第30話 南海の孤島(ナウル)New!

Category: 激闘の記録!

あらすじ

舞台国ナウル

 世界でも稀にみる「たった1島だけの国家」、ナウル。

 1万人程度しかいない、世界で3番目に小さな、オーストラリアドルを通貨とするこの国は、かつてリン鉱石のおかげで世界一裕福な国であったが、資源が尽きると共に国家経営が破綻。「たった一本の国際電話回線が途切れた事による国ぐるみの通信途絶」や「国営航空会社の1機しかもってなかった航空機が差し押さえにあう」等、国家としてはあり得ない経験をし、また、裕福であった為、国民が働いて稼ぐことを知らず、「90%以上が失業者と言われる国民総ニート国家」「メタボ率世界1」等、今は「失敗国家のお手本」ともいえるような国となっている。

 日本人に観光で人気の無い国No1と言われる、見るからにダメそうなこの国家。航空機の便数が少ないのは仕方がないが入国は簡単と思いきや、「このエリアでビザの入国前の取得が唯一必要」と余計な所で格好をつけられたため、旅行者の南太平洋周遊の鬼門となっていた。

 その「南海の孤島」とも言うべきナウルに結局ビザ無しで突っ込むことになったプロフェッショナル・デューク・東城。

 果たしてその結末は?

 どうする?ゴルコ・サーティーワン!!

 舞台国ナウル

※上記地図は自転車をレンタルした時にホテルからもらった手書き地図のコピー

尚、1AUD(オーストラリアドル)=約80円で計算しています。

 

序章

 話は計画を立て始めた2ヶ月前に遡る・・・

 南太平洋周遊。サードミッションまで訪れたのは基本日本から遠い、或いは行き辛い国を中心としていたので、ここは余していたエリアだった。「日本から南下するだけで時差も殆ど無い」ので、いつでもいけるイージーな場所というのがイメージだったが、航空機を調べ始めるとかつてカリブ海を周った時にあったリアットエアーの様な基点を本国に置きながら周辺エリアの島国を悉くカバーするような航空会社は無く、単発単発で便を押えなければならず、かつ、便数も国によっては週1,2便しかない。要するに面倒くさい地域だということが判明する。

 有給消化して連続1ヶ月というのが期間的な限界だったので効率良くやらねば、と、この辺りを周遊したことのある旅行者たちにアドバイスを求めた所、ある旅行者(  旅して~世界206ヶ国&旅と暮らし) から「あの辺りを周るのなら”ナウル”を最初にやっつけた方が良いよ」という返信があった。

 『ナウル・・・か・・・』

 行ければ行こうと思っていたが今回はどうするかとあまり考えてなかったので調べていくと、これも周遊の相談をしたMasaki氏のブログ( 旅が仕事)内のナウルが関連する記事に、「ビザが必要だが結局ビザなしで突っ込んで大丈夫だった」。と書かれていた。

 『ビザが必要なのは分かったけど、ビザ無しでも入れるっていうのは・・・』

 怪訝に思っていろいろと調べてみると、ヒットする数少ないナウルを訪れた旅行者の記事で「ビザが事前に取れた」と書いている人が誰もいないにも関わらず、みんな入国を果たしていた。

 『・・・、どうなってんの??』

 そんな頃、友人(ゲームセンターコミネ)からメールがあった。「ナウルなら最近(1年前位)行っている」という事だ。早速(名もなき旅の記録 )のヒロ氏も交えて「タイに行きタイ会」を開くことにした。この集会名は私を含めたこの3人はそれなりの国数、期間の渡航経験はあるものの、肝心のバックパッカーの登竜門と言われるタイには誰も行った事がないので、いつかきっと多分という事で2人の断りなく勝手にこのプロフェッショナルがつけた名称だ。

 この時分かったのが、コミネ氏は事前ビザの取得無しどころか、「トランジット扱い」でビザなしで入出国している(ゲームセンターコミネ内に記事あり)という衝撃の事実だった。

 私の買った新版のロンプラにはナウルのガイドがカットされていたのでコミネ氏が持っていた旧版のナウルの部分(数ページしかない)のコピーをもらい、面倒だけど不味い物は先にいただくという「旅行者の鉄則」にのっとり、渋々ながらいく事を決意したのだった。

