イエメン
2006.04.23(日)―24(月)
時刻は15:00時頃にもう少しでさしかかるころ、目的地であるシャハラが近付いてきた。
イエメン北部、シャハラはもうすぐ
一度下にあるアル・クアバの村で簡単なトイレ休憩をとる。
その際、ドライバーからこれから先はサナアから「乗ってきたこの4WDでは行けない、トラックの荷台に乗る」と伝えられる。
それは一向に構わないが料金はと聞くとよくわからないがまた別料金らしい、それでは困るからと少々揉めた挙句結局サナアから来た4WDでそのままシャハラを目指すことになった。 (※どうやら料金込みだったらしい、アフリカ後の中東でイエメンでもちょこちょこ変な引っかけはあったので過度に用心深くなっていたので疑ったのだろう、今にして思えばトラックの荷台からのほうがスリリングで良い景色だったかとも思う。)
奥の山頂に村が見える(※シャハラかどうかは不明)
ちなみに谷間にかかる線みたいなのが今回の目的であるシャハラ・ブリッジ
この細い道路を4WDで上がる。
道中しばし車輪を取られすこしドキッとした気分になる。車一台分の幅しかない道路は何かあったら崖底にすぐ転落するからだ。
もちろん歩いていれば落ちることはないのだろうが徐々に高度を上げながらこの難易度の高い道を進むというのはなかなかにスリリングだ。
それに景色も当然の事ながらよい、これだけの道を越え、この先見るシャハラ・ブリッジが如何ほどの物なのだろうか?否が応にも期待感はどんどんと膨らんでいく。
2時間ぐらいかけて登ったのだろうか?17:00頃、シャハラの村に到着。
シャハラの村
ツアーといってもローカルなのでホテルもそれほど大したホテルではないが荷物を置くと同時に宿を飛び出してみんなで橋を眺めに行く。
シャハラの村
高度約3000m、見晴らしは絶景だ。
遥か彼方に麓が見える
10分ぐらい歩いたのだろうか?我々は橋の見える位置に近付いてきた・・・
シャハラ・ブリッジ・・・
『おぉ・・・・!』
『・・・』
『・・・・・・・』
もうちょっと良く見てみよう。
シャハラ・ブリッジ
橋からの景色
『・・・』
『・・・・・』
確かに悪くはない、高度3000mにある峡谷にかけられた幅3m、長さ32mの不思議な石橋。17世紀にいったいどの様な工法で建てられたのか謎はつきないはずだ。
だが・・・
私はいままでの行程を思い出す、スーラ、アムランの町並、ここにいたるまでの道中。そしてハイライトの石橋・・・
以前にも書いたが「感動はギャップにより生まれる」としたら私はここに来るまでの昂揚感からこのシャハラ・ブリッジをあたかも谷底にかかるレインボー・ブリッジみたいな物を想像してしまっていたのだろう。
今目の前にあるブリッジは明らかに私の予測を下回る物だったのだ・・・
『うーむ・・・これでは自爆では・・・』
ただ来てしまったものは仕方ない、というか来て良かったことは間違いない。
橋をある程度眺めてからこの高地の村を散策して楽しむことにした。
シャハラ
はるかかなたの別の山頂にも同じような村落があって吃驚する。
やがて日は沈む
シャハラでの夕陽
夕日があたって赤みがかったシャハラの村
日の落ちるところ。
日が沈むと街灯のないこの村は急速に暗くなってゆく。
ツアーをとったのは5人、夜はホテルで高校時代の合宿のようなノリで無駄話をしつついつの間にか闇の深さに身を包み、眠りに落ちて行った・・・
翌朝、朝06:00時という自分的にはかなり頑張った時間に起きはしたのだが日はすでに上がっていた。
『もう一度石橋を』
と聞くと何やら見る気満々ととらえるかも知れないが要するに出発までの時間潰しにはそれしかやることは無かった・・・
シャハラからの景色
昨日見た別の山頂にある村落がはっきりと見える
こちらはズームで、よくもこんなところに村落を作っていまも住んでいると思う。
右側にうっすらとシャハラ・ブリッジが・・・昨日撮っていたのでもうあまり撮る気がしなかった
橋はともかく景色は抜群だ。
あるていど納得してまた村落に戻っていく
左はシャハラ
シャハラ
10:00頃、4WDは出発。
途中の景色、右側の道が戻ってきた道
こちらは降りた後のアル・クアバ付近
サナアの郊外へは16:00時頃
行とは違い帰りはやけにあっさりだ。
そして当時のブログにも書いてはいるが改めてこう思う。
シャハラ・ツアー
過度の期待をしてしまったこのプロフェッショナルの敗北であったと・・・
(当時の記事は「謎の日常」の「天空の橋(シャハラ:イエメン)」を参照)