中華人民共和国
2006.09.01(金)
北京観光も今日1日が最後だ。
広大な北京の見所は この残りたった1日で終わる物ではないが、可能な限り見所を絞ってピンポイントで打ち抜く事にした。
一つは天壇、そしてもう一つは盧溝橋だ。
世界遺産である天壇はともかくもう一つのターゲットを盧溝橋としたのはもちろん日中戦争の引き金となった有名な「盧溝橋事件」の現場を見たいと考えていたからだった。
時間が無いと言っている割にはのんびりと11:00時に起きて一度食事して戻ってからレンタルサイクルを泊っていたユースホステルで借りて出発したのは13:00時を回った頃だった・・・
自転車で見た北京市街
天壇は旧市街からそれほど離れていない場所にある、久しぶりに乗った自転車で快適に走り到着する。
天壇
英語にすると「Temple of Heaven(天国の寺)」となるこの場所は見ていて綺麗な場所だったがこのプロフェッショナルにとってはそれ以上ではない。
”世界遺産+1”という実績を残すが為の訪問だった。
天壇
そして天壇公園の中 、劇をやっていた
結局天壇を出たのは15:00頃、郊外にある盧溝橋までの時間を考え、ひたすら自転車を走らせる事にした。
北京市街
結局2時間弱かかりようやく到着。
盧溝橋
早速中に入ってみる。
盧溝橋
これで何とか最低限は消化した・・・
歴史的な場所を見たという以上にやるべき事を終えた安堵感の方が強いのは私がプロフェッショナルなツーリストだからだろうか?
日が暮れる前にとまた自転車でユースに戻る。
北京市街
ユースに戻ったのは19:00時頃。
笑顔で自転車を返す。
『・・・』
『・・・・・・』
『あれっ?料金の請求がおかしいぞ・・・』
私が借りたのは13:00時、返却は19:00時前、6時間の筈だが何故か11:00時に借りた事になっている・・・
『???』
近代的なレセプション、フレンドリーで英語が喋れる若いスタッフ、中国でも最新のユースに泊っていた私は、アフリカ時代とは違って「これだけシステマチックなら大丈夫だろう」とレンタルした時に敢て時間を記入させた用紙を請求しなかったのだがそれが仇となるとは・・・
しばらくは若い女性スタッフと13:00、11:00で押し問答が続く、一応デジカメの記録を見せて最初に出たのはこの時間だと言っても受け入れてもらえずやや膠着状態に。
いずれにしても「13:00時」に借りた物を「11:00時」からの料金で払うつもりも無い。
『良く調べてくれ』
といってもそもそも記録が「11:00」と誤記入されているのならそれ以上は何のしようも無い。
『くうぅぅぅ~・・・』
自らに非が無い時に私から折れる事は無い。相手も折れなければ・・・
(ここで第2次日中戦争の口火で切るか・・・?)
私の中で徐々に覚悟が出来てきていた・・・
そんな私の態度を見て「コイツは嘘を言ってなさそうだ」と思ったのか?彼女たちは再度色々と調べ始めて、そしてどういう経緯かは分からないが私の言っている事が正しいと分かったらしく、最終的には13:00時からという私が実際に借りていた料金の請求となる。
『ふぅぅぅぅ~・・・』
危機はこれでなんとか回避されたのだろう。
ただこんなことで無駄に15分ぐらい使ってしまったので『そっちが間違えたなら“ゴメン”ぐらいは言ってくれ』と告げ、一応の謝罪を貰って事件は解決する。
それにしても・・・
幾ら近代的な見た目をしていても中身がこれでは・・・・
日中戦争の火種であった盧溝橋を訪れ、戻ったユースでこうした料金の過請求事件が発生というのも何かの因縁だったのだろう。
そこで私はプロフェッショナルとして今回の事案を敢てこう呼ぶ事にした。そう
『第2次盧溝橋事件』
と・・・
そして命名してからこうも気付く
『事件と言うには余りにもショボ過ぎる・・・』
と・・・