 

 そして日本出国予定の1月前、ナウル航空の便の予約、またホテルの予約は簡単に済んだので、事前ビザの取得もとりあえずやってみることにした。「とりあえず」と書いたのは近年訪れた人のブログ等では「領事館にメールを送っても返信が来ないので航空券とホテルだけ押えてビザなしで突っ込んで結果入国」という、黄金パターンが確立されていたので、それなら「メールした証拠だけでもあればOKだろう」とビザなしで突っ込む気だったからだ。そもそも週2便とかなら、一度降りて飛行機が出てしまえば出国しようもなくなるのでどのみち「入国させる以外手段がない」だろう。そう思ってメールを領事館に送ったのだ。

 だが、事態はこの後急速に面倒になっていく、返信が来ないパターンが確立されていたのに、あっさりとメールが返信され、その中に取得方法まで書かれている。

 『返信なんて余計なことをしやがって・・・』

 ただ、来てしまったからにはやらなければいけない。仕事の合間で中々進まなかったが、パスポートコピーや航空便、ホテルの予約などPDFに落としたり、添付されていたビザフォームも入力したりして書類を揃えてメールする。ここまでは良かったがさらに「在職証明書」に手間取り、ようやく出発1週間前に会社から出してもらったが、それが日本語だけで、そのまま送ったら「英語で」と返信があったので、とりあえず慌てて自分で翻訳して送り返した頃、その返信がまだだったが、もう出国する日になっていたのだった。

 『やれることはやった、というよりもやらざるを得なくなってやらされた』感の強さは否めないが・・・

 とりあえずはやってみようではないか・・・

イメージ図です

 

第1章:脱出の餓島(ホニアラ:ソロモン諸島)

2016.10.28(金)

 『2:00時に頼む』

 昨日宿のオーナーにお願いし、空港までのトランスポートを確保していた。ナウル行きの便の出発は早朝5時。これもミクロネシア連邦発で島々を寄りながらフィジー終点という便にホニアラで途中乗車してナウルで途中降車するせいでこんな早朝しか便が無かったからだ。

 2時となると1時には起きなくてはならず、21時にはベッドに横になったが、結局寝られずこの時間まで起きてしまっていた。

 少し早くレセにいきチェックアウトして車を待つ。

 そして車が来ないまま15分経過・・・

 受付のお姉さんも少し焦っている様子だ。「ボスは確かに2時って言ってたのに・・・」、『私もそう聞いているよ』と会話をしつつ、さらに待つ。

 そして30分経過・・・、まだ来ない・・・

 『流石は音に聞こえしナウル、ホニアラのホテル出発時点で空港にすら行かせない罠を仕掛けてくるとは・・・』

 じゃ、なかった。

 このままではナウル入国どころかソロモン出国が危うくなる、とりあえずは空港に行かなければ・・・。

 『タクシー呼べる?』、空港まで20分程度としても2時間前にはついておきたい、彼女は「いいわよ」と答えて携帯でタクシー会社に電話する。

 「そ~りぃ~(ごめんね)」と、彼女がボスの車が来ないことを申し訳なさそうに伝えてきたので『いいよ、ボスにも何かあったんだろうからね』と答えると「そういえば彼は家庭に問題が・・・」との事だ。

 いやいや、そうじゃない、こちらが心配してるのは事故とか病気だったんだが、まあこの際は他人の事情よりも自分の事情が優先だった。

 02:45 先ほど呼んだタクシーが到着、そして乗り込むと同時にボスの車が到着!

