イエメン
2006.05.04(木)
今日はサナアから50kmちょっと離れた都市を観光することにした。
サナア新市街
オベリスク?モニュメント
日本人宿から移っていて、今のホテルには誰も日本人が泊っていないしそもそもビジネスホテルに近いのでどこか共有スペースで知り合う事もない。そんなこんなで昨日に引き続いてまた一人で出発だった。
サナアからの道中
私が今向かっているのはシバーム、そしてコーカバンという2都市、ここは双子都市とも呼ばれ通常なら一か所で纏まって過すはずの同じ部族が350mの岩壁の上と下に別れて暮らしているというちょっと物変わった町なのだ。
ちなみに遠くに見える平らな岩壁の上下にシバームとコーカバンがある。
だいぶ近づいて
町を2つ分けたのは下にあるシバームは商業、上にあるコーカバンは軍事を担当し、もしシバームが攻められればコーカバンに助けを求める、とうのがその仕組みだそうだ。
50kmちょっと、サナアを出発して1時間少しくらいだろうか?ダッバーブはシバームへ到着する。
シバームの町並
シバームに入り後ろに聳え立つ岩壁を眺める。
言われなければその岩壁の上にある町とこのシバームが双子都市等とは思わないだろう。
そしてそれ以上にイエメンの山岳部族の違い等という物は学者でも無い私には分かる由もない。
ただパッと見で思った事は「あの崖には登らなければならない」ということぐらいだろうか。
私は崖を直線で登らずに、今は車道が出来ている迂回路を進むことにした。
迂回路
町から少し離れると何もない荒野の中を進んでいく感覚になる。
じっくりと歩いて道中の景色を楽しみながら目の前に忽然と姿を表す双子都市の片割れコーカバンを楽しむ。
その為なら多少時間がかかろうが疲労が嵩もうが物の数ではない。
観光は”入り方”が重要だ。同じ物を見るのであってもその時々のタイミングやシチュエーションでまったく違った感想になってしまうというのは当たり前の事だろう。
苦労して登った山だからこそ、その頂からの景色は最高の物になるのだ。
そして10分後・・・・
ダッバーブの中から
後ろから追い抜こうとしたダッバーブを捉まえてのうのうと座席から景色を眺めるこのプロフェッショナルがいた・・・
『・・・』
『・・・・・・』
だって、別に上がって見る景色は途中歩こうが車で行こうが変るもんじゃないし、なによりも歩くとかったるいし疲れるもん・・・
というのがその時の気持ちだったのだろうか?今となってはその真偽を確かめる術はないがいずれにしてもダッバーブに乗ったので速攻でコーカバンに到着。
到着したコーカバンで下を眺めて。迂回路なので歩いていたらどのぐらいかかったことやら・・・
早速コーカバンの観光に移る。
コーカバンの町並、っとこれはまだだった。
どこか賑やかなシバームと比べここは閑散とした趣。
コーカバンは軍事という役割を担っているので建物の色が岩壁に溶け込むように作られている。
その単色の世界がやけにシックに見え落ち着いた雰囲気を醸し出していた・・・
シバームへと続く道
またコーカバン、右は貯水槽
それほど広いとは言えないコーカバンの町をくまなく歩き、そして「町そのものには別に見どころなんてないんじゃねーの!」と気付き始めた頃、私は今度はシバームへと降りて行くことにした。
あっ、ちなみに高所にあるだけあって眺めは絶景です。
崖の上から見下ろしたシバームの町
行きは迂回路を、それも途中からダッバーブを使ったが帰りは自力で降りる事にした。
崖をそのまま降りる歩道は私に道中の絶景を保証し、それ以上に登るよりも下る方が楽だと思ったからだ。(※ちなみに下りの方が膝への負担が大きく怪我をし易いのは確かです。)
シバームへと続く歩道
ジクザグに続く歩道
徐々に近付いてきたシバームの町並
見上げればコーカバン
右側に洞穴のような住居が見える
そしてシバームへ到着
シバームの町並
『うむ、満足だ・・・』
私はまたダッバーブを捉まえてサナアへと戻る。
そしえサナアへと戻る道中、私はある事に気付いていた・・・
そう、
『双子都市観光といいつつ、シバームは殆ど見ていなかったな・・・』
と・・・