ロシア
経路図
2006.09.22(金)
モスクワでの4日目、1日をフルで使えるのは今日で最後だ。
何を見るか?
それについては余り悩む必要はない、最初から見たい物は決まっていた・・・
市内を走るトラム(路面電車)
クレムリン・・・
それがその答えだ。
モスクワで何か一つだけ、絶対に逃してはいけない見所と言えば赤の広場とクレムリンだろう。
『・・・』
『・・・・・・』
あっ!2つか!!
と、その辺りは適当に流しておいてモスクワ語で要塞を意味するこの言葉は日本ではモスクワのここを示している事が多い。
それは「旧ロシア帝国の宮殿」であり「共産党本部の中枢」であり現在でも「大統領府や大統領官邸」となっているという歴史的な重要さが桁違いだからなのだろう。
こうやってみると歴史的に最も重要なツーリストであるこのプロフェッショナルがここを訪れるのは運命に必然と言ってもいいだろう。
毎日のように通っていた赤の広場、それを通り越しクタフィヤ塔の入口からクレムリンへと入っていく。
上左:クタフィヤ塔、奥はトロイツカヤ塔。下:クレムリン大会宮殿
最初に驚いたのは中国人の団体客の多さだ。経済的に成長を遂げ富裕層が出来た事に寄りツアーで海外にどんどん出て来ているのだろう。
その為かチケット売場から入るまで20分ぐらいはかかったが私はその団体客の中国人を気にせず、どんどんとクレムリン内に入り込む事にした。
上:元老院、中:大砲の皇帝、
上記写真の中断については若干の説明を要するだろう。
”大砲の皇帝”、1586年に製造された当時は世界最大の口径で実に40トンもある。砲弾は1個1トン、弾ひとつとってもこのプロフェッショナル15人以上の重量を誇る。
幸か不幸か一度も発砲には至っていないらしい。実にロシアらしい造り物だ。
上左:ウスペンスキー大聖堂、上右:鐘の皇帝、中左:イワン大帝の鐘楼、中右:ブラゴヴェシチェンスキー聖堂
下左:パトリアーシュ宮殿、下右:ウスペンスキー大聖堂
ここでまた上記上段の写真右については若干の説明を要するだろう。
”鐘の皇帝”、1733~1735年にかけて製造されたこの鐘は高さ6m、重さは実に200トンと実にこのプロフェッショナル20人分を優に超える重さを持つ世界最大の鐘だ、残念ながら製造中に火災が起き、水を掛けた為に鐘にひびが入り一部分が欠け落ちてしまったので結局未完成のまま現在に至り、鐘は鳴らされた事が無い、という実にロシアらしい造り物だ・・・
『・・・』
『・・・・・・』
皇帝と名のつくもので世界一になるとロシアはアウトなのか?