 お姉さんがドライバーに事情を説明してタクシーをキャンセルし、私はボスの車に乗り換えて空港へと向かう。取り敢えずは一安心とボスに

 『どうしたんだい?何かあったかと思って心配したよ!』と、話しかけると

 「いやぁ~、覚えていたんだけどアラーム間違えてて・・・」

 『・・・』

 『って、それかい!』

 まさかのアラームのせいで危うくソロモンに釘付けになる所だったが、結果的には空港へは3時に到着、悪くないスタートだ。

 カウンターは開いてなかったが一人待っていたので『ナウル?』と聞くと「そうだよ」と答えが返ってくる。実をいうと”ナウル航空”などという得体の知れない航空会社が予定通りに朝5時に出るかどうか不安だったので、これですこしほっとする。

 私が到着してから10分とかからずカウンターは空き、チェックインが始まる。私は列の2番目、準備した書類を見せればすぐに受付終了のはずだった。だが、係から「君の名前は無いよ!」と衝撃の告白が。

 『・・・』

 『購入後すぐに返信も着て”確約済み”となってる航空券の予約書類を持っていてすら名前がないとは・・・。確かにナウル航空にリコンファーム(再確認)はしなかったが、あなたの航空券はキャンセルしましたのメールも貰ってないしそもそも今はリコンファーム不要のはずだが・・・。』

 私はスタッフに『これを再度調べてくれ』と依頼する。

 その係はすぐ裏の事務室のスタッフに連絡し、そのスタッフに私の持っているE-ticketを調べてもらう事になる。

 少し時間がかかったが、どうやら先方の何か手違いだったらしく、チェックインカウンターに呼ばれ、搭乗手続きが始まった。そしてスタッフが私にボーディングパスを渡しながら、

 「君の名前がなかった理由がこれだよ・・・」と、説明してくれる。その搭乗券にふと目を向けると名前の所が

 「Duke/T」になっている。

 『・・・』

 『これ俺だよ!』

 と、なんであるのに探せなかったの?というニュアンスで聞くと

 「普通は「Tojo/D」になるんだけどね。」

 と。

 『・・・』

 『ご、ごもっともで・・・』

 そして思い出したように「ナウルのビザは?」と聞いてきたので『領事知っているからあっちで取れるよ』と伝えると、一応準備だけしていたメールのやり取りを打ち出した書類を確認することもなく「それならOK」となる。

 『・・・』

 『いいのか?こんなんで俺を乗せて・・・?』

 こちらは行きさえすれば何とかなるというスタンスなので、相手の仕事の内容はともかく、乗れるのならこの際なんでも良いだろう。フライトのチェックがザルなのはナウル入国成功の始まりだ。これで第2関門は突破した。(※空港まで行くのに予期せぬトラブルが発生しそれが第1関門になった為、自動的にソロモン出国が第2関門に繰り下がりです)

ホニアラ国際空港。

 

 外で煙草を吸いつつ、1時間前にイミグレーションを通り搭乗ロビーで待つことにする。そして少し早く機内に入ったと思ったら5時の出発時間より早く、飛行機は離陸。今まで遅れることはあっても早く出るなんてことが無かったので少しビックリしたが、これでやる事のなくなっていた餓島ともお別れだった。

機内で飲んだトニックと機内食。

 

第2章:南海の孤島、その始まり(ナウル)

 「パプアニューギニア」も「ソロモン」も何事もない「普通の旅行の範疇」だった。だが、これから行く国は様相をがらりと変え、「何かが始まる予感」に満ち溢れていた。そしてその「何か」が出鱈目で面倒だという事も・・・。

 朝日が昇り、朝焼けに染まった空が青色に落ち着くころ、ふと窓から外を見ると一つの島が見えてきた。

機内からみた朝日に朝焼け、右下の翼の先端に小さな島が写っている。

 

 『あれだっ!』

 上空から見る限りなんの特徴もない島々はこの辺りでごまんと転がっている、だが、私には予感めいた、確信に近い物があった。

 

もう少し近づいた時の写真。

 

 決して友人のHPや見たブログでみた写真、島の地図、フライトの時間からそう思った訳ではなく、エレガントなツーリストのみ持ちうる研ぎ澄まされた感覚だけが頼りの判断だったが、それは大当たりで、この後航空機は急速に旋回し、高度を下げ始める。

 『始まったな・・・・』

 そして空港に着陸。

直陸時、および降りてから。

 

 到着したのは07:30時。

 『さてと・・・』

 ビザは結局取っていない、書類はある。まずはイミグレとの攻防がこの国での戦闘開始の合図だ。

 私の順が来てイミグレへ進む。女性の係が「ビザはあるの?」と聞いてきた。予想通りの展開だ。『取れる書類は全部あるよ』と書類を出そうとすると、それを見る事すらなく、「じゃあパスポートを預かるわ。普通は明日なんだけど、明日土曜日であなたは日曜日出発なので今日手続きするから、ホテルにチェックインしてからまたイミグレに来てね」と返答される。

