画を練る。

 相手は世界一の迷宮だ。

 一筋縄ではいかない相手。

 しかし、今のこのデューク・東城にはマッハ・加藤から引き継いだ「地球の歩き方」がある。

 それに載っている地図、見所を眺めながらこの街をどう料理するか?
 徐々に頭の中が整理されていく。

 「気ままに迷宮を歩く」

 旅の達人とやらを自称するアマチュア・ツーリストの陥りやすい欠陥だ。

 そういう人間は意外に物事を見ていない時が多い。

 目の前に、路地一本挟んだ所に実はこの見所がある。

 良くある事だ。

 せっかく「世界一の旧市街」を歩くなら少なくとも世界的に評価されている見所は逃すべきではないだろう。

 後でガイドブックを見て「あっ!近くを通っていたのに見ていなかった」等と言うのは愚の骨頂であってエレガントなプロフェッショナル・ツーリストの犯すミステイクにあってはならない事だろう。

 マッハ加藤の提供してくれたガイドブックは良く出来た物で旧市街のマップにさらにフェズ・エル・バリ見所巡りの最短コースのミニ・マップまでついている。

 私がやろうとしているのは「世界一の迷宮の攻略」

 それを容易にするギアを手にしている今、利用しない手は無い。

 『観光効率を最大限に生かし、至短時間で世界一の迷宮を攻略する』

 それこそが世界一の迷宮のエレガントで正当な楽しみ方と言っていいだろう・・・

 作戦計画が決まった今、ホテルを後にして私は旧市街の攻略に向かう事にした・・・


ブージュルード門を抜けて最初の路地、如何にもイスラムの旧市街といった趣を持つ。
 


 切り取ったフェズのマップを後ろポケットに入れ時折目を通しながら迷宮に侵入する。

 1000年の歴史を持つという趣のある旧市街。路地の一つ一つに感じる歴史の息遣い。今、このプロフェッショナルがまさにこの街の歴史と一体となっていると感じさせる瞬間(注:取り敢えずガイドブックにそう書いてあったから言ってみただけで当時特にそう思っていた訳ではありません)。
 
 タラア・セギーラ通りから途中でベン・サフィ通りに名を変える旧市街の進んでネジャーリン広場へと向かう。

左:旧市街の路地 中央、右:ザウィア・ムーレイ・イドリス廟 
  

左、中央:ネジャーリン広場 右:有名な何か、忘れた・・・
  


 そして迷路の中にあるモスクを目指す。


左:カラウィーン・モスク 中央はその付近の商店街 右:アッターリン・マドラサ
  


 旧市街の中を歩きながら感覚は徐々に研ぎ澄まされていく。

 感情は徐々に麻痺し、地図をみてただ機械的に観光と言う物事を処理していくプロフェッショナル本来のスタイル。

 そう、私は「観光マシーン」と呼ばれた漢だ。

 「観光に感動などと言った余計な感情など必要は無い」

 今の私にとって目に入る街の歴史だの古都の雰囲気だの葉もうどうでも良くなっていた・・・

 見所最短コースはあっさりと攻略に成功したがまだ旧市街は続いている。

 私は一気に勝負を賭ける事にした。

フェズ最古の神学校のあるサファリーン広場

 


旧市街の一部に中央はアンダルース・モスク
  


 その他、エル・バリの諸々

 地図を見ながら結構気ままに歩いていたので場所は分かれど名称知らずの数々。


エル・バリ
 

エル・バリ内からエル・バリを見て。


多分有名そうなモスク
 


 まだ一部に見所を残す物の主要な部分の攻略は恐ろしいほど早く済んでいる。

 世界一の迷宮を2時間足らず、私のプロフェッショナリズムの骨頂と言って良いだろう。

 ただ、これだけで終わらないのがこのデューク・東城だ。

 『旧市街の全景を見る。』

 そこでこの街を終わらせるつもりだった・・・

旧市街から出てマリーン朝の墓地から眺めたフェズ


マリーン朝の墓地
 

そしてフェズの全景




 『・・・』

 『・・・・・』


 煙草に火を燻らせ、落ち着いて味わう至福の時、攻略の成功を確信した瞬間。

 だが一つの成功は新しい挑戦の始まりに過ぎない。

 それがわかっているこそ私はプロフェッショナルと呼ばれるツーリストなのだ。

 外縁部から今度は新市街に足を延ばすことにした。

戦争博物館、残念ながら閉まっていた。


マルーク門


カラウィン大学

フェズ鉄道駅



 フェズ・エル・バリの外周からフェズ・エル・ジェイドの外周を過ぎて鉄道駅へ。

 これでメインは完全制覇だ。

 曇りがちな空を見上げると虹がかかっている。

フェズで見た虹



 この虹はあたかもこのプロフェッショナルの勝利を祝しているかのようである。

 私はこの虹を私の勝利に掛けて「ウイニング・ザ・レインボー」と名付ける事にした・・・(注:決っして某コミックのパクリなどではありません、あくまでもオリジナルです)

フェズ・エル・ジェイド



 メインの見所を終えた今、残るは夜景だけとなった。

 日が暮れてから私は再度フェズのパノラマを見に出る事にした

城壁、感動的なのはきちんと動く信号がある事だろう・・・
 

そしてマルーク朝の墓地から見たフェズの夜景


ブ・ジュルード門
 

そしてブ・ジュルード門を入った旧市街。



 『・・・』


 『・・・・・・』


 『フェズ・コンプリート!!』


 これだけの規模の旧市街を夜行バスで降りてからのたった一日でここまで堪能出来るのはこの私がプロフェッショナルだからとしか言いようが無いだろう。

 ただのアマチュア・ツーリストでは到底及びもつかない偉業。


 『観光効率を最大に生かし、感情を殺して機械的に観光する』


 デューク東城の真骨頂と言える観光術の精華がここにある。



 そしてホテルの部屋に戻り、この一日を振り返ってこう思う。



 『旧市街の楽しみ方としては完全に間違えているのではないのか?』

 と・・・






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