モンゴル国
2006.09.03(日)-09.04(月)
ウランバートルに到着したら予約していた宿から迎えに来てもらえる。
知らない土地の初っ端にこうしたサービスが受けれるのは実に心強い。
旅行している者なら誰でもそうだろうが荷物をフルに持って新しい土地勘の無い場所に到着した時が一番狙われやすい時だ。
モンゴルは特別治安の悪い国では無いがそれでもそれが避けられるのは有難いし、何よりも重い荷物を持ってうろちょろしなくてもいい。
到着したウランバートル市街、見渡すと丘にジンギス・カンが描かれていた。
泊ったのは日本人に有名なゲストハウス、オーナーもそうだが宿泊客全てが日本人だ。
モンゴルの次の目的地はロシア、ビザを早く手配したい所だが生憎の日曜日、それならこれから冬将軍に入る東欧に向かうので冬用の装備を充実させようと丁度宿で行く人がいたのでナラントール・ザハというマーケットに行く事にした。
ナラントール・ザハ、入場料を払って入る
ここで買ったのはNorth Faceという有名なブランドだ。
製品の確かさを示すプラスティックのタグがつき、 ゴアテックスという防水性と透湿性に優れた材を用いた本格的な物だが、宿に帰ってよく見ると縫製の甘さが見てとれる。それが格安で売っているのだ。
もちろん、製品を示すプレートもゴアテックスも実はタグだけで防水性も透湿性も無く、見てくれだけ良く出来たパチ物というのは買う前から分かっていたがそもそも寒さを凌げれば良いだけだったし、これから会う旅行者には”ノース・フェイス?”と聞かれた時、”いいや違うぜ、ノース・フェイク(Fake:偽物)だ”とネタ代わりにでもすれば良いだろう。
ウランバートル市街、一応これでも中心部
戻って少し市街をうろついてウランバートルの初日は終わった。
明けて翌日、朝一番で行動に入る。ビザの取得が確実と言われている当時定番だったロシア大使館にコネのあるロシア人経営の旅行代理店に行く事にした。
朝の10:00時というセオリー通りの時間で訪れたが何か別の用があったのか?午前中はアウトで午後また来るように言われる。
”なんたらの法則”ではないが急いでいる時こそ待たされるというのは大体ありそうな事だしアフリカほどのイレギュラーは無いだろうと、食事をして次にそこを訪れたのは相手が指定してきた14:00時だった。
ウランバートル市街、右下の食べ物は”ホーショール”
大柄なロシア人女性が経営するこの旅行代理店は彼女が英語を流暢に話す事もあり、色々と話を聞いてビザの取得代行とモスクワ行の鉄道チケットも併せて聞くと手数料が良心的な範囲内だったのでこちらも併せてお願いする。
10営業日待つというビザの取得とモスクワ行の鉄道が週一便なので最速でも出発は9月15日にはなるが、それまではウランバートルとモンゴル国内のどこかでも見てれば良いだろう。
ビザで時間を大分食って一度宿に戻ると他の日本人旅行者からお誘いがある。
”ナイラムダル公園”
日本の富士急などを想像してもらっては困る、旅行者を惹きつけていたのは首都唯一の遊園地にしては”ありえないショボさ”だったからだ。
遠目で見て錆びれていて、稼働しているかどうかも良く分からない、それを確かめに行きたいらしい。そこで暇人の・・・いや、もとい、幾多の歴戦を潜り抜けてきたプロフェッショナルなツーリストにお誘いがかかったのだ・・・
私を含めて男性3名、女性3名というバランス的には最適なグループで出発する、お化け屋敷でもあろうものなら・・・ぐふふ・・・
予想に反して遊園地はやっている。
入場料を払って中に入る。もう夕暮れ時だったので稼働している乗り物は少なかったが私を惹きつけたのは”観覧車”だ。
首都の遊園地の観覧車は景色を見るのには最適だからだ。
このケースではロマンスは期待しないが取りあえず一緒にいった人たちを誘って乗る事にした。
観覧車から
思った以上にやはり何も無いモンゴルの首都ウランバートルだが上から見下ろす景色は悪くは無い、でも良くも無い。
ただ”見たい景色を見た”という事では満足していいだろう。
降りてからはアトラクションが殆ど終わった遊園地内を散策する。
遊園地内、ミニコースターは果たして営業時間中は動いているのだろうか?池ではボートに乗る人が見える
『う~ん・・・なんか微妙・・・』
正直な感想だ。まあ元々微妙というのは分かっていたが・・・
改めて見直すと”本格的に微妙”な気がしてくるから不思議だ。
観覧車からの景色が眺められたので”来て良かった”というのは確かだがこれではロマンスには発展しそうも無いだろう。
そうなってくるとせめてもう一つぐらい”この遊園地に何か”というインパクトのある物が必要だろう。
中をブラつき、そんな事を考えていると急に視界に入ってきた物がある。
『・・・???!!!』
これは・・・
きっ、きしょい・・・
何だ?このデザインのセンスは・・・
正面から
遊園地ではお化け屋敷以外はどちらかというと愛くるしいキャラクターがメインではないのか?よりによって3つ口の中から舌を滑る化け物タイプの滑り台といのは一体全体どういうコンセプトなんだ??それにどこか地方の遊びでやっている遊園地ならともかく首都にある唯一の遊園地でこれというのは・・・
こんなんでは子供が怖がってしまうぞ・・・
奴らの考える事が良く分からん・・・
遊園地からみた鉄道、黒煙を上げている、別に壊れている訳ではない。
日も暮れ始めていたので我々は遊園地を後にして市内のローカルレストランで食事をする事にした。
夕食はモンゴル名物でおなじみボウズだ。
ボウズ、餃子見たいな見た目だがより肉チック
これと”ホーショール”がある限りモンゴルで餓える事は無い、と確信したこの名物料理を頬張って宿に戻る。
ウランバートルでの2日目は”化け物みたいな滑り台”を見た、そんなショボイ出来事が一番インパクトと思えるぐらいな大した事の無い一日だった・・・