 『う~ん、こちらの書類もチェックせずに、まずホテルにチェックインしろというのはどう拡大解釈してももう入国OKという事だな・・・』

 と、都合よく解釈してそのまま空港を出る。パスポートがないままチェックインしろとは大抵の国では無謀な話だが、ここはナウルだ。ノープロブレムだろう・・・。

 空港を出て煙草を吸ってしばし時間を稼ぐ。予約しているのは国営ホテル、事前にピックアップの依頼はしていないが、泊まれる宿が3件しかないといわれるこの国だ。旅客が多ければ勝手に迎えに来ているだろうと思っていたが、周りを見る限りその気配はなかった。ロンプラにもホテルが迎えに来ていなければ歩く準備をしなければいけないと書かれていたので、ピックアップサービスをすぐに諦め歩くことにした。

 

 ソロモンは空港から12kmだが、今回は6km程度。それにナウル人は暇人が多いので逆ヒッチしてくれる確率が高い。これも事前に仕入れていた情報だ。そして案にたがわず、空港横の通りを歩いて分岐点に差し掛かったころ、初老の男女の乗った車が声をかけてきた。

 「お~い、どこに行くんだい?」

 『メネンホテルに予約しているよ、この道でOKかい』

 「じゃあ、乗っけてってあげるよ」

 と簡単に逆ヒッチに成功する。これも予期して事だが、こうもあっさりだと少し拍子抜けだ。ドライバーの初老の男性にこれまでの事情を話すと

 「他の国ではそんな事はあり得ない、この国は間抜けすぎる、ビザなんて空港でポンッで良いだろう」といった感じで、実際の当事者である私以上に憤りを感じているようで、終始国の悪口を言いつつホテルにあっさりと到着。お礼を言って別れる。

 受付に行ってパスポートがない事情を話してホテルの予約書を見せるとあっさりとチェックインOKに。これで宿を確保、第三関門突破だ。

 そしhてパスポートをまた取りにいかなければいけないことを伝えると「ならホテルの車で」と簡単に了解が得られる。しかも料金は無料だそうだ。昨日は横になっていたとは言え結局寝れていないしホテルの車が遅れてやきもきしたりしてそこそこに消耗していたが、パスポートが無いのも落ち着かないので『10時にお願い』で話が纏まる。

メネンホテル 右上の写真の白い車はさっき初老の男性に教えてもらったナウルにたった一台のタクシー

こちらが部屋の様子。テレビ、冷蔵庫あり、ホットシャワー、ベランダ付。

 

 少し自分の部屋で横になるが1~2時間という微妙すぎる待ち時間は寝るには危険だし起きているにはシンドイ。10時と言われつつ、これ以上部屋で待つのもつらくなり、結局ホテルのロビーに行って待つ。ドライバーは大体10時に現れて「じゃあ」といった感じで街中に向かった。

ホテルの車の中から。ちなみに離発着時は空港北の道路は閉鎖となる。真ん中右はシビックセンター

 

 最初空港にイミグレがあってそこに戻ると思っていたが、空港横の海岸側の道路にある所で車を止め、「こっちだよ」とドライバーが先導してイミグレーションのオフィスまで同行してくれる。「終わったら来てね」と言われ、私は手続きへと向かう。書類こそ持ってるものの、パスポートは無いので口頭で『ビザの手続きをしに来た、パスポートは預けているよ』と伝えるとしばらく待ってから「じゃあ中へ入って」と案内され、領事と面接することになる。

 『ミスター・ラジーフ?』

 メールでやり取りしていた男性だと思って聞くと「そうだよ」と返される。事前にメールコンタクトで何度もやり取りしていたのでどうせすぐ終わるだろうと高を括っていたら意外にも色々と質問さる。例えば

 「どうしてここに来たんんだ?」

 『世界中の国々を見て回っていて、出鱈目そうな国なので適当にやっても入れそうな今、ついてにやっつけようと、今回ルート上にナウルが入れられたので興味を持って訪れたいと思ってました』

