自由の街へ!(モンロビア:リベリア⇒フリータウン:シエラレオネ)

リベリア



2005.12.07(水)

 街が混む前にと思い0800時にホテルを後にして出発する。
 近くで掴まえたシェアタクはボッてきているのは分かったがたいしたボリ方でないのととりあえず一度動くと決めたらとことん急ぎたかったのでそのタクシーでモンロビア郊外のドゥアラ・モーター・パークへ向かう。シエラレオネの国境行のシェアタクは簡単に見つかり、それほど待たずに0900時に出発。恐ろしいほど順調な滑り出しだ。

国境町までの風景



 国境までの道路は全て舗装路だ。そんな国は稀だ。国土の小ささや外国の援助というのはあるだろうが何はともあれ跳ねまくる道路でないのはこちらにとって好都合だ。

かなり快適



 途中に検問は3ヶ所あった。賄賂請求は2か所目と国境町までの最後の検問で、最初の賄賂請求は簡単に突っぱねたが、最後の方は30分ぐらいねばっていたが請求額が50リベリア・ドル(約100円)だったことと、シェアタクの他の乗客が私をせかすことなくのんびりと待ってくれていたので却って申し訳なく思ってしまい、叩きつけるように50リベリアドルを支払い「Fuck You!」捨て台詞を残してその検問を後にする。




 国境へは11:30時、僅か2時間半で到着とはイカしている!

 イミグレでの賄賂請求も無くすんなり、この国に入った時の事を考えるとあっという間という感じだった。

 次はシエラレオネだ・・・


 シエラレオネ



 シエラレオネに入りイミグレへ行くと同時に賄賂請求、20ドルとなかなかの高額だ。

 まず様子を見て値切りつつ、拒絶に至るまで30分程度かかってしまう。
 ポリスからは1000レオネ(30円)という請求があったがこれも簡単に拒絶。

 リベリアは気持ちよく出国させてくれたがここでは面倒な事この上ない。

 カスタムでの荷物検査は全開封、一つ一つを開けて点検され、最後は「我々は荷物にダメージを与えていません」といった書類にサインをさせられる。
 こんな事は始めてだったので『意外としっかりとしている』と感心させられたがそれ以前に『イミグレの賄賂請求を無くせ』というのが本道だろう。

 手続きを終えるとミニバスの客引きが数人群がって来る。どれでもと迷いつつ、「前座席!」と声をかけてきた男に従ってミニバスに乗り前座席に座っていると別の男がこちらへ向かってくる。

 「その席は俺が予約しているんだ・・・」

 既に客が入っているミニバスで前座席とは少し怪訝だったので彼の言い分は素直に納得できる。

 『そうだろうね、ゴメン、後ろに乗るよ』

 「悪いね、客引きの奴らはみんなに前座席って言っているみたいだからね」

 彼もそんなに気を悪くしたようではない。

 しかしそれにしても簡単にバレる嘘を平気でついて客を集めるというのはどうも馴染まない。まあ他に選択肢がなくなっていたので怒っていた所で今更他のミニバスやシェアタクも探せないので仕方がないだろう。

 ミニバスは中々出発しない、暇なので屋台で焼いている肉を食べて『写真を撮らせて』と聞くと横やりを入れてきた男がいた。

 IDは持たないものの警察だというその男は「写真を撮るなら許可を取れ」と強硬に言い張ってきたが『それなら写真を撮らないまでだ』と答える。

 彼は「許可を取るならこちらへ来い」と私を同行させようとまでしてきたが私は途中までついていって人の多い所で『IDも持たずに警官である事を主張して強制的についてこさせようとそるのはどっか自分の都合のいい所に連れて行ってお金でもとりたいんだろう?』と大声で言ってまたミニバスの所へ戻る。彼が追ってこなかった事を考えるとあながちこの推測は外れてはいないのだろう。

 国境を越えるまでは順調だったのにミニバスの出発までは長く、結局出たのは16:45分。リベリアで早起きした意味が台無しになっていた・・・


道中の景色、意識して撮ったわけではないが立ちションの男が印象的な一枚になってしまっている。


 最初に向かうのはボーという街だ、ここでミニバスを乗り換える。
 ここまでの道中は想像以上に悪路だった。リベリアの舗装路を通った直後だけになおさらそれを感じる。

乗ったミニバス



 おまけに途中雨まで降ってきた。ぬかるみの道路で車輪が回らずにスタックする。止まる度に車両を降りて乗客の男全員で押して脱出する。このプロフェッショナルも当然その一員だ。こういった所での移動はある種の運命共同体に近い、お金を払っているから乗客という先進国での常識は通用しない。
 もちろん私は彼らから見たら“ガイジン”だから押さずに見ている事も出来たかもしれない。だが一緒に押して彼らと同じ事をする事によって彼らは私を彼らの一員と認めて何かと手助けして面倒をみてくれるようにもなるのだ。

