イエメン
2006.04.11(火)
「100万のヤシの実に囲まれた町」と呼ばれる砂漠の中の都市、ここサユーンに来たのはこれからイエメン横断の基点の街にするためと、折角だか近くになる”砂漠の摩天楼”呼ばれる世界遺産の旧城壁都市シバームをみるからだったが、この世界遺産を見る前に昨夜に見た王宮の方が気がかりになって仕方なかった。
その割には起きたのは08;00時で2度寝してまた起きたのは11:00時、だらしない事この上ない。
イエメンで国内移動をするにはパーミット(許可)が必要だ。私まず素早く警察署に行くと19:00時にまた来いと言われる。
『ちっ!無駄な時間を使ったか・・・』
私は内心少し焦りながら王宮を目指す。
サユーン市街
スルタンズ・パレス
下から見上げるような場所に立っているこの王宮を訪れるのは当然この上からの景色を眺めたいからだ。
たいして見物もないこの館の中をあるいて見晴らしのいい場所にでる。
王宮からの眺め
周囲を山に囲まれている
サユーンの街並、昨日ここに到着した時の違和感、そうこの国には何か古い香りが漂っているのだ・・・
いままで数多くの旧市街を眺めてきたがどこかそこには“観光地”の匂いがしていたのだがここで感じたのは生活の匂いだった・・・
パレスから眺めるサユーンの景色に納得してシェアタクでシバームを目指す事にする。それほど離れてはいない。
シバームまでの道中。
シバームについては若干の説明を要するだろう。
ここはかつてこの地方であるハドラマウト王国の首都として栄えた都市で2000年以上の歴史を持つ街と言われ、現存する街は16世紀頃に泥煉瓦で建てられた5階~9階建の500個規模の高層建築となっており、それが「世界最古の高層建築」、「砂漠のマンハッタン」とも形容される街なのだ。
エレガントでマンハッタンが最も似合うツーリストと呼ばれる私の狙撃対象として外せない都市だろう。
シェアタクに乗る事20分程度、シバームが見えてくる。
見えてきたシバーム
『あっ・・・!』
思わず声が出てしまいそうになるように不思議な光景だった。
シバームで降りたっと所。
シェアタクから降りると早速この街に入ってみる。
入口の門
城内
密集した建物の路地は狭い、だがそれがいい。
門を内側から
しばらくふらついたら私は道を挟んだ反対側に出て街の全体が眺めたくなり、外に出る事にした。
道路を渡って眺めた旧市街
新市街の裏側にある小高い丘に登る、そこからなら斜め上からの旧市街が眺められるだろう
新市街、ここも密集した建物もあるし路地もせまいのでガイドブックをみてなければ2つとも旧市街と思える
旧市街の街並
角度を少し変えて・・・
旧市街と新市街の対比
もう一度横から
近くからと城壁沿いの景色
旧市街側からみた新市街
砂嵐が見事
シバーム・・・
私は自分で見た物に軽い満足感を覚えサユーンへと戻る。
イエメンの旅で良い事が起りそうな予感、こういった街並は好きなのでこの先どのくらいの都市を見れるのか?
楽しみは加速する。
そして予定通り19:00時、パーミットを貰いに再度警察を訪れると「明日来い!」と秒殺だった・・・
『・・・』
『・・・・・・』
『だったら始めからそう言えよ・・・まるでアフリカじゃないか・・・』
メニューの変化の無い「チキンとライス」をほおばって夜のサユーンを少し歩きながら私はこの国の今日について考える。
夜のサユーン
サユーンで見た王宮、それに砂漠の摩天楼と呼ばれたシバーム、そして11:00時に行って19:00時に来いと言い、19:00時にいったら明日と臆面も無く言ってきた警察官・・・
イエメン2日目で思った事はこの国は歴史的な見所とアフリカ的ダメ感覚の両方を備えた国なのかということだった・・・