 「入国拒否にあうと思わなかったか?」

 『色々調べたら、ぶっちゃけ到着しちゃえば何とかなると思ってました、事前に領事とやり取りが出来ていたので、大丈夫だと思ってました』

 「ソロモンで出国する際ビザが無いのに搭乗拒否されなかったか?」

 『ええ、適当に誤魔化せば大丈夫だと、はい、飛行機のチケットやホテルの予約表を見せたら大丈夫でした」

 といった感じでこんなやりとりをしながらいつの間にか30分位たってしまっていた。

 ただ私が誠実に受け答えをしたのでどうやら納得してくれたらしく、「じゃあビザを出すよ」という話で落ち着く。『書類は?』と聞くと「この在職証明書を手書きで英訳した物と写真だけでいいよ、あとはメールでもらっているからね」と言う返答だ。『あれっ?』、在職証明書もPDF化してさらにそれに英訳を付けてメールしていたのにどうやら届いてないか見られていないかの様だった。最後に

 『今回結局事前にビザを取れませんでしたけど、領事館の無い国はどうしたら良いのですが?』と聞くと

 「入国したらビザが確実に取れるという”Confirmed Letter(確約書)”があればOKだよ、今回は君を入国させるけど、今後もし友達とか知り合いとかでこの国を訪れようとしている人が入れれば、もしそれがないと面倒な事になるので伝えてね」と、答えが返ってきた。

 私の送った最後の書類、在職証明書、これが領事に伝わっていればおそらく上の”Confirmed Letter”がメールで送られていたのだろう。

 『いちいち格好つけやがって面倒臭い事この上ねぇ~、分かりました、有難うございました』

 と素直にお礼を言う、これで取り敢えずビザは終わりだが料金は・・・?すると領事が

 「今から君に”Invoice(請求書)”の書類を受付から渡すから、それも持ってラベニューオフィス(銀行の場所)に行って50AUD(約4000円)支払ってからまた来てね、そしたらパスポートにビザを押して返却するからね」と、伝えてくる。

 『・・・』

 『・・・ここで払えないの?』

 なんて聞くのは愚問だろう。

 『たしかに逆ヒッチのおじいさんが言ってた通り、間抜けすぎるシステムだ、はい、じゃあいって来ま~す』

 と答え一度事務所を後にして車に戻りドライバーに説明すると「じゃあ行こうか?」とあっさりと返され車で出発する。事務所から2km程度は離れたシビックセンターの下にある銀行には並んでいる列もあったがドライバーが「こいつビザの支払いだよ」と奥の係に伝え、すぐに手続きが終わる。そして事務所でinvoiceの紙を渡し、私のパスポートにスタンプが押されパスポートがようやく返される。ホテルに戻りしな、ドライバーに『いつもの事なの?』、と聞くと笑いながら「毎回こんなんだよ」と返してくれた。

 この作業に所要1時間程度、私はたまたま日程上当日受領が出来たが普段1日待たされると考えると実に馬鹿馬鹿しく思えるが、とりあえずはこれで第4関門突破とすべてがクリアーだ。

小腹がすいていたので食べたホテル併設のキオスクで買ったコーラ(オーストラリア製?)とキットカット

 

 『ふぅ~』

 これで一段落だ、少し休むことにした。

 

 第3章:ナウル1周紀行

 14:00時頃起きてフロントへ向かう。全周19kmしかないと聞いていたのでそれならレンタルサイクルで島を一周しようという考えだ。空港⇔ホテル⇔イミグレ⇔街の中心とビザがらみで既に半分程度見てしまっていたし、明日丸一日観光出来るのでそこで一気に終わらせても良かったが、それでも予期せぬ何かが急に起こるかもしれない。

 それなら「可能な限り早く観光を終わらす」というのはツーリストの鉄則だろう。

 その途中、晩飯に何があるか調べにレストランに行くと東洋人の二人組の男性が何かスタッフに話しかけている。『あれっ?』そのイントネーションが日本人がしゃべる英語だった。こんな所で日本人に会うなんてと私から声をかけてみる事にした。

