マリ
2005.11.22(火)
アフリカのヴェニス?と呼ばれたモプティを後にして向かう次の目的地はジェンネ。
世界最大の泥のモスク、これがターゲットだ。
モプティのタクシーランクでジェンネ行の出発を待つ。
待ってるときに撮影したバッグとヨーグルト、ガムテープで巻いているのはこの頃すでにキャリーバックの把手が壊れていたから・・・
そして見たジェンネ行のタクシーは・・・
骨董品だった!
ジェンネ行のシェアタク、右はタクシーランク付近
『・・・』
『・・・・・・』
『動くのか?』
不安は募る、そしてそこに追い打ちをかけるように荷物代・・・
1750CFA(約350円)がジェンネ行の値段で500CFA(約100円)の請求、毎度のことながら現地人の荷物はさながら”移動商店”、そしてこちらはバッグ一つ。
不公平だと思いつつ強硬に値切り交渉をして250CFA(約50円)まで下げさせる。
しかしこの国は何故一回移動するたびに毎度交渉が必要になるのか?
マリは遺産の多い国だ、そして政治的にも西アフリカあたりじゃあ比較的安定して旅行者も多いからたかりの構図が出来上がっているのだろう。
しかし気にいらない。
タクシーは押し駈けしてエンジン始動!
『・・・』
『バッテリーの上がったバイクか?これは??』
まあいい、とにかくスタートだ。
ちなみにジェンネまではそれほど遠くない、時間的には3時間程度だ。
だが、ここはアフリカ、舐めたら足元をすくわれる大陸だ。
見たい目的物はジェンネについてから足を棒にして探さなければならない。
歴史的資産になるとタクシーランクの近くには無いのが定説だ。今までの旅行で嫌というほどそれを味わってきた。
ジェンネについたらそれで終わりではない、そこからがスタートだ。
心してかからなければならない。
そしてそこまでの道中もまた私の予想とは違うものだった。
しばらくは舗装路だった
そう、またしても川越が!
こんどもボートに車を乗せる
そして船上から・・・
そして対岸へ・・・
川を越えるとそこには違う世界が広がっている。
いや、同じ世界だが違う世界を感じるというのが的確な表現だろうか?
モプティからジェンネまでのこの道のり、ボロボロのシェアタクでボートに乗って川を越え・・・
世界遺産への道のりが簡単な物ではない、とすべてが私に訴えかけているようだ。
到着した後で・・・
対岸に渡ってまたタクシーを押してエンジンを駆ける。
ジェンネまではもう少しだ。
そして世界最大のモスクへは・・・
町中に入りしばらく市街地を走り抜けシェアタクはタクシーランクに到着、後ろの荷台に乗っている私は過ぎゆく景色を眺めながら『いまどこにいるのか?』を考えていた。
シェアタクから飛び降りる。
ジェンネで与えられている時間は実はそう多くない。
私はここに宿泊するつもりはなかったからだ。大モスク、これさえ見れればすぐに出発してバマコへ向かう。それが私のプランだった。
となると・・・
大モスクを見つけるまでが勝負だろう。
一分一秒でも早いほうがいい。そしてしっかりと大モスクを目に焼き付ければ・・・
私は降りた所にある乗場(というほどの物ではないが)の掘立小屋に『今日出発するから荷物を次のカルフール行が出るまで預かって』と告げそして『モスクを見に来たんだ、どこにあるんだい?』と尋ねる。
「ああっ、モスクなら・・・・」
『(どこだ・・・遠くなければいいが・・・)』
「あっちだ」
『(おいおい、またあっちだなんて曖昧な事を言いやがって・・・それじゃあわからんだろう・・・)』
声には出さず、そう思いながら転じた眼の先には・・・
『・・・』
『・・・・・・』
『目の前にあったのかよっ!』
いやまて、通常こういった遺跡(注:ここはモスクで現在も使用はされているので厳密に遺跡ではありませんが・・・)は多少苦労して探し当て、徐々に遠くからその全貌を現していって近づいてその大きさに圧倒されるというのがセオリーの筈なのに・・・
『スタートと同時にもうゴールだったなんて・・・・』
どうやらこのプロフェッショナル・・・
『ジェンネを秒殺してしまった。』
と言わざるを得ないようである・・・
秒殺の世界遺産(ジェンネ:マリ)
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