サハラ・アラブ民主共和国
2006.01.31(火)
ダクラから辿り着いたラユーン。
西サハラと同様にこの西サハラの首都ラユーンについても若干の説明が必要だろう。
ラユーン、アイウン、ラーユーン、エル・アイユーンとも呼ばれるこの西サハラ一の大都市はサハラ・アラブ民主共和国亡命政府が自らの首都とした物のモロッコの支配下にある、そんな都市なのである。
では私の様な一プロフェッショナル・ツーリストにとってそれがどんな意味を持つのか?
はっきりというと安全さえ確保されているならそこがどこの支配下にあろうとさほどその事は意味を持たない。
但し”首都狙撃手”となると趣は異なる。”西サハラ政府が首都に定めている”以上ここを観光する義務を持つのだ。
そう、例えここがモロッコの占領下にあり実質”モロッコのただの一地方都市”に過ぎないとしてもだ・・・
十分にくつろいだホテルの窓から外を眺める。
ホテルの窓から
砂漠の色と同じくほぼ茶色一色で統制された街並・・・
空の青さとも相俟って随分と穏やかな物に映る。
ホテルの中、かなり綺麗に感じていた。
ホテルで少しくつろいでから荷物を預けて街へ出る。次の目的地はマラケッシュ、ラユーンからは夜行便になるだろう。
ラユーンの街並
名目上の首都、と言った所で広大な西サハラの砂漠の中の都市、人口は18万人程度とさほど多くなく街を歩くとやや閑散とした印象を受ける。
だが、ブラックアフリカと比べるとはっきりと変わった事がある。
ここでは信号があって動くのは当たり前だし、昨晩見た街灯も普通に灯いていた・・・
一流ホテル
西アフリカを抜けた実感、穏やかで閑散とした都市のどこまでも青い空の下で私はプロフェッショナルとしてずいぶんとくつろいだ気分になっていた・・・
街並
これも確かホテルだったような・・・
取ったバスのチケットは20:00時発、まだこの街で十分に時間はあった。
昼食
街をぶらついていると気になる事が出来てくる、観光案内所の存在、私は大抵の首都で観光案内所を探す事にしていた。
今までガイドブックに載っていなくても現地を歩いて色々聞きながら探し当ててきたのだ。
『ここでは一体何処に?』
聞き込みながら探すと私が一度見たホテルの前あたりにあるらしい。
行ってみるとそこにはモロッコ政府の観光案内所が存在していた。
これが観光案内所
中に入って『地図がほしい』と伝えるとしばらく待てと言われる、見ているとパソコンの中にあるパワーポイントの資料を全て打ち出しているようだ。
おそらく50枚ぐらいになっただろうか?
彼は私に渡す時に「公的な物としては出せないが・・・」
と言ってきた辺りにこの首都の置かれた複雑な状況が垣間見えた・・・
街並
これで一応ここでのノルマは果たした形にはなったが出発までに時間はまだ十分にある。
またしばらく散歩して、それに飽きたらネットカフェを探し出発までの時間を潰す。
気ままに、そしてのんびりと過ごす一日。
ラユーン、西サハラの名目上の首都・・・
どこまでも穏やかなその雰囲気は私にここが複雑な国際状況下にある都市と言う事を忘れさせる物であった・・・