 ボーの町まで国境からは100Kmもない、地図で見たら短い距離だ。だが悪路と雨が重なり一行にミニバスは進まず、途中野宿する羽目になる。雨足が強かったのもあって道の途中で一緒に休憩していた屋根付きのトラックの荷台にみんなでうつり仮眠を取る。

一夜を明かしている所・・・撮ったものの何が何だか良くわからん・・・


 あんまり眠る事が出来ずミニバスに戻ると現地人が大音声で会話している。
 さすがに酷過ぎたので思わず日本語で『うるせえぞ、てめえら、こっちは寝ていねえんだ、少しは静かにしやがれ!』と叫んしまったら気の良さそうな男性が「ゴメンな、でも俺たちアフリカ人はいつでもこうやって大声でしゃべっていないとダメなんだ」と笑顔で言ってきたのでついついつられて怒りのゲージが収まる。

 私が今いるのはアフリカだ。「電車の中で携帯で話す」事がマナー違反の日本とはまるで異なる世界だった。

 夜一か所検問を越える。「夜間通過料」として一人500レオネ(約15円)。夜間営業していないからという納得?の請求だった。

2005.12.08(木)

 なんだかんだでボーに着いたのは朝の10:00となってしまう。
 政府の大型バスがあると聞いていたがその出発は朝だけでもうプライベートのミニバスに乗るしかなくなっていた。  

 今度は前座席を確実にゲット、前座席と後座席の値段もしっかりと違っている。

乗ったミニバス、カラフルな奴


ボーの町並



 ミニバスは11:30時に出発、フリータウンまでここからは120、30Kmと言った所だろうか?なにも無ければ日が落ちる前には十分に到着できる。怖いのは国境からここまでと同じようにずっと悪路だったらという事だ。

 出発直後はしばらくダートの道が続く、雨が上がっていた事と、ダートとはいえそれほど悪路ではなかったので進みは順調だ。

出発後の道




 そしてしばらく行くと舗装路に変わる、十分に整備されているとは言い難いが前よりも100倍はマシになっていた。


舗装路、地面の凸凹が見える

 

 私がこれから向かうのはフリータウン、「自由の街」・・・

 リベリアという自由の国を抜けて向かうのが自由の街というのはシャレている。

 だが、この自由と名のつく二つの場所がただでさえ混乱と内戦を繰り返すアフリカ諸国の中でも屈指の政情不安定さを誇っているというのは何とも皮肉なネーミングに感じてしまう。

 自由とは?ここでは”無法”と言い換えた方がいいのかもしれないだろう。

南国をかんじさせる道中の景色


この写真はこんな所に電線があると珍しいと感じて撮影していた。


電線好き好きの写真をもう一枚



 距離はそれほどなく、順調に進んでいたが、それでも想像以上に時間がかかる道のりだ。





 遠くにフリータウンとおぼしき物を見つけた事にはすでに17:00時を回っていた・・・


 結局市中に到着したのは18:00時。

フリータウン郊外


モスク



 到着してからドライバーが掴まえてくれたタクシーは結構な額を言ってくる、半額以下に値切ったが6000レオネ(250円ぐらい)はいい値段だ。

 目当ての宿はYMCA、シングルは埋まっていたので仕方なくダブル、でも宿にあぶれるよりは余程いいのでこれでもマシといっていいのだろう。

 そしてここでは予想外のポーランド人バックパッカーが泊まっていた。

 「こんな国に自分以外のツーリストがいるなんて」と、お互い珍しく思い、完全停電だったフリータウンの街に出て一緒にビールを飲む。彼の話だとシエラレオネ⇒リベリア⇒コートジと抜けたスウェーデン人が友人にいてこれからそのルートでコートジを目指すという事だ。コートジからリベリアに抜けるルートは断念していた(もともとブルキナに上がる予定というのもあったが)のでこれには少し驚かされる。

 酒に強い彼は底なしだったがこちらは一昼夜にまたがる移動の直後、疲労がたまっていた事もあって彼を置いて先のYMCAに戻ることにした。

 泊まっているここも夜間は停電だが水は出る。ヘッドライトで照らしながらシャワーを浴びて洗濯も済ます。

 『悪くはない』

 それがここでの第一印象だ。

 明日からはこの街の散策でもしてみようか・・・


YMCAから撮ったフリータウンの夜景、明りがあるのは自家発電機を持っている建物だけ。


 

 








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