5ヶ国ビザの怪異(ケープ・コースト:ガーナ⇒アビジャン:コートジボワール)

ガーナ




2005.11.02(水)

 ケープ・コーストを出発していよいよアビジャンへ向かう。

 ミニバスは途中にあるタコラディーで乗継になるのでまずはこの都市へと向かう。

 ガーナのミニバスは荷物代がかかる、私はプロとしてセコク値切って移動する。

 タコラディーには10:00時頃、到着、また次のミニバスも荷物代を値切って乗る。

 しかし毎回値切り交渉してからミニバスに乗るなんてエレガントの名が無くがそれ以上にセコイので仕方がないだろう。

タコラディー
 





 タコラディーでは一時間ぐらいかかってミニバスは11:00時に出発。



 『いよいよコートジだ・・・』


 神経は昂ぶっていく。

 アビジャンまでは安全と言う事だが次に向かうのは内戦中の国、コートジだ。

 何が起きてもおかしくはない。

 『まずは国境を越えなければ・・・』

 朝出発したのに想像以上に時間がかかりエルボ・ボーダーに到着したころには13時を周っていた。

 
 国境にたどり着くとカスタムでは軽い賄賂請求が、「ギブ・ミー・サム(なんかちょうだい)」程度のライト感覚さがこれからの行く先に困難が待ち受けているとあまり感じさせない。

 そしてイミグレではボーダーでのガーナ・ビザの再取得の可能性を確認する。

 もし、コートジで何かあってアクラに戻るというケースを想定したらここで取れるのがベストな選択だ。 

 『逃げ道は可能な限り多い方がいい』

 正しいツーリストの鉄則だ。

 そして確認したところ、「ビザは発給できるが機械が壊れているのでここでは100USドルかかる」という分かったような分からないような答えが・・・

 機械が壊れているから発給出来ないというのなら理解できるが・・・

 イミグレの女性係官からは「そういった訳でアビジャンで取った方が安いわよ~」とアドバイスを受けたが・・・

 なんともアフリカチックな理由だろう・・・

 いずれにしても最悪ここで取るしかないだろう。

 私はイミグレを出る。


 コートジのボーダーはもう目の前だ・・・


 


 コートジボワール




 客引きが多数いたボーダー・ラインを抜けいよいよコートジのイミグレへ。

 建物の中に入るとやけに陽気な係官が私を迎えてくれる。

 「何処まで行くんだ?」

 『アビジャンさ』

 私は軽く受け答える。

 「そうか、じゃあビザを見せなよ」

 『はい、これっ!』

 彼はあくまでもフレンドリーだ。

 そして私のビザをしばらく眺め・・・

 眺め・・・

 『???』

 様子がおかしい。

 『どうしたの?』

 私は悩んでいる彼の様子を見て聞く事にした。


 「いや・・・、君、コートジボワールのビザを持ってないの?」


 『へっ??』

 
 ちなみに私の持っているのは「ビザ・ツーリスティック・アンタンテ」、コートジボワール、ベナン、トーゴ、ニジェール、ブルキナ・ファソの5ヶ国共通のビザだ。ちょっと特殊と言えば特殊なビザだ。

 彼は知らないのだろうか?

 「持ってなかったらここを通せないね~、残念だけど」

 『ちょっちょっと待って!』

 私は慌てて彼に一緒に自分のパスポートを見るようにとお願いする。

 『見て見て!ここにコートジってあるでしょう?』

 「あっ!本当だ!」



これがその5ヶ国ビザ、斜めに入国可能な国名が入っている。良く見るとコートジも書いてある。



 「OK!じゃあいいよ・・・!」


 『・・・』


 『・・・・・・』

 
 確かに私のビザは公的な物だ。だが、このビザは該当国の大使館の人間でさえ知らない事があるという珍しい物だから彼が知らなくてもそれは責められない。

 しかし、それを一ツーリストに主張され、上司に確認する事も無くOKサインを出してしまうなんて・・・


 『いいのか?本当にそれでいいのか?』


 うーん、フレンドリーさは助かるがこの杜撰さは悩まずにはいられないだろう・・・

 たとえ自分が利益を得てもだ。


 まあいずれにしても入国はOKだ。


 私は彼にコートジについて色々と質問をする。

 答えはアビジャンまでは問題はない、でもブルキナ・ファソ抜けはやめておけ、素直にガーナに戻った方がいいという事だ。

 幸先がいいのか悪いのか?

 
 手続きが終わってミニバスにのりまずはアボワッソを目指す。

 ここで乗り継いでからアビジャンだ。

 ミニバスは16:00頃にアボワッソに到着。
 


到着したアボワッソとアビジャン行のUTAバス
 

アビジャンまでの道中で。



 国境からアビジャンまでトータルで大体100Km、その間に検問が10数回、パスポートも5度見せている。

 賄賂請求が全く無いだけに余計に深刻さを感じてしまう。

 おかげで15:00頃に国境を出たのにアビジャンへ着いたのは20:00時頃になってしまっていた。


 最後の目的地まで行かず下町で目指すホテルのあるトレッシュヴィルで落としてもらう。道は暗く人もまばらだ。

 治安も悪く地理の分からない場所で重い荷物を持って歩き回るにはいい時間とは言えない。

 タクシーを捕まえようとすると2台は何故か乗車拒否、3台目がようやく捕まりお目当てのホテルへ。

 到着したホテルで空き部屋を聞くと同じ値段でシャワー・トイレ付というボーナス・ルームがありそこに転がり込む事が出来た。

 
 国境では5ヶ国ビザで戸惑いはしたものの・・・


 コートジの出足はそう悪くは無いだろう・・・






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