韓国
2006.08.22(火)
2×2・・・
私はソウルでの観光のメインをこう考えていた。
内訳は市内にある2ヶ所の高所からの眺めと郊外の2ヶ所の38度線にあるDMZ(非武装中立地帯)を訪れる事だった。
組み合わせは単純で最初に38度線を訪れてその後に市内の高所に登り夕陽から夜景まで押さえる計画だ。
特に韓国の様な国では予定がイレギュラーで大幅にずれることはまずないだろう。
ヤス氏はその38度線の都羅山へはまだ訪れておらず、そして今日がソウルでの最終日になるので一緒に行く事にした。
近代的な外観を持ったソウル駅と韓国の鉄道。
都羅山へ行くのは半分自力で半分ツアーという組み合わせだ。
まず都羅山の一つ手前の臨津江駅で降りてからバス、もしくは鉄道のツアーを取る、鉄道に比べてバスが多いので我々はバスを選択する事にした。
臨津江駅
ツアーバスと到着した都羅山周辺
ソウルだけを見ていると余り気付かないが韓国に未だ平和は訪れては無い。
北朝鮮との関係はあくまでも休戦であって停戦でも終戦でもない。それが50年以上続いているだけという事だ。
我々が最初に訪れたのは第3南侵トンネル、1978年に韓国が発見した北朝鮮が作っていた韓国侵入作戦用のトンネルだ。
第3南侵トンネル、トロッコで中を観光する。
それは過去の思い出話ではなく今現在も他の場所で進行している可能性のある、両国の現状を示していた・・・
DMZ(非武装中立地帯)・・・
38度線を境目に両国に跨るこの地域が彼らが臨戦態勢下にある事を思い知らせてくれた・・・
非武装中立地帯にあるショップに下は分断を表すモニュメント
そして韓国の最北端にある都羅展望台、荒天なので覗かなかったが晴れていれば双眼鏡で北朝鮮が見れる
韓国最北端の都羅山駅
そして兵器の展示、上から3段目は合成なのでちょっとおかしくなっている。
そう云えば昔旅行中にあった韓国人と話し、日本人は島国だから海外に強い憧れがあるので旅行に出るという話をしたら「俺たちも実質島国だから海外に出たがるんだぜ」と言われ、当時は笑って『言われてみればそうだな』等と能天気に答えていたがここに来ると彼らの言葉の意味が良く分かる。
そして陸続きの他国があるのに政治的な事情から国外に出るのに船、もしくは飛行機を選択しなければならない彼らの方が海に囲まれて物理的に陸路が選択肢に元々ない我々日本人よりも余計に海外に憧れる気持ちは強いのかもしれない。
ツアーが終わりまた臨津江駅へと戻る。
臨津江駅
そしてソウルに到着
近代的なソウル駅と重厚な造りの旧ソウル駅
ヤス氏の最後の日を、一緒に食事を摂る約束をして私は今度は一転してソウルの見晴らしの良い汝矣島(ジョイトウ)にある大韓生命63ビルディングを訪れる事にした。
移動中の景色と63ビル
ソウルを見下ろすならここと明日訪れるソウルタワーは欠かせない。
まだ日が沈む前に早速展望台へと登る事にした。
63ビルからの眺め、足元がガラス張りの場所がありそこから下を覗ける。
残念ながら荒天のために夕陽はみれなかったが大都市ソウルの夜景は中々の物だった。
63ビルからの夜景
満足してビルを後にする。
ソウルの夜景
ソウル市内
夜はヤス氏との最後の晩餐を韓国と言えば焼肉屋で堪能する。
ヤス氏とは話は尽きない、旅の最初で彼のような友人と時間を過ごせるというのは幸運だった。
そして食事を終え、ふと一人ドミのベッドに横たわった時、今日見たDMZ(非武装中立地帯)と煌びやかなソウルの夜景とのギャップに韓国という国の一部が見え隠れしている事に私は気付いていた・・・