カナダの中のフランス(ケベック・シティ:カナダ)

カナダ

カナダ

カナダ基礎データ(2019外務省HPより抜粋し一部加筆)
1.面積:998.5万平方キロメートル(ロシアに次ぐ世界第2位,日本の約27倍)
2.人口:約3,789万人(2020年1月カナダ統計局推計)
3.首都:オタワ(人口約99万人)、最大の都市はトロントで約273万人
4.民族:アフリカ系(90.6%),欧州系白人(4.7%),混血(2.1%),その他
5.言語:英語,フランス語が公用語
6.宗教:国民の3分の2以上(67.3%)がキリスト教徒(国民の約39%がローマ・カトリック),約2割(23.9%)が無宗教(2011年カナダ統計局)
7.通貨:カナダドル ※1CAD(カナダドル)≒85円で計算。(換金レート考慮し、さらに分かり易くするためやや割り増し。キャッシュカードでの引き出しは手数料込みで換算して約83円だった)

 ※ブログの日付は旅行当時に合わせてますが、しばらく経ってから記事を書いているので実際のアップ日は2020.05.22です

ケベック・シティ地図(観光案内所の無料配布の物より切り取り)



2019.05.30(木)

 07:30時、セルフサービスの朝食が準備される時間に併せて起きる。
 昨晩はペプシで糊口を凌いだだけだったので、クロワッサンは格別に美味く感じた。

 09:30時、外に出る。

メゾンの朝食。セルフサービスなのでお気軽。苦手なフルーツは摂らなかったが。


 インディアンの言葉で狭い水路を意味する、セント・ローレンス川が幅を狭める地点に位置するこの都市は、北米唯一の城壁都市で、ヨーロッパではお馴染みの石畳の道や石造りの建物のある旧市街は歴史地区として世界遺産となっている。
 
 だが宿を出て最初に向かったのはその旧市街ではなく、戦場公園だった。

門を出てすぐ


 街の歴史は1608年、フランス人探検家のサミュエル・ド・シャンプランが木造の砦をこの地に築いたことに端を発する。
 この戦場公園は、アブラハムの平原と呼ばれる場所にあり、1759年、戦いを繰り返してきた英仏の決戦地となり、仏軍が大敗しケベック・シティがイギリスの入植地となる事を余儀なくされたという曰くつきの場所だ。

戦場公園の入口とシタデル


 だがその敗北があっても、ケベック州の多くを占めるフランス系の住民の伝統、文化まで支配するに至らなかったため、この州は未だにフランス語が公用語で、看板や標識もフランス語というフランス文化の影響を感じられる地域になっている。

  要するにこの州はカナダの中のフランスで、ケベック・シティはそれを最も色濃く感じさせる都市なのだ。 

戦場公園の展望台から、セント・ローレンス川を眺めて。高台なので見晴らしが良い。


 戦場公園を抜けケベック美術館まで行って折り返す。
 館内を見る予定はない。
 今回カナダで寄る都市は全て2泊3日で計画している、観光するのは実質中日のみだ。
 興味が無いわけではないが優先順位から行くと外観さえ見れれば十分だ。

ケベック美術館


  空は今にも雨が降りそうな曇空でやや肌寒い。
 南国のバハマの後なので尚更そう感じた。

戦場公園。中段はマーテロー・タワーNo.1

上段左:ジャンヌ・ダルク庭園、右:マーテロー・タワーNo.2。下段右:グランド劇場


 10:30時
 旧市街にほど近い、キャピタル展望台に入る。
 高さ221m,360度ガラス張りの展望台は14.75CAD(約1250円)以上の価値があった。

Marie-Guyardビル31Fにあるキャピタル展望台。中段の川沿いの緑の所が先ほど歩いていた戦場公園。

中段が旧市街エリア


 11:30時、サン・ルイ門近くのケベック州議事堂へ戻ってくる。ガイドツアーは6/1日からで入れなかったのは少し残念だった。

ケベック州議事堂。サン・ルイ門、上がれるがごく一部しか繋がってないので城壁一周とかは出来ない。


 またサン・ルイ門に戻り、そこから今度は世界遺産の旧市街に入る。
 旧市街は城壁内のアッパー・タウンと崖下のロウワー・タウンに分かれているが範囲はそれほど広くなく、徒歩で十分に周れる程度だ。
  
サン・ルイ通りからウルスリンヌ教会へ

ホーリー・トリニティ教会

上・中段:市庁舎とその付近。

サン・ジャン通りから砲兵公園へ。下段:砲兵公園隣接の病院


 夜景は昨日見ていたが、昼は昼で落ち着ける。
 旅行の原点に立ち返って来たようだ。 

上段:サン・ジャン通り。下段:ノートルダム大聖堂

 
 アッパー・タウンの臍とも言うべきダルム広場へ向かう。
 ここに面するフェアモント・ル・シャトー・フロントナックはこの街の象徴である巨大なホテルだ。
 余談ではあるが第二次世界大戦時にはチャーチルとルーズベルト大統領の会談した歴史的な場所でもある。

上段:トレゾール通り:中下段:フェアモント・ル・シャトー・フロントナックとダルム広場

フェアモント・ル・シャトー・フロントナックとその中の一部


 残念ながら建物見学のツアーは時間が合わず。
 ただ、一瞥しただけでも見応えは十分にあったので満足だ。

 そのまま隣接する見晴らしの良いテラスを散策する

テラス


 アッパー・タウンの見所は大体これで終わりだ。
 テラスからフニキュレール(ケーブルカー)を使ってもロウアー・タウンに降りれたが、まずは階段で降りる事にする。

テラスからロウアー・タウンへ。最下段右に見える通りはプチ・シャンプラン通り。

プチ・シャンプラン通り。フニュキュレール

最下段はロウアー・タウンから見たフェアモント・ル・シャトー・フロントナック


 ここでセント・ローレンス川を挟んだ対岸にあるレヴィ行のフェリーに乗ることにする。
 街好きなので見れる限り色々な角度から眺めたかったし、また夜景のベスト・スポットも探りたかった。

