ヨルダン イスラエル
2006.05.16(火)
アンマンを07:00時と朝早く出発する。
09:00時に国境が開くとは聞いていたが同宿だったアメリカ人のボブとカナダ人のジェフと一緒に出発する事になり、ジェフが「早ければ早い程いい」と言ってきたのでそれに引きずられる様な格好ではあったが次の目的地であるイスラエルの首都エルサレム、移動時間だけ考えればアンマンから2時間程度のこの街に行くのにこれだけ早く出発した理由はジェフの所為だけではなかった。
アンマン市街
この辺りを旅行する者のみならず、少し長期の旅行をするものであればヨルダン-イスラエルの陸路による国境越えが如何に時間がかかるものなのか?
噂に伝え聞いている事は間違いない。
戦後どさくさにまぎれて領土占領し独立国家の体裁を取ったため周囲を全て敵に囲まれて存在するイスラエルはその入国審査の厳正さで有名であり、それは外国人旅行者である我々にも大きな影響を与えるのだ。
国境でかかる所要時間が読めない、私の知人などは5時間くらい待たされたなどと半ば自慢気に語るぐらいだった。
それに私が今まで訪れた国、アルジェリア、スーダン、イエメン、ソマリランド・・・
イスラム原理主義の温床と言われるこれらの国々のビザを持ち出入国をしてきた私には通常の旅行者よりも一歩ハードルが高くなる『国境での別室行き&取り調べ』というのは既定の路線だった・・・
アンマン郊外で、マックがこんなところにあった!
08:00時前にはヨルダン側の国境であるキング・フセイン・ブリッジへ到着。
それにやっぱりボーダーのオープンは09:00時、1時間以上オープンまで所在なくここで待つこととなった・・・
09:00時になり国境がオープン、ヨルダン側での手続きはやけにあっさりだ。スタンプを押してもらいたかったがイスラエル入国してまたヨルダンに戻る者が多く、国境履歴を残したがらないのでここは国境税を払ったチケット見たいな物を貰っただけになる。(※イスラエルの入国歴があると入国できない国は多く、またヨルダンのキング・フセイン・ブリッジでの出国履歴があるとここから入国できるのはイスラエルだけなので入国に厳しい他のアラビア諸国からはイスラエル入国とバレてしまう)
手続きを終えて国境間を結ぶジェット・バスに乗る。
僅かな時間だったが油断してバスの一番前の席で眠ってしまう。
そしてしばらくたって座席に小銭入れを忘れてしまった事に気付いた頃にはもう乗ってきたバスの姿は見えなくなっていた。
『・・・』
残ったヨルダンのお金(コレクション用は別)なので少額の損害で済んだのはせめてもの慰めだったが、旅行していて初めての財布の紛失だ。のっけから幸先の悪いスタートだった・・・。
イスラエルの入国審査は予想ほど長くなかった。
ジェフとボブは一時間程度待っただけで結構あっさりと放免され、私の旅行歴をしっていた彼らは「グッド・ラック」とばかりに先にエルサレムへ向かう。
一人残されて何時まで待てばいいのかとやることもなく時間が過ぎているのを待っていると私の名前が呼ばれる。
案に相違して特に何か追及される事もなく、増補したパスポートが間もなく満タンとなり、今後イスラエルに入国した事で撥ねられる国を訪れる予定の無い私が『是非パスポートにスタンプを押して!』というのにびっくりされたぐらいのものだった。
行くものだと思い込んでいた別室行きもなく、所要2時間とアフリカ時代に国境で嫌がらせや賄賂請求で時間がかかったのと左程変わらない時間で無事イスラエルに入国となった・・・
国境を抜けてエルサレム行きのミニバスに乗る。
結局エルサレムには14:00頃の到着だった・・・
国境から乗ったミニバスと到着した時に飲んだローカル・コーラ
到着したのは旧市街のダマスカス門前付近、アラビア人地区
泊ったのはダマスカス門付近の韓国人経営のホステルでバックパッカーには有名な宿だった。
イスラエル、そしてエルサレム。旅行をしている者だけでなく、誰でも知っているような有名な名前だ。
ユダヤ、キリスト、イスラム3大宗教の聖地と言うだけはなく、その特殊な近代史からこの名を知らない者はいないだろう。
国際ニュースに毎日名前が載るような「ホット・スポット」がこの街だった・・・
今日は朝早く起きた事もあり、それにこんな曰く付きの街の為、がっつりと見るには時間がかかる事も分かっていたので取りあえずさわりだけといった形で宿とその周辺を特に目的を持たずに散策することにした。
ダマスカス門とダマスカス門から入った旧市街の街並
そして旧市街の縁から
新市街、右はグレート・シナゴーグ(ユダヤ教の会堂)
ホテルとその周辺を初日で周るのは習慣みたいなものだ。
特にエルサレムの様な政情不安定は街では最初の段階で地理感覚を掴んでいないと何かに巻き込まれた場合安全地帯であるホテルまで戻れなくなる。
そうは言いつつ夜歩けないという街ではないので、かなり広範囲にカバーする事が出来、ホテルから大分歩いたマックでヨルダンで食べれなかった仇とばかりにちょっと贅沢に食べる事にした。
マック、確かご当地バーガーもあったが偏食の絡みで定番メニューにしたような・・・
左はグレート・シナゴーグ
ダマスカス門の夜景。人が写ってしまったのがちょっと残念なショット。
聖地巡礼の幕開けは静かなスタートだった・・・