迷路の街(マラケシュ:モロッコ)

 モロッコ

 


2006.02.01(水)

 ラユーンを夜行で出発して向かったのはモロッコのマラケシュ、西サハラは名目上の領土であってモロッコの占領下にあるので特に検問やボーダーがある訳ではない、それに快適なバスのお陰もあってやけにあっさりと到着した。

 「移動はただの移動」

 ブラックアフリカでの移動はまず待つ事に忍耐から始まり、そして到着するまでは苦行の様を呈する事も多々あったがここではそんな事も無い。


バス停は鉄道駅に隣接していた。



 近代的と言っていい鉄道駅、それに走っている車もこの国では明らかに違う、ザンビアで出会ってギニアで再会したマッハ加藤氏から「地球の歩き方のモロッコ編」を貰っているのも手助けになる。そういえばこの「歩き方」が出版されていない地域をずっと周ってきていたのだ。それだけではない、中部アフリカ地域になると世界的なガイドブックである「ロンリー・プラネット」ですら最新版からはほぼ省かれ、10年ぐらい前の中古のロンプラを片手に周っていた事を考えてみると「歩き方」で周れる、というだけで今までの旅行とは隔世の感がある事は否めない事実である。

 鉄道駅はマラケシュの新市街、ギリーズと呼ばれる地区にあった、「歩き方」の地図を見ると目的の世界遺産である旧市街まで歩いて行ける距離だ。

 お決まりのキャリーバックを引き摺って歩いて旧市街を目指す事にした。

 近代的な建築物にモロッコのテイストを取り入れた建築物が立ち並ぶ新市街、文明を感じる瞬間。

 それに舗装路はフラットだ、キャリーバックのタイヤの破損を気にする必要はここではない。


新市街の建築物の一例



 久しぶりに見る近代的な大都市。

 自然と心も弾んでゆく・・・

 目に見える物全てが新鮮だ。
 
 自分のホームグラウンドに帰って来たという確信。

 これこそが私の尤も得意とする舞台なのだ!(注:ブラックアフリカを抜けた直後なのでそう感じているだけで日本からいきなりモロッコ、或いはヨーロッパからモロッコに来たのなら近代的という面では間違いなくトーン・ダウンする筈です。念の為・・・)




 そして私の目に飛び込んできた物は・・・・・

エスカレーター
 



 『エスカレーターが・・・』

 『普通に・・・普通に動いている!』


 私が最後にエスカレーターを見たのはコートジボワールのアビジャンだった。南部アフリカのナミビア以降見かけたエスカレーターはそのアビジャンとナイジェリアのラゴスのたった2ヶ所のみ。

 それがマラケシュでは当たり前の様に存在し、そして当たり前の様に稼働している・・・

 私は用も無いのにこのエスカレーターに乗り数度往復する。現代社会に生きているという実感。日本とそれほど変わらなくさえ感じてきた。


 しかしエスカレーターの上下だけでマラケシュを終わらせている場合ではない、そもそもまだ宿すら決まっていないのだ。

 またしばらく旧市街へと向かう。



テレコム




 透けるような青い空、今まで見なかった近代的な建物、そしてエスカレーター・・・

 全てが・・・全てが私の望んでいた物だった・・・

 そしてまた目に飛び込んできた物は・・・

日本ではおなじみのマック!



 『おおっ!パリの灯よ!!(注:ここはモロッコですのでフランスではありません、念の為・・・・)』

 アフリカでマックがある国はたったの4カ国、エジプト、モーリシャス、南アフリカ、そしてここモロッコだ。

 島国であるモーリシャスを除くと3カ国、それも綺麗に大陸の南北の端々に打ち分けられている。

 分かりやすく言うとエジプトから陸路でアフリカ大陸を縦断するなら次のマックは最終目的地である南アフリカで。そして南アから北上してモロッコ方向へ縦断するなら南アを出たら北の終わりのモロッコまでマックは無いのだ!

 私は一も二も無く中に入り注文する。

 『フィレ・オ・フィッシュ』

 好きなメニューだ。


マラケシュのマック
 


 南アを出たのは7月、今は2月、半年以上たって食べるマックの味

 機械的な人の手を感じさせない無機質なその味は私にとっては「文明の味」であり格別な物だった・・・


 ひとしきりマックを楽しんでまた旧市街へ向かう。

 世界第2位の高さを持つミナレット、マラケシュのシンボルともなっている。クトゥビアを目指しそこから旧市街へ入っていく。

これがクトゥビア
 


 目指す宿は決まっている。世界中の大道芸人が集まる賑やかなジャマ・エル・フナ広場が屋上から見渡せるホテル。

 110ディラハム(約1500円)する安宿よりはちょっと高い宿に私は泊まる事にした・・・

ジャマ・エル・フナ広場



 この日は特に何もやってはいない。ネットを一時間ぐらいやってジャマ・エル・フナ広場で食事をして後は屋上から眺めていただけだ。


 それだけで十分だった・・・


ジャマ・エル・フナ広場の夜



 そして夜、いつ終わるともしれないジャマ・エル・フナ広場の喧騒をホテルの屋上から眺めつつこう思う。

 
 いままでは・・・いままでの旅行はエレガントな私にとってはアウェーだった、これからが・・・これからがこのプロフェッショナルのエレガント・ツーリズムの始まりだ。

 と・・・






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