 『もしかして日本人?』

 「そうですよ、でもここで日本人に会うとは思いませんでした。」

 『観光ですか?』

 「仕事です、でも観光でこんな所に日本人が来るなんて・・・!!」

 『お互い様ですよ、私もまさか日本人がそれも仕事でこんな所にいるなんて・・・』

 レストランでコーラを買い、お互い物珍しさから1時間くらいブレイクタイムを取って話し込む。

 長期滞在での仕事かと思いきや、彼らも短期で4日間、私より2日前に来ていたようだった。彼らが言うには「聞いた話とは実際に見ると違って、この国はそんなにひどくはないですよ。噂のリン鉱石もまだしばらくは出るみたいだし、それに彼らはいざとなったら魚を取れるから死ぬこともないからそんなに悲惨ではないですよ」という事だ。先に来た彼は私の友人ゲームセンターコミネ氏とはまた違う市街にある「オドゥン・アイウォ・ホテル」という所に泊まっているので私の部屋を見せ、そちらはどう?と聞くと明らかにこっちが良いと言っていた。ちなみにメネンホテルは125AUDでトイレにホットシャワー、エアコン、テレビ、冷蔵庫、ベランダ付、併設レストランおよびレンタルサイクル有だが、オドゥン・アイウォは120AUDでトイレ水シャワー、エアコン冷蔵庫はあるがテレビは無く当然ベランダも無い、それに併設レストランはあるがレンタルサイクルは無い。といった具合だ。コミネ氏の泊まっていた宿はメールで問い合わせたとき160AUDと大分上がっていたので、3軒しかホテルの無い国でその3軒すべての情報が得られた上に自分の選択がベストだと分かってホッとする。

 彼らから「自転車ならなんか棒を持ってた方が良いですよ、現地の人も野犬対策でやってますからね」

 と、アドバイスを貰って別れるころには小一時間経っていた。

 レセプションでレンタルサイクルを改めて聞くと、「一日15AUD(1200円),借りる時に50AUDデポジットを払い返却時にそれはこちらに戻される。借りれる時間は18時まで、それは係が居なくなるのと真っ暗でどのみち自転車は運転できなくなるから」だそうだ。街中にいってレンタカーという手も当然あるが、自転車だと乗り降りが簡単だから写真も撮りやすいし、気になった場所で気軽に止まれるからこんな狭い国ならこちらの方がありがたい。レンタル料とデポジットを払い、ホテルを出ることにした。

ホテルを出てからの景色。上から2番目右はガソリンスタンド、簡単なキオスク付。一番下右は地区名を示す看板

※ちなみにナウルに首都は無く、島全体が~区と地区に分けられているだけ。

空港周りと内陸側の通り。

上から2番目と3番目左は空港。右の手前がレンタサイクル、端の白い木箱は灰皿。

空港の南端辺り。

街の中心シビックセンターからの眺め。下はその1Fにあるスーパー。中心と言っても3階建て程度の建物が3件ぐらいしかない。

 先ほど銀行に行ったときにスーパーがあったのを知っていたので寄って『ジュースってどこに置いてるの?』と聞くと「おいてないわよ」と返答される。売っている物も明らかに輸入品の缶詰や菓子で種類もそんなに無い。

シビックセンターのすぐ近くの教会、下は海沿いの集会所に公衆トイレ

オドゥン・アイウォ・ホテル

写真上左は旧倉庫らしい、右は採掘工場でまだ稼働しているみたい。一番下の右はバイク型の遊具

海とカンティレバー(貨物船にリン鉱石を積むための施設)。上の左が壊れたの物で、右上と一番下はまだ現役みたい

自転車と対犬用に適当に拾った枝。下右にはタンカーが写っている。

記念碑と下は工業?港?地域

中心から少し北側にいった通りの景色、おなかが減ったので中国人ショップで軽食をつまんだ。一番下右は病院

上は墓地、中断左は単科大学、下は教会と海沿いの墓地

海、遠くに船が写っている。

上が島の北側にある一番大きなスーパー。シビックセンターより物が遥かに豊富でトニックも買えた。

砲台に奇岩風景。中断右は日本援助で作られたが使用されてない魚市場。下右は漁港?

