ぐったり動物園(ニアメ番外編:ニジェール)

ニジェール




2005.11.16(水)

 ニアメをあまり見所のない街と書いてきたが・・・

 たった一つだけ、このプロフェッショナル心を惹きつける対象物があった。

 そう、それは動物園だ!

 ガイドブックによるとこの動物園には「狭い檻に押し込められ、暑さのためにぐったり状態」とある。それによそで見た情報ノートではこれを裏付けるように「このぐったりさ加減はある意味すごい見ものだ」とも書いてあった。

 愛らしく駆けずり回る動物・・・

 こんなものは上野にでも行けば一年中見て回れるだろう・・・

 だがこのニアメでは・・・

 世にも珍しい「バテきった動物たち」が見れるのだ!

 これは逃すわけにはいかない・・・


 ここを訪れたのはちょうど正午の頃、一番暑くなる時間帯だ。

 バテた動物たちを鑑賞するには最適の時間だろう・・


 1000CFA(約200円)の入場料に撮影料1000CFA払って入場する。

 普通入場料と撮影料がイコールという設定はあまり見ないがここは腐ってもアフリカ・・・もとい腐っているアフリカだ。

 古い格言にあるように「郷ヒロミはリーに従え」、「そして従った結果別れた」。ではないが、現地ルールは守らざるを得ないだろう・・・



 入場して最初に目につくのは併設している国立民族博物館の建物だ。








 白と青でペイントされたこの建物は真新しく来た者の目を引く。

 ここがニジェールにいることをちょっと忘れてしまいそうな空間だ。















 そもそも、民族博物館なんだから「ニジェール以外にこんなものあり得ないだろう!」という疑問はさておいて・・・

 この綺麗さの中にメンテナンスもいただけなく、やる気のない動物たちで一杯の動物園が併設されているというのはギャップを際立たせるので効果的と言えるだろう。

 このあたりの”場の設定”も十分にこちらのテンションを上げてくれる。

 前座を軽く済ましたら次はメインの動物だ。


このあたりもそれなりにいい感じです。


ちょっと裏手から・・・




 私は歩きながら目指すターゲットを探す。どこにやる気のない動物たちが・・・


 『んっ?』






 看板は・・・動物園創設以来、特になにも手を加えずにほったらかしにしたような感じでいい味を出しているが・・・


 『あっ!』






 普通に歩いてちゃダメだろう・・・


 まあ一種類ぐらいは活動していても・・




 『おっ!おいっ!!』




 『こっこれじゃぁ・・・』





 『こんなんじゃあ普通の動物園だろうがっ!』









 『そこっ!動くな!!』




 『ちゃんとバテてろっ!』






 『きっ貴様~・・・入園客に向かって媚を売るな~!』


 『・・・』


 『・・・・・・』


 違うっ!求めていたものと違うっ!


 これでは・・・


 これでは”ただ動物園を訪れている”だけだ・・・


 なぜ奴らはやる気を見せてしまうのだ?


 それではこの動物園の売りにならないだろう!!




 私は納得のいかないまま、ほかの動物を見て回る。


 するとようやく・・・





 『おぉ~!』








 ようやく・・・


 でも所詮はハイエナやなんか(看板を取り忘れたので何の動物かわからず)だ。


 こんな程度では私の飢えた心は満たされない。


 『そうだっ!』


 こんな時、いつでも人間の心を刺激するのは”百獣の王”ことライオンだ。


 やつらなら・・・・


 「キング・オブ・ぐったり!」

 を見せてくれるに違いない。


やってきましたライオンの檻・・・







 『・・・』


 『・・・・・・』


 『起きてちゃダメだろう・・・・』






 『なにこっちを見てやが・・・んっ?』




 『・・・・』


 ちょっと求めているのとは違うような・・・






 『これじゃあぐったりというよりはただの休憩だ・・・』


 『うーむ・・・』


 やる気のないことで有名なこの動物園で・・・


 動物たちが普通に生息しているのをみて何が楽しいのか?


 こうなったら一匹ぐらいは本気のやる気のない動物を見なければ気が収まらない・・・


別の種類のハイエナ・・




 『あっ!』







 『これだっ!これぞ正しいバテ方だ!!』

 四肢をだらしなく開ききり、横に寝そべり周囲に何があろうとも動じないこの姿勢。

 体全身から感じるやる気の無さのオーラも本格的・・・

 足りないのは口元からだらしなくたらす涎ぐらいだろうか?


 歩き回り探し回りようやく・・・

 ようやく巡り合えた一品・・・

 
 ハイエナという動物園では誰も見向きもしないその哀しさを存分に表現した彼の姿・・・


 これこそこの動物園で私が求めていたものだった!


 『これでスタートラインに立てた!』

 
 私はさらに彼と同じクラスの輝きを持つ動物たちを探すことにする。


 だが・・・


 そのあとまたしばらく動物を探し続けるも・・・
  

 結局最後までこのハイエナぐらいしか本気のやる気の無さを見せてくれた動物はいなかった・・・




 11月という時期が悪かったのだろうか?


 ここまで歩きまわってその大半が徒労となってしまったのだ!


 そこで私はプロフェッショナルとしてこう言いたい。



 ぐったりとしたやる気のない動物を探すのに・・・



 こちらがぐったりとしてやる気をなくしてしまった


 と・・・
 


 





動物園の中からとったホテル・ソフィテル



国会議事堂


ホテル・ソフィテルを背景に、上の一枚と合わせてここは広告の看板が気に入っていた・・・









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