モルジブフィッシュ...
知る人ぞ知る有名な魚である。
学術的にはスズキ目スズメダイ科クマノミ亜科 の一種で「モルジブ・アネモネフイッシュ」といい、熱帯のサンゴ礁に分布・生息し、あざやかな体色、大型イソギンチャクとの共生、性転換などの変わった特徴を多く持つ魚である。
今回この先話を続けるのにこの魚は大きな意味を...
持っていない...、というかまったく無い!!
たまたま名前を聞いたことがあってなんとなく調べたものをそのままうつして書いてみただけだ...
さてモルジブという国をどれだけの人間が知っているのだろうか??
私は旅行界で唯一「プロフェッショナル」を名乗るツーリストである...
その私ですらたまたまあった旅行者にインドからスリランカに行くつもりという話しをしたときに「じゃあモルジブもいくんですね」と言われて初めて場所が分かったぐらいの国だ...
インドやスリランカに近いこの国...私が今まで知り合った旅行者は優に100人は超えるだろうが他聞にしてこの国を訪れたなどという話は聞いたことが無い...
調べてみると「完全なリゾート国」らしいが日本や日本人にとってはただのマイナーな秘境の一つに間違いないだろう…
なんせ今まで会った日本人旅行者を100とするとこの国に言った人間は”ゼロ”...
私はプロフェッショナルとして断言する。モルジブは南アジアに残された”唯一の秘境”であると...
そしてこの私だけがモルジブにいる”唯一日本国籍を持つツーリスト”になるであろうと...
当然渡航に際しても十全の準備を整える。ガイドブックはインドのデリーで購入した中古のロンプラ、荷物の大半はトリバンドラムで泊まっていた宿に預けてある...
あとは”この秘境に行くだけだ”!!
トリバンドラムからのフライトは昼、距離が近いので1300時ころには首都マレーの隣の島の国際空港に到着、ちなみにセカンドミッション初フライト、初島国である...。当然テンションはあがる...
目的地のマレは島全体が首都という島国らしいが私には珍しい形態の場所だ。さっそくフェリーで首都に向かう。
ホテル探しに手間取って、最初に見つけた安宿が次に行った時にはフルで高い宿に泊まらざるを得なくなったがまあ仕方が無いだろう。
「欧米人たちにとっては屈指のリゾート地」だろうが「日本人にとっては知られざる秘境の地」なのである。
このぐらいの出費は冒険の代償としては仕方が無いのかもしれない...
首都、マレーを早速散策する...
すると...
なっなにぃ~...「花まる子」って...、それも日本語かよ!!
うあっ!!「竹中直人さんのお店」だとぅ...、こんな所に店舗を構えていたのか!あの人は...
はうあっ!ローソン...、でも何屋だ?これは...
なんだって、「ナンちゃん」のお店って...あの「ナンちゃん」かい???
「...」
「...」
「うむうぅ...」
こいつはちょっと予想外だ...日本語の看板を掲げている店がこうも目に付くとは...
リゾート地ということは観光客目当てには違いがないが「この秘境モルジブ」に訪れる日本人がそんなにいるだろうか...
まあいい、所詮は旅行者だけ来るリゾート国だ、少し秘境感はなくなったが、それはそれでいいだろう...
おっおやっ...
住友建設...
うむぅぅぅぅぅ~...日本企業まで入っていたとは...
あれっ?この会社、ファーストミッション最初のフライトチケットを買った会社じゃぁないか...
有名な格安航空券会社...
なんだってんだ、この国は...日本人ラッシュではないか...
翌日、さっそくこの航空券会社のオフィスに聞いてみる。
モルジブ人だが実に流暢な日本語を話す...
「ああ、かなりの数の日本人がこの国を訪れてますよ。ダイバーさんや、ハネムーンのカップル、グループツアーといった旅行者さんだけでなく日本企業やビジネスマンさんも1杯入ってますよ!」
「...」
「...」
どうやら私は「秘境に来る」と何か勘違いしていたらしい...
どう考えても「日本人にメジャーなツーリスト国家」ではないか...
そして一つだけはっきりしていることがある。
「この世界屈指のリゾート地にわざわざ首都だけ見に来たツーリストはこの”プロフェッショナル・トージョー”だけであると」...
「うーむ、自分でも何しにここにきたんだか、よう分からん...」