イギリス ジブラルタル
2009.02.16(月)
セビーリャでのビジネスは天候に恵まれた事と他のメンバー達の頑張りもあって予定よりも早く終わる事が出来た。
私はメンバーの内の一人の誘いにのって、「チーム・スタジオ・ジブラ」を結成してジブラルタルへ訪れる事にした。
ジブラルタルはスペインからモロッコへ渡るフェリーが出ている有名な街アルヘシラスからバスで30分ぐらいの所にあり、15年ほど前にアルヘシラスから2泊ぐらい?のショートトリップでモロッコに渡った事があるのだが、その時は訪れそびれていたので今回はまたとないチャンスであるといえよう。
尚、私は日帰り、相方はジブラ泊なので結成したところで現地解散、一人の普通のツーリストに戻る訳だが片道だけも道連れがいることは心強い。
ちなみにここは、ヨーロッパとアフリカの接点として古来より軍事上の要衝となっているのだが、スペインの中にあるイギリスの飛び地だ。なんでも1704年のスペイン王位継承戦争の紛糾に乗じてイギリスに占領されて以来、イギリスの植民地になっているらしい。
この国は世界中にそんなとこばかり持っていて「いい加減にかえしてやれば」と考えざるを得ないが白人国家の有する厚顔無恥な「ジャイアニズム」は21世紀になった現在も留まる所を知らないらしい。
世界に冠たる盗賊国家の面目躍如である。
と、セビージャからバスで約4時間、国境町である「ラ・リネア」に到着
早速ジブラルタルが目に入ってくる。
ラ・リネアから眺めたジブラルタルにボーダー。
入ってからの通りの名前がいきなり「ウインストン・チャーチル・アベニュー」
国境を越えたらすぐに滑走路が目に入る。ジブラルタルは狭く、街に出るのはこの滑走路を横切る一本道だけなので人も車も全て滑走路を横切って行くと言う世にも不思議な体験が出来るのだ。
当然の事ながら相方は歩いての入国を望んでいたのだが、ここは申し訳ない。私は日帰りと決めていたので最初はバスで街に出る事にする。ちなみに国境町のラ・リネアに到着したのが1345時、往復でチケットを買っていて帰りの便が1600時。セビーリャからここへのダイレクト便(といいつつも所々で止まって他の乗客を乗り降りさせるローカルバスだが)の日程はこれしかなかったので、ジブラルタル観光に使える時間は2時間しかなかったからだ。
帰りは時間を何とか合わせて歩いて横切る事にしよう・・・
バスから撮影した滑走路。
時間の制限があるので街歩きもせずにいきなりケーブルカーに乗ってハイライトである岩山の山頂に向かう。
到着と同時に目に入ったのが猿
ジブラルタルは猿で有名らしくジブラルタルのコインの裏の絵柄にもなっているらしい(注:ジブラルタルはイギリスポンドであるが独自の柄も利用しているらしい。)
岩山の突端。
そして湾の全景
中腹ぐらいから眺めたジブラルタル海峡。うっすらと遠くに見えるのはアフリカ大陸・・・
山頂に上がって降りながら色々と見ているうちにすでにタイムリミットはあっと言う間にオーバー、ガイドブックには3時間で十分とありこの私は「プロフェッショナル」なので2時間で十分と読んでいたのだがその読みは早速誤りだったことに気付かされる。これで往復チケットの片道はおじゃんにしてしまったが、ここは予定を変更してラ・リネアからアルヘシラスへ戻ってそこからセビーリャ行のバスを探せば今日中には戻れるだろう。
こうまでして日帰りにこだわっているのはセビーリャに戻れば「ホテルは会社持ちになっている(セビーリャでの仕事の予定分の日数を予め抑えていて早く終わってもホテルはそのまま出発予定日まで取り続けるので)」ことと、「そのホテルの朝食がビュッフェ形式で充実している」ことが大きな要因だ。
帰れずにここなりラ・リネアなり、アルヘシラスに自腹で泊まって朝食もつかないというのは耐えられそうも無い・・・
と、言う事で時間の余裕も作り出したので岬の突端にある「ヨーロッパ灯台」を見に行く事にする。
ヨーロッパ灯台
モスクがでで〜んとある。
古代エジプトの名残、ピラミッドまで・・・
そして灯台付近からアフリカ大陸を眺めて・・・
思えばファーストミッションを開始したのが2004年の12月・・・
1年半ぐらい結局それからアフリカに滞在していた。
そして2006年の今頃(2月頃)は私はここから見えるモロッコにいたのだった・・・
その憧憬は懐かしく、喧騒と彩り、大らかで力強さに満ち溢れたアフリカでの日々を思い起こすと・・・
「皆殺し」
という感情以外に芽生えてこないのは何故だろうか?
そんな事を考えながら私は微かに見えるアフリカ大陸をただぼーっと、といっても1分ぐらい眺めてしまっていた・・・
ヨーロッパ灯台からバスで市内の中心へ戻りここで相方とお別れに、私は市内観光しながらスペインへ戻る事にする。
中心の通りは「メイン・ストリート」
メインストリートの看板
なんの捻りもないこの直球なネーミングはある意味男らしい。
メインストリートと路地
市庁舎とその前の広場。この広場の名前は「ジョン・マッキントッシュ」広場。
帰るすがらに中心街の入口付近で振り返ってパチリと・・・
後は滑走路を横切ってスペインへ・・・
滑走路のど真ん中で。
滑走路をほぼ渡り終えてからジブラルタルを見て・・・
そしてスペインへまた戻る。
この後、バスでアルヘシラスへ行き、何とか最終のセビージャ行のバスには間に合ったので無事にホテルに帰る事が出来た。
ジブラルタル・・・
スペインの中のイギリスの飛び地・・・
看板こそ英語が多かったが噂では車は右ハンドルで左側通行と聞いていたがそんな事もなくスペインと変わらなかったし・・・
住んでる人も英語よりもスペイン語で話している声の方が多かったような気もするし・・・
イギリスらしさという意味では伝え聞いていたほど感じなかったので、景色としては良かったものの「不思議さ」という意味ではそれ程衝撃を受けなかったのだが・・・
滑走路を横切るあの道路で「飛行機と人間の人身事故というのが起きているのだろうか」という事だけはやはり気になって仕方が無い、と言わせていただこう・・・