カイロから[カイロ→クエート→バーレーン→UAE]とストップオーバーでフライトし、そこから陸路でオマーン、イエメン、サウジと今迄のところ計画している。
カイロの安宿から借りてコピーした「地球の歩き方」もあり、マルタの空港で買った「ロンプラ」もある。情報的には万全だ。
初任務地となるクエートはある意味「行き止まり」の国でサウジとイラクと海に囲まれたこの国は「フライト」以外では時間や効率から考えて不向きな国であろう。
また、クエートの「ホテル代の高さ」もすでに調べており、私のチケットは夜の2300時頃に到着するので2泊予定の内の最初の1泊は「空港泊」と決めていた。そのあたりは「プロフェッショナル」として完璧な計算の元に行動しているといっても過言ではないだろう。
ちょっと気になったのは「地球の歩き方」に「クエート人は歩く習慣がない」と「歩くという人間の根幹に関わる事を”習慣に無い”」と意味不明にばっさりと切っている事だがその真相も着けば分かるだろう。
3/31、飛行機から見るクエートシティーは想像以上の都会だったが何よりも空港が充実していることには感嘆の念を禁じえなかった。
プチショッピングモールにフードコート、近代的な設備が整っており、苦もなく睡眠することが出来た。
明けて4/1日、一応「街歩き」を売りとするこの私は市内にホテルを取るべく動き始める…、公共バスで市内にでて目星を付けていた「地球の歩き方」最安のホテルを目指す…、
「7000円か…」
まあしかしながらこれは「必要経費」である。空港泊を続けることも頭によぎってはいたが「プロ」として市内にホテルを取る夢は捨てがたく、まあ1泊なら何とか耐え凌げる位の財力はまだ残っている。
バスを降りて5分ほど歩いてホテルのレセに行く。まだ朝の900時頃、
「高くてもすぐにチェックインしてそのまま街歩きに徹しよう」
そう決心して値段を確認する…
「1万4千円….!!???」
「…」
「えっ…!!!」
いやっ??こんなんじゃ無理だ!!何かの間違いだろう!!と思って問いかけても値段は変わらず…
「どうやらホテルを探し終えるまでは街を歩いてる場合なんかじゃあなさそうだ…」
近くのホテルを2軒当たってみたが容赦なく撃退され(いずれも1万円以上)、タクシーのドライバーに聞きまくるも郊外なら安宿「4000円から4500円くらい」があるらしいが今日一日で街歩きを終えるには不利なロケーション、タクシー代も500円から1000円はかかるからやっぱり郊外はアウトだ…
今度は「ロンプラ」をみてそちらのホテルを探しに歩く、オアシスホテルの「オアシス」という名前にも惹かれて歩いていくとそこには…
「あっ!マックだ…!!」
メニューを見てみると、なななんと
「あっ朝マック…!!」
思い起こせば最後の朝マックは何時なんだろうか…、確かケープタウン(南アフリカ共和国)を出発したとき、2005年7月12日が最後のはずだ。モロッコに入ってからは状況が好転し、いくつものマックを目にしてきたが「朝マック」はついぞお見かけすることは無かった筈だ…
「もう我慢できない、ホテルなんかは2の次だ!」
結局マックに入り、約10ヶ月ぶりの朝マックを頬張る。
「こんな凄い出来事がこの行き止りの国クエートで待ち受けていようとは…!!」
目から溢れ落ちる涙は止まらず、ただただ感激するばかりであった。
結局ホテルはマック最寄の「オアシス ホテル」に決定、料金は8000円は超えていたが何とか1万円以内には納まったのでまあ良しとしよう…!!
ホテルの料金が高かったので翌朝はビュッフェで食べれなくなる所まで食べてしまい。「朝マックアゲイン」は出来なかったがでもまあ良いだろう。
しかし恐るべきは「オイルマネー!」、こんな行き止りの国にさえ「朝マックメニュー」付のマックを備えているとは…
この「プロフェッショナル」にとってはこれこそが「オイルショック」と言うべき事であろう…
蛇足になるが、「労働しているのは出稼ぎばかりで、街中を本当に歩いているクエート人は全く見かけなかった」、これもまた一つの「オイルショック」であろう…
写真はオイルマネーで潤ったクエートの市街