クウェート
2006.04.01(土)
エジプトを出て最初の目的地はクウェート、陸路に対するこだわりは特にないのであっという間のフライトだ。
夜の到着なので朝を待って市街へ出る。
最初に目にしたのは今まで目にした事の無いような近代的なビルディングだ。
そのビルがここが明らかに私の今まで見て来た都市とは異なる世界だと教えてくれる。
最初に目にした近代的なビルにタワー
そしてしばらく歩いて行くと本物のマクドナルドが!
カイロでも確かにある、だがここが違うのは「朝マックメニュー」まできちんとある事だ!!
最後の朝マックを食べたのは確か南アフリカ共和国が最後、もう半年以上もご無沙汰している。
宿も取らずに突撃、久しぶりの「ソーセージ・エッグ・マフィンにハッシュド・ポテト」を堪能する。
マクドナルド
『クウェートに来てこれでもう思い残すことが無い・・・』
じゃ、なかった、ホテルもまだとってなかったのだ。
しかしホテルを探すのには難儀する。そもそも安いホテルが無いのだ。
探し回ってロケーションのいい2番目に安い所に決めたがそれでも8000円は越え、今までの過去最高記録のセイシェルをあっという間に更新する。
そもそも1KD(クウェート・ディナール)が約330円もするのだ。1通貨ユニット当たりの単価は高い!
ホテルには多少わがままをいって高層階の見晴らしのいいところをリクエストする。金額分の価値があると思わせるそのルームは写真に残さなかった事を後悔したぐらいのクオリティーだった。
泊まったホテル・オアシスからの眺め
左:ホテル・オアシスより、右はホテルを出てから。
ホテルを出てからブラブラと街を散歩する。
外を歩く人は少なく、それに歩いている現地人も見ない、働いているのは明らかに東洋系やインド系と思われる出稼ぎばかりだ。
妙に近代的
通信塔、確か入れなかった。
恐らくは司法省
近代的な建築群に囲まれて展示されているのでこんな歴史があったというのも嘘くさく感じる。
海岸
これもなんだか忘れた。
近代建築と建設中の建物が混じるクウェート市街
但し密集と言うよりは点在といった方が良い
教会もあってそれなりに立派
色合い的に教会でもモスク風に見えてしまっていた。
市街の中心部
郵便局は見た感じ古め
これもまた教会
こちらはモスクチックなモスクって当たり前か・・・
時計塔が綺麗!
一通り市街を巡り歩いてから一度ホテルに戻る。最高値を更新したこの宿で少しくつろいでまた満を持して再出撃をする。
ここではたったの1泊、少なくとも首都であるクウェートシティーはやりきるつもりだった。
緑の建物がホテル・オアシス。右はまた別の風景
マンション群、デザインがモダンに統一されているがちょっとやり過ぎ感がある・・・
市街
時計塔
市街観光のクライマックス・・・
私は可能な限り高い所、もしくは見晴らしのいい展望台などへ行き、日没前について街の全景、夕日が沈む所、そして夜景という3つの異なる街の様相を効率的にみるようにと決めていた。
ワンパターンと言えばワンパターンだが私が見る一番好きな景色を3段構えで楽しめると言う点においてはこれが最も効率的なツーリズム・スタイルだ。
そしてこれを世界中どこでも変わらずやり遂げ続けて来た事にこのプロフェッショナルの真骨頂があるのだ。(治安の悪い所や高所が無い所は当然その限りではないが・・・)
市街をしばらく歩いているとちょっと気になるビルがあった、屋上に展望台風の物がついているのだ。
クウェート・シティーの場合はクウェート・タワーから全景を眺めるのがツーリスト的には正しいやり方だが、私は敢えてオプションとしてこのビルにトライしてみる事にした。
これがそのビル、さっきの写真の中にも写っている。
中に入ると警備室のようなものがある、どうやらオフィスビルみたいだ。私は思い切って「観光客だが上に登って街の景色を見たい」と告げるとやけにあっさりと許可がおりる。
エレベーターののぼってその最上階へ、中はまだ建築中だが景色は十分に見渡せる。
奥にあるの球形の塔がクウェート・タワー
大抵の旅行者は「ただ景色を見る」というだけで見晴らしの良さそうなビルにわざわざ交渉を持ちかけないだろう。
だがアマチュアとプロフェッショナルの差というのは「自分の目的を冷静に見据え、ダメ元でもその可能性に賭ける」という心意気があるかどうかだろう。
「挑戦しない者にチャンスは訪れない」
当たり前の事だ。ただそれをやるかやらないかだけだ・・・
私は私の果たした成果に満足を覚えてクウェート・シティーの最大の目的地、クウェート・タワーへ向かう事にした。
途中でみた破壊された建物。
目的地クウェート・タワー
クウェート・タワー付近の海
オプションでビルをつけていたので予定よりはやや遅れたがそれでも日没前には到着、この辺りの抜かりなさはこのプロフェッショナルならではの物だろう。
早速中に入り展望階へと向かう。
展望階よりの景色、街のライトアップがされはじめていた・・・
こうしてみるとクウェート・シティーが近代都市というのが良く分かる。
ライト・アップが始まったタイミングで展望階に着いたのはちょっとディレイ(遅れる)であったが許容範囲内だろう。
そして夕日が沈むのを眺める・・・
夕日
水平線ではなく雲に沈んだのは誤算だが、そもそも雲のかかり具合まで計算して旅行で来ていた訳ではない。
その時、その場所にいて自分がベストだと思う行動を取り、その結果を受け入れなければならないだろう。
日が見えなくなってから夜の帳が完全に落ち切るまではまだ時間がある、私はその移り変わりを見てクウェート・シティーを楽しんでいた・・・
遊園地に展望階
闇が深まり、街に灯が燈る頃、私の一番好きな時間が始まっていく・・・
クウェート・シティーの夜景
遊園地の夜、右はイラク侵攻時のタワー内の写真
クウェート市街
『・・・』
『・・・・・』
これでメインディッシュは終わりだ・・・
私は充足感を覚えタワーを後にしてホテルへと向かう。
道中の景色
クウェート・シティーの夜・・・歩いている人は驚くほど少ない。
富裕な現地人は車での移動が基本だからだ。
だが、白のライトを基調とした夜のクウェート・シティーは「近代型ツーリスト」と呼ばれたこのプロフェッショナルのスタイルに良く合致していて歩いていて心地よいものだった。
私はホテルに戻り、自室でゆっくりとくつろぎながら眼下にクウェート・シティーの街並みを見下ろしていた・・・
ホテル・オアシスからの景色
今回の記事のタイトル「クウェート侵攻・・・」
この国の近代史を知る者にとっては「不謹慎」に見えるかもしれない、だがそもそもこのHP自体が不謹慎である事は疑う余地もない事だ。
それにこの時の私の気分、僅か一泊で攻略を果たすという目的を考えるとこれほどそぐわしいタイトルは無いだろう。
アラビア半島第一の狙撃地クウェート、ミッション「アラビアン・ロレックス」の出足としては上々の滑り出しであったと言うべきだろう・・・