レヴィ行フェリー乗場と船内

フェリー上からの景色とレヴィのターミナル。旧市街のシャトーは遠目でも巨大


 対岸そのものには用は無い。
 川越しに旧市街の景色を一通り眺めてまた戻る。

レヴィのターミナルと川上から。


 14時過ぎ、ロウアー・タウンに戻ってくる。
 その中心のロワイヤル広場の勝利のノートルダム教会を見てから今度は駅へと向かう。

中段:ロワイヤル広場、下段:そこに面する勝利のノートルダム教会

上段と下段左はロワイヤル広場。そこから川沿いの道を進む

上段左:ガソリンスタンド。下段は旧港の市場


 駅の訪れたのは明日の出発場所になる事と、旧市街の端が大体このあたりだったからだ。

旧市街の端にあるパレ駅



 これで新旧市街の主だった見所は終わりだ。
 お腹が大分すいてきた。
 昨日のリベンジも込め一度スーパーに寄り、おやつを買ってから宿に戻る。

 15:30時、少し遅い三時のおやつは空腹を満たすのに丁度良かった。

中段左がスーパー


 日没は20時
 それにタイミングを合わせてホテルを出る。
 外は雨、出た瞬間にサンセットは空振りになった、まだ夜景が残っている。

 ワークマンのレインコートを羽織り、通販で買った折り畳みの傘をさす。

 最初に向かったのはフェアモント・ル・シャトー・フロントナックのテラスのフニキュレール乗場だ。
 夜はこれを楽しみたかった。

フェアモント・ル・シャトー・フロントナックとフニキュレール


 ロウアー・タウンに到着して直ぐにプチ・シャンプラン通りを抜けレヴィ行のフェリーに乗る。

プチ・シャンプラン通りにフェリー乗場


 旧市街の夜景はレヴィ地区からと決めていた。

レヴィ地区とそこからの旧市街の夜景。やはりシャトーが目立つ。

最下段は旧市街から見たレヴィ


 どんどんと雨は強くなる。
 ただそれが幸いして私以外に歩いている者をあまり見なくなり、濡れる石畳を独り占めという贅沢な空間を味わえる。

フェリー乗場からプチ・シャンプラン通りへ


 ただ、いくら趣があるからと言って、降りしきる雨でこれ以上観光するのは厳しくなってきた。
 そこでルートを絞る事にする。
 昨晩ある程度周っていたのは今日の雨を予期しての事では無かったが結果正解だ。

 可能な時、可能な限りの観光を!

  ツーリストの鉄則をプロフェッショナルは何時でも外さない。

フニュキュレールの下の乗場の建物は1683年に建てられた歴史的な物


 アッパー・タウンに戻り、サン・ジャン通りへ向かう。
 肌寒くも感じ始めていたが、晩飯を手にしないといけなかった。

上段:トレゾール通り。下段:市庁舎付近


 目指したのはマクドナルド。
 単にジャンクが食べたかったからという理由のほかに、カナダのマックにも行ってみたかったからだ。
 買ったのはチーズバーガーにフィッシュ&チップスのセットで12.3CAD(約1050円)
 そして宿に帰って食べたマクドナルドはやはりマクドナルドだった。

サン・ジャン通りのマクドナルド。下段は宿に飾っていたケベックの地図。


2019.05.31(金)

 08:00時。
 昨日がっつりと観光したので今日はのんびりだ、ゆっくりと朝食をとってから移動の準備をする。

 11:45時、遅いチェックアウトをしてパレ駅へと歩く。

ベランダと今日の朝食。下段は宿


 今回バハマからトロントを経由してこのケベックをカナダのスタートとしたのは、ここから陸路で南下したかったからだ。
 2016年の海外首都狙撃再開以来、島国中心で攻めて来たので陸路らしい移動はフィジーでナンディからスバへ行った時くらいで、ましてや海外での鉄道の都市間移動なんてものは10年振りだった。

 カナダという巨大な国で、時間の制限があるので流石に横断とまではいけなかったが、プチ縦断が出来るだけでもテンションはだだ上がりだった。

上段:サン・ジャン通り、マクドナルドもお洒落。下段:パレ駅


 宿を出て15分程度でパレ駅に到着。

 鉄道は時間になるとチェックインが必要なシステムで、しばらく待ってから列に並び、自分の順番が来たらスマートフォンで日本出国前にネットで押さえたPDF化したチケットをスキャンしてもらう。
 実に便利な時代になったと改めて感心する。
 そして言われるがまま、前の人に倣いあまり考えずに荷物を預けた。

パレ駅構内とVIA、下段が私の荷物


 13:00時ケベック発。
 私の目的地はモントリオールだ。

 鉄道はオタワ行だったので、ちょっと気になってスタッフが回って来た時に確認してもらうと私の荷物もオタワ行になっている。
 このままだと生き別れになるのでお願いして回収する。
 こうした些細なトラブルはあったが、十年ぶりの海外都市間鉄道移動は、充分過ぎるほど快適だった・・・

車内。コンセントもあるので電池切れの心配はない。


 
 この国最初の狙撃地ケベック・シティ
 街好きな私にとっては久しぶりに心踊る都市
 カナダの中のフランスは、これから巡る他の都市も楽しみになる、そんな予感のさせる街った・・・






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