とふとした疑問が湧かない訳ではないがこの辺りはただの偶然だろう。
上:リザパラジェーニヤ教会にテレムノイ宮殿、中左:イワン大帝の鐘楼、中右:アルハンゲルスキー聖堂
下:聖ウスペンスキー大聖堂にパトリアーシュ宮殿
ロシア正教会系に特有なドーム型の屋根を持つ教会に囲まれる聖堂広場はクレムリンという日本で持つどこかステレオタイプな暗いイメージを覆す見事な物であり、この私の感性にそぐう物だった。
上:リザパラジェーニヤ教会にテレムノイ宮殿、中:パトリアーシュ宮殿
下左:アルハンゲルスキー教会に鐘の皇帝、下右:大砲の皇帝
中をただ歩くだけで様々な建物に魅了されている自分に気付く。
それにしてもロシアというとアルコールや酔っ払い、そしてなんとなくいかついイメージ(このプロフェッショナルの偏見とも言います)が付きまとっていたが見る教会はどれもデザインが洗練されていて、それでいて華美で壮麗ではなく可愛らしい造りだ。“萌え教会”とでも言えばいいのだろうか?いずれにしてもこのプロフェッショナルの吟線に触れる外観だった・・・
上:元老院、中左:イワン大帝の鐘楼、中右:ブラゴヴェシチェンスキー聖堂、下:大クレムリン宮殿
クレムリン内の見所としては他にダイヤモンド庫と武器庫がある。
ただクレムリンへの入場料が300ルーブル(約1400円程度)、武器庫とダイヤモンド庫は各々350ルーブル(1600円程度)する。そうなるとトータルで5000円超えだ。
たった一ヶ所の観光地に投入するには高すぎる金額と考えれば良いだろう。
そしてダイヤモンド庫は写真撮影も禁止、となると見た所で記録には残せない。
そして元々私はどちらかというと街並の方が好きだ。
となると・・・
金銭的な事も考え・・・金銭的な事だけ考えてその2つは省略することにした、クレムリンの中を歩く、それだけで満足することにした・・・
そもそも既に300ルーブルは支払っていたのだ・・・
クレムリン内の広場とクレムリンから覗いた街並
クレムリンの中から望むモスクワ市内は樹木が妨げになっている所為か?良い物では無かった。中にある建物や塔の上から見ればまた違った感想の持ちようもあるのだろうが雀が丘からの全景を初日で望んでいたので、わざわざ登れる塔があるかどうかを探し始める気力も無くなっていた・・・
上、下左:ボロヴィツカヤ塔にダイヤモンド庫と武器庫、下右:トロイツカヤ塔とクタフィヤ塔
所要大体1時間半程度だろうか?クレムリンを後にする。
そして軽く昼食を摂り次のターゲットへと向かう。
モスクワ市街
旧モスクワの象徴がクレムリンとするならば新モスクワの象徴はなんになるのだろうか?
そう、答えは”スターリン・クラッシック”だ。
上、下右:政府関係?の近代的な建物。中、下左:ウクライナ・ホテル
スターリン・クラッシック・・・
独特の尖塔の様式を持つこの建築物はニューヨークの摩天楼にコンプレックスを抱いていたスターリンがそれに対抗する形で造ったもので、中でも1950年代に建てられた 7つのビルは”7姉妹””スターリンのウェディングケーキ”等とも呼ばれている。
ウクライナ・ホテルに近代的な建築物、モスクワ市街 。下右:ウクライナ・ホテル
スターリンのウェディングケーキ・・・
想像すると不味くてとても食べれた物ではなさそうだがこれはあくまでも例えなのでこのスターリンクラッシック様式とは全くの別物と思う事にした。
玉ねぎドームに代表されるロシア正教会系の可愛らしい教会好きで”癒し系ツーリスト”と呼ばれるこの私だが無い物ねだりなのだろうか?まん丸玉ねぎの対極にあるこのスターリン・クラッシックの様な”尖った物”は決して嫌いではない。
可愛いのもカッコいいのもいける、いわば”バイ・セクシャル”なツーリストなのだ・・・(一部間違えた表現を使ってしまった事を後で気付いたので形式的にお詫びします)
モスクワ市街
そして近代的な建築物は歴史的な建造物とはまた違った趣を持つ。
観光となるとどうしても旧市街等に目が行きがちになるが新市街は新市街でその国の今が見れるので訪れる価値はあるのだろう。
新市街
市街を眺めながら到着したのはナポレオン戦勝記念に建てられた凱旋門だ。
凱旋門とその周辺
凱旋門周辺
凱旋門周辺
新市街で微妙に語っていたスターリン・クラッシックが何処かに飛んでしまった感は否めないが、元々点在するこの建築物群を一つの地域を訪れるだけで見るのには無理がある。
と、いうことでまた後々登場させるとしてキエフ駅へと向かう事にした。
キエフ駅、右下の奥にスターリン・クラッシック様式の外務省が見える。
キエフ駅に到着したのは16:40時頃。
今日モスクワでやる事が”後一つ”、残っていた・・・
キエフ駅