アフリカの臍(バンギ:中央アフリカ共和国)

中央アフリカ共和国






2005.09.29(木)


 賄賂との戦いを制し(というか制され)何とかたどり着いたバンギ、PK12(ぺカ・ドゥース)で手続きを終え、私を乗せてきたミニバスで市内へ戻る。


 
途中の景色、ほぼ隠し撮り






 PK5(ペーカー・サンク)にたどり着いたらそこからはタクシーだ。なにせ5泊6日の連続移動の直後、それも治安の悪いと書かれていたマーケット地区で良く眠れない・・・という事は少し眠っただけの一晩を終えたばかりである。

 目指す宿はDalango、かつてアフリカ横断華やかりし頃、西洋人が良く宿泊していたと言われる宿だ。最初に当たる宿としては一番適しているだろう。

 PK5から若干奥に行き、少し歩いて辿り着いたダランゴは・・・

 廃墟だった・・・!

 人は居る、宿は営業している。だが・・・

 朽ち果てた木造建築はドアの鍵もかからず、ベッドみたいなものが中にあるだけ、そして共同のトイレはボットン式、もちろんそのドアの鍵もかかるわけがない。

 シャワーは・・・?

 夢のまた夢といった所だろう。

 オーナーはフレンドリーで昔の話をしてくれる。だが、このクオリティーで10.000CFA(約2000円)は完全にオーバー・プライスだ。

 喉が渇いていたのでソーダを買って喉を潤し、先ほど出てきたPK5へ戻る事にした。

 戻ったバス停で窮状を訴える。

 『どこか安くて良い宿は無いか?』

 私の問いかけに答えてくれるものが、その中の一人が自信満々にアドバイスしてきた。

 「ミッション・カトリック(教会系の宿泊施設、教会に併設され修道僧等が利用する)なら5000だ、俺が一緒についていってやろう」

 
 情報の無いこの国でこの提案はありがたい、申し出を受け、同行してもらう事にした。この際だから少しはチップを払ってあげてもいいだろう。

 彼は道路に出ていきなりタクシーを捉まえる。値引き交渉は無しだった。

 『うーん・・・』

 到着して料金を払う、1500CFA(約300円)だ。

 さっきタクシーに乗ったばかりだ、この出費は痛いがこの1回だけなら・・・

 ミッション・カトリックで空き部屋を確認するとフル・・・

 『ふぎゃん!』

 振り出しに戻った格好だ。他に安い宿は・・・

 彼がもう一度タクシーを捉まえる、お馴染みに1500CFAがまたすっ飛ぶ!

 せめて値引き交渉ぐらいして1000CFAに負けてくれれば・・・と思いつつ当たった2軒目。

 またしても教会系の施設であるこの”プロテスタント”は旅行者の宿泊不可!

 『ちぃぃぃぃぃ・・・』

 もちろん宿に40-50ドル使えば簡単に見つかるが・・・

 そこまでコストはかけられない、最低限のセキュリティーと居住空間の快適さ、バンギの物価はまだ完全につかんではいないが10-20ドルの範囲がこちらの予算の限界線だ。

 プロテスタントにいた若者に聞くと「モテル・ジゴロ」というのがいいらしい、値段もそんなに高くないそうだ。

 案内してくれていた男がまたタクシーを捉まえようとしたので『頼むからもう勘弁してくれ』とお願いして、今度はどこで降りればいいかを教えてもらってシェアタクで途中下車する事にした。
 彼とはそこで別れ一人で向かう事に、宿を探そうとするたびにタクシーを使われてはもうたまらなかった。

 乗ったシェアタクのコストは200CFA(約40円)、一気に救われた格好だ。

 メインストリートで降りてそこらへんのキオスクに「モテル・ジゴロ」と伝えて行き先を聞く、ストリートから若干奥まった所にあるそのモーテルは想像以上に綺麗で快適そうだった。

 料金は10.000CFA(約2000円)、予算のぎりぎりの範囲内、トイレ・シャワーが2部屋に一つで共同という以外は何一つ不自由なさそうなこのモーテルに私は宿泊先を決める事にした。

モーテル・ジゴロ、高い壁に鉄条網、セキュリティーは良い、これであのダランゴと同じ値段とは・・・
 

庭もある、そして部屋の机。
 


 
 朝早く到着していたのでまだ昼前だった、1時間くらい軽く休憩をとってからまた街に向かう。
 今日は木曜日だ、街が死ぬ土日前に情報収集やらチケットの購入やらなんだのをすべて済ませないと行けない。

 疲労は残っているが・・・やるべき時にやるべき事を終わらせないと後で自分の首を絞める事は明白だ。ここが我慢のしどころだろう。

 
 市の中心へ出て数件エア・チケットを扱っている旅行会社へ訪れてチャド行のチケットを購入する。じっくりと待って調べてというのは今回は無い、時間の経過は敵になる。

 首尾よく出発日を決めた後は観光案内所を探す事だ、代理店で聞いても今一つ要領を得ず、タクシーを数台当たると知っている者がいる。

 私はタクシーに乗って観光案内所へ、撤退した日本大使館付近に目指す建物はあった。

 ここでやる事は赤道ギニアでもやった「パーミッション」の取得だ。

 バンギも中部アフリカの例に洩れず「写真撮影に厳しい首都」だ。このパーミッション無しでは厳しい。

 スタッフのチーフである女性はフレンドリーだ、当初2日と言われた許可証は私が日曜日に出発が決まっている事を告げると明日出してくれるという。

 それも料金は無料!

 『アフリカにタダで手に入るパーミッションがあるなんて・・・』

 『なんて・・・なんて良心的な国なんだろう!』
 
 だが、普通の国なら「パーミット」なんて取らずに普通に写真が撮れるのが常識だった事に後で気付く。

 そしてこう思う。

 『どうせタダなら最初からパーミッションなんてなくせば良いのに・・・』

 と・・・


観光案内所、というよりも日本で言うところの観光省に相当する。壁には中央アフリカの地図
 

中にはこんな置物が・・・
 


 



 宿に戻る道すがら、髪を切る事にした。料金は500CFA(約100円)、アフリカ標準の値段だ。
 さっぱりした頭になって気分を切り替える。


夜、宿の近くの屋台で食べたローカル・フード、肉と主食だけという豪快さ!




 アフリカ中央共和国の首都バンギ・・・

 どこがアフリカの中心か?諸説あるだろうが・・・

 プロフェッショナルの見立てだと、ここがその中心といっていいだろう、それに何よりも中央アフリカというネーミングがアフリカのど真ん中を意味している。


 アフリカの臍とも言えるここバンギ・・・

 明日パーミッションが取れたなら・・・


 いよいよその首都狙撃の開幕だ・・・






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