赤道ギニア
2005.09.15(木)-18(日)
ここに至るまでに微妙な紆余曲折はあったものの(この辺りの経緯は激闘の記録の「第9話 ドッグファイト-Ⅰ」 を参照)取り敢えずは到着した赤道ギニア。
この国は賄賂の厳しさの他に「写真撮影が出来ない国」としても知られていた。
過去に訪れた人のホームページを眺めても「写真撮影が出来ない」という記述があるのみだ・・・
ここは・・・
このプロフェッショナルがトライするしかないだろう・・・
ヒントはロンプラに載っている、そう「パーミッション(許可証)の取得」だ。
赤道ギニア到着直後から積極的に動き、当初一日待と言われたが滞在日数が短いからそこはなんとかと即日に交渉し、このパーミッションを取る事に成功する。
パーミッションは現金払いではなく政府関係のビルで為替?みたいな物を購入してそれで払う。
取得できたのは「写真および国内旅行許可証」、そもそも”観光ビザ”で入国しているのにこの国内旅行許可証が必要なのかどうかは不明だが・・・少なくとも写真撮影には有効な手段だろう。
マラボはメインディッシュだ、それに国内旅行許可証もあるのでそれを使ってロンプラで「ゴーストタウン」と記述のあった地方都市「ルバ」へ向かう事にする。
出発したガール・ルティエ(仏語でいうバス乗り場みたいなもの)付近で
途中の検問はパスポートではなくこの許可証で。問題は無い。
街はゴーストタウンというほどではない、期待はずれと言ったところだ。
ルバの海岸線
そして町並
街中では撮影は問題なし、最後またマラボ行のミニバスをつかまえようと海岸線で待っている時に現地の人から「その方向を撮るとまずい」と簡単に言われただけで後は思いのほかにあっけない。
次はマラボに戻って撮影だ!
ルバからマラボに戻る途中の景色
マラボは首都だ。どこに警官がいるか分からない、パーミッション、その存在は私に言わせれば“保険に過ぎない”
パーミッションを読むと撮影禁止箇所も多い、政府系の建物、通信施設等・・・マラボは首都とは言え小さな街だ、そもそも街のどこからでも通信施設のアンテナが見えるぐらいだから・・・用心に越したことは無いだろう。
まずは外堀からと、中心から少し外れた地域から撮影を開始する。
賄賂の噂は強烈だが治安は決して悪くないと言われるこの国、許可証を持っている事もありカメラを珍しく首からぶら下げて撮影することにした。
普段ならベルトにつけたポーチから出して一瞬で撮影するところだが、この国でそれをやると却って事を大きくすると判断したからだ。
宿泊しているホテル付近
湾沿いにある高級ホテル付近から
これぐらいじゃまだ十分とは言えないが・・・
私は市街の中心部の撮影に行く事にした。
中心部へ・・・
そしてカメラを構えて広場をパチリ!
中心部の広場
そしてこの広場に面した・・・この国でおそらく一番立派であろう教会を撮影しようとすると・・・
「〇◆☆¶☆・・・・・・」
『んっ?』
私服を着た男が私に近づき、何やら身分証明書を見せて・・・私に撮影を禁止するように言ってきた!
『ここだっ!』
私は許可証を見せ、この教会を撮影したい旨を伝える。すると彼から帰ってきた答えは・・・
「この場所で撮影すること自体、問題だ」と言う事だ。
そう、実を言うとこの場所は・・・大統領府に面した広場だったのだ!
方向から行くと・・・広場を写した一枚、その奥には大統領府があるはずだ・・・、見つかったらまずい!
私は一応観光客で教会を撮影しようとしているだけだからと抗弁し、とはいいつつも素直に彼の勧告に従う事にした。
その場所から離れる私に彼はついてきて首からぶら下げているカメラをバックにしまうように指示してくる。
残念だがここは従った方が得策だ、素直に聞いて彼が私から離れるのを待つしかないだろう・・・
彼はしばらく私に同行し、そして離れて行った。
『ふぅ・・・』
彼からは解放されたが・・・
写真を撮る気はこれで大分失せてしまっていた・・・
別れた後で撮影したメルカト付近とメルカト・セントラル(中央市場)
せがまれて撮影したメルカト前の商店を営む赤道ギニア人
空港と街の分岐点
そもそも撮影対象があまりにも少ないという事もあったのだが・・・
そしてこのプロフェッショナル・・・
今回のマラボの撮影を終えてこう思う。
これだけしか撮るものがないのなら・・・
40ドルも許可証に払って撮影なんかしなければ良かったんじゃないか?と・・・