壮絶!決死の冒険行!!(プエルト・ナタレス:チリ)

Category: 謎3rd 南米編

2008.05.24(土)


 プエルト・ナタレスに到着したのは23日、3泊4日のエレガントなクルーズを終えての事だった。

 私はこの日、ここに宿泊することを決める。


 これからやる事に・・・体調を万全に整え英気を養う必要があったからだ。

 宿泊したカスティージャ、高かったけど部屋もきれいで非常に良く中でもシャワーが横に出せる(写真にある横の6つの黒い部分からシャワーが出せる)のは凄かった。これも私がエレガントだからだろう・・・
 

 そう、今から私がやろうとしている事・・・

 これは紛れも無く”冒険”と言える物語になるからなのだ・・・



 通常私はこういったアドベンチャーを好む男ではない。

 ただ、過去の歴戦の旅歴から、私を”冒険家”や”探検家”になぞらえる者が大多数かも知れないが、あくまでも私はヨーロッパを中心とするエレガントな旅行をする単なるいちツーリストである。


 だが・・・”このイベント”だけは・・・避けて通りたくなかった・・・




 南米大陸、そのハイライトは人により異なる。

 あるものは世界最大の瀑布・イグアス、世界最大落差のエンジェル・フォール、あたり一面塩に包まれたウユニ塩湖、ブラジルのアマゾン川下り、特殊な自然形態を持つガラパゴス諸島、マチュピチュ、パタゴニア・・・

 思いつくメジャーなものはこんな所か??


 だが・・・

 そんなのは所詮素人の浅はかさ・・・

 本当のプロフェッショナルのやる冒険はそんなもの全てを吹き飛ばすぐらいに過酷で・・・そして常人には決してマネしようもないアドベンチャーなのである・・・



 私が南米大陸に入った時・・・

 私の南米でのハイライトは今から行うことにあったのだ・・・

 そして私は自分の全身全霊を尽くし、命がけで事に臨むことを・・・!!


 チリ・・・

 日本ではそれ程有名な国ではない・・・

 だが・・・

 だがここには”本物しか出来ない大冒険行”があるのだ・・・


 これから私のやることを説明していこう・・・
 
 この行動を成し遂げられるか?それとも途中で命を落とすのか??
 それは今は分からないがもしもの時の為、私が何に挑んでこの”命を散らせていったのか?”を。多分3人以上はいそうな、でも5人は絶対にいない数多くの愛読者に伝える義務が私にはあるからだ!!



 ちょっと地図があったら眺めて欲しい・・・

 チリは細く縦長に伸びる国、南北の長さは実に4329Km。

 日本列島の九州の最南端からの北海道の最北端までの長さが約2000Kmだから実に2倍以上の距離だ・・・

 この縦に細長く伸びるこの国・・・

 北と南では全く違った環境になるこの国を・・・


 この冬の過酷な時期に・・・


 端から端までくまなく一気に横断する・・・


 それもたった一本のバスで・・・

 一度の休憩も挟まずに・・・



 こんな離れ業を思いつき、そして実行に移そうとする旅行者はこの”熱き魂”を持つエレガントなツーリスト、このデューク東城ぐらいだろう・・・

 やはり目の付け所がデュークなのである・・・


 これが舞台となったプエルト・ナタレスの中心、アルマス広場。



 明けて24日、いよいよ冒険の始まりの日。

 私はホテルで朝食を摂りバス停へ向かう。

 ホテルの朝食



 私が命を預けることになるバス。もちろん慎重に選んでいる。

 数社回って私が賭けたのはこの0900時発のバス。決して他の会社が0730時発だったからこれにした訳ではない・・・



 昂ぶる気持ちは抑えられない、足が小刻みに震えるのは決して私が臆病だからではない。

 武者震いだ。
 
 これから始る凄絶な冒険に・・・

 私のテンションはかつて無いほどに上がっている・・・

 一生のうち本気になれることを一つだけでも見つけられたらそれは幸せな人生だ・・・
 
 そして夢・・・

 私はこう思う、夢に向かって走り続けた結果なら・・・

 たとえその途上でこの生を終えても、やらなかったよりは遥かに満足した人生を送れた事になるだろう・・・

 だから・・・

 俺は今から俺のやる事に・・・

 俺の全力を尽くすだけだ!!


 バスはプエルト・ナタレスを後にする・・・


 道中の景色、パイネ国立公園横を通るので雄大な景色が見れるはずだがこの日はあいにくの悪天候だった・・・




 
 私がまばたきをしないのは決して緊張していたからではない、この道中の全てを私の目に焼き付けておきたかったからだ・・・

 結局死を迎える結末になっても・・・

 その最後の瞬間まで目を見開いて、そして前を向いて・・・

 私の生き方の全てを・・・

 この刹那にぶつけるのみ・・・



 外は寒いはずなのに・・・

 私の体は燃える様に熱くなっている・・・




 そして1時間後・・・


 バスはチリ国境に到着・・・

 国境町・・・と言うほどの規模ではない、場所と言った方が適切か??



 私はバスを降り、呼吸を整えて前を見る・・・

 このバーを越えれば・・・

 このバーを越えればアルゼンチン





 私はこの壮絶な冒険からどうやら生還できそうだが・・・

 最後の瞬間まで油断は禁物だ・・・

 「99里を持って半ばとせよ」

 といにしえの諺にもある・・・

 私はイミグレに入り出国手続きをする・・・



 順調だ・・・


 これがイミグレ



 私はバスに戻ることにした。

 まだ他の乗客で手続きしている者もいる・・・


 焦る瞬間、私のこの冒険の成否は・・・

 私だけでなく他のメンバーにもかかっている・・・



 待つ事10分・・・今まで感じた10分よりも遥かに長く感じる・・・

 「人生で一番長い10分・・・」

 そういう例えが一番ふさわしい瞬間だ・・・



 だが私の心配は杞憂に終わる・・・

 乗客全てがバスに戻ってきたのだ・・・



 そしてバーが開き・・・


 バスはそれを通過する・・・


 これで我々はアルゼンチン領に入り・・・

 
 距離にして50km、時間にして約1時間にも及ぶ・・・


 この長かったチリ横断を終えたのだ・・・

 




 私は・・・



 私は・・・



 ついに・・・

 
 ついにやったのだ!!


 この前人未踏の大冒険を・・・!!


 やり遂げたのだ!!



 瞳から零れ落ちる涙・・・


 誰かに隠す必要の何があろうか??


 これは人生全てを冒険に賭けた男の・・・

 この南米で最大のハイライトを終えたその・・・

 その苦闘の上での達成の充実感の涙なのである・・・



 決して恥ずかしいことではない・・・





 かくしてまた私の冒険のページに・・・


 新たなる一ページが加わった・・・


 今の私はスーパーグレート・ツーリスト・・・


 あの不可能とも思えた”チリ横断”を終えた漢・・・


 そう、伝説が今・・・


 ここに誕生したのだ・・・!!





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