 

 かなりのんびりしながら周ったつもりだがそれでも所要3時間弱・・・

ホテルに帰ってから空がいい感じになったので夕焼けを取りに。日没は雲が多くてみれなかった。

ホテルのメインエントランス、イルミネーション?が施されていた。

 

 敷地内のホテルのレストランでディナーを楽しむ、メニューにかなりの種類が書かれていて『これ全部あるの?』と不安になったら「あるよ」と即答された。

ホテルのレストラン、2人組の生バンドの演奏付き。食べたのは野菜抜きチャーハン(特注、9AUD(720円))とコーラ1.5AUD(120円)

上から眺めたホテルのバー。夜1時くらいまでスピーカーを鳴らしていた。

珍しくビールを買ったがフィジー産。

ちなみにホテルのキオスクの方が街の中国人ショップとかより安く、また奇妙なことに600mlの水3本買った方が1.5Lの水よりも安かった。

 

 とりあえず1周は終わった。明日は内陸でもみようと思い床に就く。

 

第4章:ナウル横断紀行

2016.10.29(金)

 のんびりと起きて朝食・・・エレガントにブレックファーストをホテルのレストランで食べる

ちなみに10.9AUD(870円)これにコーラを1.5AUD(120円)でつけた。

 『さてと・・・』

 昨日島の1周で頑張ってのんびり周ってても3時間しかかかっていない、早く出すぎると早く終わりすぎるので昼頃までぐだぐだして13時になってからようやレセプションに行ってレンタルの手続きをする。ホテルの自転車は2台あり、どうせなら違う方を使いたがったが、ペダルにややガタツキがあり、それを修理してから借りるのも少し時間がかかりそうだったので、結局昨日のチャリにして出発した。地図を見ていると中心街から入って北側に道がかなり長く伸びているので車は無理でも自転車なら縦断出来るかもしれない。それを試すのも悪くはないだろう。

昨日は滑走路の内側を通り抜けたので今日は外側を。

上はイミグレとか入っていた政府のオフィスが集まる建物(でもプレハブっぽい)。

2段目左は政府庁舎、右は確か議事堂。3段目左は消防署?

ナウルの中心。上左はシビックセンター、右はその隣のテレコム。下左はガソリンスタンド。

 

 日差しがとてもあつく、水は持っていたが内陸に入る前に中国人ショップでコーラを買って飲み干す。

そこで撮ったヘルメット、一応義務らしいが私以外被っているのを見なかった。

市の中心から内陸に入る道路。上の壁は車の安全喚起の壁絵、右は津波の避難ルート。中右はリン鉱石の工場。下はもう内陸部

 坂を上って内陸に入ってまず見るべきはラグーンだ。そう思って坂を下りラグーンに出る。そしてそのころ私の自転車に異変が起きていた。

 『ハンドルがゆるんでガタガタだ・・・』

 昨日乗ってボロかったけどなんの問題も無かったチャリンコが、このタイミングでトラブルとは・・・、それも最初の目論見通り違うチャリにしておけば良かったのに・・・。

 好事魔多し、このままこぎ続けるのもしんどいと思って「car wash」の看板のある家に声をかける。ここなら工具があるかもしれない。

 そこは看板はあれどもただの民家だったようで、親切なおばさんが出てきてここにはないけど・・・と子供に近所の家に工具を取りに行かせる。しばらくして息子が返ってきたが、残念ながらハンドルのガタツキを直す六角レンチは無かった。おばさんが「ホテルの問題なんだからホテルに電話して迎えに来てもらわないとダメよ」と、親切にホテルに電話してくれ、ここで待つことになる。彼女は日本の静岡に訪れた事があると言っていたのでその話をしながら待っていても中々迎えが来ない。そうこうしているうちに旦那さんが車で戻ってきて、自転車を一度見た後わざわざ六角レンチを知人の所までまた車で取りに行き、私の自転車を修理してくれた。

 『あ、ありがと~(涙)』

 結局これに30分位はかかったが、そもそも一人じゃどうしようもなく、歩いて一度幹線道路まで出てホテルに戻ろうかと考えていたのでここで修理を終えてくれたことは天助と言っても良い幸運だった。

