ムカッラ発サナア行(ムカッラ⇒サナア⇒アデン:イエメン)

 イエメン




2006.04.13(木)


 昨日取ったサナア行は夜の便だった。

 特に見所がある街では無いのでチェックアウトの12:00ギリギリまでホテルで時間を潰す。

ホテルから。


なんとなく一体化した配色の山にへばりついた建物が印象的。


ホテルの部屋、高かったので写真を撮った。



 12:00時を過ぎホテルに荷物を預けて街に出る。こんな時考えるのは『夕方までどうやって暇を潰すか?』ということだけだ。

 取り敢えずは下からの写真を撮る。

さっき上から見下ろした景色。


川沿い



 暑いが気持ちよく綺麗な遊歩道をしばし歩いて橋を渡るとカフェがある。

 取り敢えずは飯でもと思って注文すると頼んだケバブは30分以上出てこない、屋台飯みたいのが続いていてさっさと出てくるのに慣れていたのと暑さのせいか?少し堪え性が無くなっていたらしくそこにあった照明灯を小突いてしまったのはプロフェッショナルらしからぬ不覚だ。

待って出てきた食事、味は悪くない。



 何とか腹ごしらえを済ませたら今度はパーミット、アデン行をサナア行に変える為に警察署へ向かう事にした。

ろうそく?モニュメント


 ポリスステーションにつくと昨日応対した警察官はおらず、詰所に10人ぐらい、それも昼間からカート(飲酒を禁じられているイスラム圏で好まれている微弱な麻薬効果のある葉)を噛んでいる。だいぶ昔にジブチで見た光景だ。私がパーミットの変更を求めるといきなり

 「1000イエメン・リアル」

 と臆面もなく賄賂の請求がある。他の旅人から「(政情不安定のせいで観光客があまり来なかったので)人がすれてなくびっくりするくらい親切」と聞いていたこのイエメンで予期せずこんな目に会うとこちらも『旅行ブラック史(※ブラックアフリカ旅行時代)』の血が一気に滾ってくる。

 『あぁ~、今テメエ何言いやがったんだ?』

 反射的に出たのは日本語だった。

 『てめえイエメンのポリスとしてのプライドも何もねぇのか?そんな事に料金がかかる訳ねぇだろう。ノーマネーだ!』

 そもそもアデン行のパーミットを取っていたのにも関わらずバスのチケットが買えずサナアに行くこと自体不本意でしかも暑い中わざわざ離れた警察署にこちらは来ているのだ。彼の要求をはねつけ変更を要求しパーミットとバスのチケットを見せる。彼はそれを一瞥して

 「ハラ~ス!(アラビア語で終わりの意味)」

 と言ってくる。

 ハラスじゃない、少しは読め!俺のはアデンには行けてもサナアには行けない許可証だ。私は彼の目の前に再度突きつけ『変更しろ!』と強要する。

 面倒臭い外国人の相手をするのを嫌になったのか?彼はようやく渋々ながら私のパーミットを手に取り修正液で消し上書きする・・・

 (お前・・・公的書類でそれでいいのか・・・??)

 まあいい、まだここに来て日は浅いが分かった事がある。

 それは少なくとも官憲に関しては「ブラック・アフリカ・レベル」と言う事だ。

 まあいいだろう、そっちがその気ならこちらだってやりようは幾らでもある・・・

 適当に修正液で直しただけのパーミットを受け取り警察署を後にしてコピー屋によりパスポートとパーミットのコピーを大量(10枚くらい)に取る。イエメンでは移動中の検問でこの2つの提示とコピーの提出を求められると聞いていたからだ。

 取り敢えず私のやるべきことはこれで「ハラス」なので時間潰しにブラブラする事にした。

郊外のランドアバウトのモニュメント


途中暇を潰したネット屋


ちょっと面白いと思った石の上の砦


何故こんな所に?とちょっと不思議。サナア近郊でこれ以上の規模のロック・パレスを見たのは後日の話・・・


これはランドアバウトにあったコーラン(イスラム教の聖典)のモニュメント。初めて見たので気に行った。


橋から見たムカッラの街並


上と同じく



 色々なタイプの旅行者がいるが私は明らかに「目的型」のツーリストだ。それに飽き性というのもある。時間潰しの為に無目的に歩き回るというのは不得手だがムカッラは取り敢えず暇潰に見て回る程度の見所があったのでまだ助かったと言っていいだろう。


 出発の時間が近付いてくる。

 昨日買ったバスチケットのオフィス前に行ってバスを待つ事にする。

 そこで目にした物は・・・

・・・バギー?



 『・・・』


 『・・・・・・』


 『流石イエメンだ、アフリカでも経験した事の無いバギーの夜行便で長距離移動をするとは・・・』


 『これはこのプロフェッショナルを持ってしても”想定外”というヤツだ・・・』


 『・・・・・・』


 じゃなかった、こっちだ・・・


サナアまでの長距離バス



 日はいい感じで暮れていく。


バス停から、空の青のグラデーションが綺麗。



 バスが出発したのは18:20分、向かう先は首都サナア。

 予定外となったこの道中の帰結を私はまだ決めかねていた・・・




 そして私はプロフェッショナルの責任の下、読者にはこうこっそりと教えよう


 『修正を忘れた上の地図の中にその答えが思いっきり出てた・・・!』


 と・・・






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