ラグーンに入って直ぐ、右側は私をヘルプしてくれた民家。下左は豚だった。

 ラグーン一周

 

 想定外に時間はかかったが、それでも余裕すぎるほど時間は余っている。ラグーンを抜けて元の道に戻り、今度は内陸奥に行くルートを進む。

内陸部、写真一番下は中東の国が援助したソーラーシステム

島の中の通り、中断はスクラップ置き場みたいな場所

 

 たまに会う人(主には作業所の番人やすれ違った車の人)に「海沿いに抜ける道」を聞きながら進んでいく。

中に貨物置場みたいな場所もあった。一番下はトラックが残土を運んでいた場所

 

 少し迷ったりしながらも海側の通りに抜ける坂道を下って内陸を抜けるとそのすぐ右はメネンホテルだった・・・

一番下がメネンホテルの入口から20mもいかない所にあった内陸部へ入る道の出入り口

 『・・・』

 ホテルから島の反対までわざわざ行って、頑張って抜けたらホテルとは・・・

 こうして結果的に縦断は出来なかったが横断を達成、このころには17時を過ぎていたので終わりにするには丁度良い時間となっていた。

ホテルのプールで家族連れがはしゃいでいた。

 

 仕事で来ていた日本人に勧められたレストランがホテルの北側の方にあったが、道路が真っ暗になり、歩きだと行く気が起きない。昨日とメニューを変えてホテルで食事をする。

本日の夕食はステーキサンド(10AUD(800円))に水(小1.2AUD(約100円))

 昔ブログとかで調べた記憶だとまだ戦跡や採掘跡で見てない場所もあるが、一周と横断を終えた今、もうこの国はおなか一杯といった感じになっていた。

ホテルの部屋の周りの雰囲気。鍵はプレスチック製のパンチキーだった。

 

 いずれにしてももう明日は出国だ。

部屋から見た夜のプール

 

 

第5章:ナウルを後にして

2016.10.30(日)

 今日のフライトは13:30時、ホテルが良かったのでここで朝食を取って部屋でのんびりとしてからチェックアウト。

部屋の近くの階段からの景色とホテルのロビー、それにレンタルサイクル。ちなみにロビーにATMがあったが、ワールドキャッシュが使えるかは不明。

 

 約束の11時に車が来て出発。ホテルの名前が入ったワンボックスでなく4WDでドライバーもレセにいた女性だった。

 『これなの?』

 と、聞くとホテルのバスが昨日トラブルでダメだったらしい。それで私のチャリのトラブルも迎えに行けなかったとのことだ。国営ホテルでそれもすごいと変な関心をしながらあっさりと空港に到着。手続きをすませて煙草を吸って中に入る。

下は搭乗ロビーのデューティーフリー。煙草は無かった。地図は欲しかったけど絶版と言われた。

 

 搭乗ロビーで待つことしばし、到着日に出会った日本人2人組と再会を果たす。私はフィジーだが、彼らはブリスベン。以前ナウル航空は1機しかないと聞いていたので彼らに確認したら今は3機あるらしく、彼らは私と別便でブリスベンへ行くそうだ。

 彼らと話しながらさらにそこから待っていると出発が遅れるというアナウンスが入る。1機はすでに止まっていたので、もう1機が着くのを待ち、その乗客でフィジーに行く人間を乗せ換えて出発するのだろう。

 その別便が到着し、私の便が出発したのは結局予定から2時間後となった。

ナウル航空と機内食

 

 「南海の孤島ナウル」、悪評高いこの国だったが、私に取っては結局どこにでもあるただの国の一つだった。※この辺りはその時々の情勢次第です。

 たった2泊3日だったがやりたいことは殆ど出来たといっても良いだろう。

 

 もしも後悔があるとしたらただ一つ

 125AUDも払っているホテルのWi-Fiが有料で、ネットを断念した為。ツイッターで

 

 『ナウルナウ』or『ナウナウル』

 

 と、どちらか悩み抜いた一言を呟けなかったことぐらいであろうか・・・

 

 ---完---

 

 

 

 

 






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    2016.11.11 新ミッション「The rest of the world 」の「1st Story(仮)」を終え帰国。記事はのんびりアップします

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