サオ・トーメ&プリンシペ
2005.09.02(金)
サト・トーメ&プリンシペ
旅行者にとってその知名度は日本の歌謡界で喩えるなら「ひろし&キーボー」と同レヴェルにある中部アフリカ屈指の・・・随一の・・・
というか唯一のリゾートと目されるこの島国・・・
中部アフリカ諸国を周遊して疲弊した心、それを癒す為にもここに訪れる事は必然であったと言えよう。
予定は2泊3日のプチトリップ、訪れるのは首都サオ・トーメのあるサオ・トーメ島のみだ。
ガボンの出国は夕方。
シェアタクで空港へと向かう
チェックイン時に不思議と係から「1000セーファー(約200円)くれよ!」と賄賂を請求されるがもうこちとら慣れたものだ、『金がないからそっちこそ俺に2000(約400円)恵んでよ!』と笑顔で切り返す。
出発したガボンリーブルビルの空港
19:00時出発予定のサオ・トーメ行のフライトはたった1.5時間しか遅れず、20:30分に出発!
中部アフリカでは信じられない正確さだ。たとえ日本では「殺してやりたい」と思う遅れであっても・・・
フライトはトータルで1時間半、ただサオ・トーメとガボンでは一時間の時差があるので到着は21:30となる。
空港から市内までは4Km、タクシーの値段を聞くと10ドルだ、一時間歩けばつく距離に10ドルも払うのはプロフェッショナルの流儀に反する、それにサオ・トーメは治安に心配はいらない国だ。
こちらが拒否したらタクシー代はあっと言う間に5ドルに下がったが・・・ここは夜景を見がてら歩いて市内に向かう事にした。
歩いている途中でみた市内のパノラマ
市内に出てしばらく歩きまわり、チャリダー藤氏に教えてもらった宿を取る。
25ユーロ(当時のレートで3800円くらい)の出費は破格だがリゾート国なら仕方がないだろう。
市の中心部にある教会
宿の部屋にて、この写真からは宿のクオリティーが全く分からないのが難点。
2005.09.03(土)
予定はたったの2泊3日、となると密度の濃い観光できるのはこのたった一日である事は明白だ。
とは言っても市内は狭いのでのんびりと散策に出ることにした。
市の中心
タクシーランク、色が黄色で分かりやすい。
市内を散策しつつ、地図を探しに高級ホテルミラ・マールを訪れるとそこでアントニーと名乗る男が話しかけてくる、イミグレの人間という事だ。
彼は私に色々と・・・勝手に案内をはじめてくる。
イミグレを名乗る男が、何故かガイドを始めるという不自然さ。この辺りはリゾート国家とはいえ実に中部アフリカチックだ。
断りは入れたものの、彼がしつこく案内するので罪にならない程度に勝手に案内させることにした。
最初ツーリスト・インフォへ、土曜日なのでクローズ、そして彼が市の中心に「地図を扱っているいい旅行代理店」があるから・・・と言うので同行する。
そしてその旅行代理店の外で・・・
何故かしばらく待つようにと・・・
旅行代理店付近の街並、結構ヨーロッパの旧市街っぽい(サオ・トーメはポルトガルの旧植民地)、もちろんあくまでも見かけだけの話だが・・
こうなったら狙いは明白だ。
このプロフェッショナルがたてた「アフリカ方程式」で考えると答えは出たも同然。
旅行者から何か聞く→その場所まで取り敢えず案内→先に自分で入って地図を買う時の値段交渉を代理店に持ちかける(今回のケースでは)→代理店が通常売っている値段に上乗せした部分が彼のコミッション(手取り)
実に分かりやすい。
彼が入ってちょっとだけ間合いを置いて私も代理店に入る、驚いた彼は私を止めようとするが・・・
『そもそも旅行代理店に外国人が入るのを止めようとする』
という行為はどう考えても不自然だろう。何かチート(いかさま)をやろうとしてますよとはっきりと意思表示したのも同然だ。
幸いにしてその旅行代理店は親切で、私を見かけるとすぐに笑顔で応対、しかも驚く事に奥さまは韓国人!
この辺りでは珍しい同じ東洋人ということもあって地図を買った私に古いコインやハガキまでつけてくれる。
代理店を出るとアントニーが「ビールでも!」等と言って来る。
彼がいなかったらこの代理店にスムーズにつかなかった事も事実だが・・・
『そもそも人にいかさま仕掛けようとした時点でアウトだろう!』
丁重に・・・というか多少乱暴にお引き取り願ったらアテが外れた行った風体でそそくさと立ち去って行った・・・
また一人になって今度は自由に歩き回ることに、中部アフリカ唯一のリゾート国家の神髄を見極めなければならないだろう。
結構いい雰囲気かも?
中心からちょっと外れて・・・
木に人の顔が彫ってある・・・
左はスタジアム
それなりに綺麗な景色、リゾートっぽい。
また中心街に戻って・・・
マーケットの中
これがリゾートといっていいのかどうかはまだ判別がつかないが・・・
取り敢えずメインの部分は見れたので今日はこのぐらいにしておくことにする。
そして夜マーケット近くのキオスクでオムレツサンドとトニックを買おうと値段を聞いて、お金を払うと・・・
お釣りが少なく渡される!
おかしい?と思い抗議するとオムレツサンドの値段が急にお釣り分だけ値上がるという不思議アフリカ現象が!
それなら別のを買うと一度最初に払ったお金を戻させて・・・
『こんな所で買ってやるもんかっ!』
と、悪態をついて・・・そのまま外に出る。
最初に注文していたトニックのビンの蓋をあけていたので向こうも怒っていたが・・・
この際悪者はどう考えても「あちらさん」であろう・・・
この晩はやむを得ず他の店で買ったパンとジュースで夜をしのぐ事に・・・
リゾートなのにまだリゾートチックな経験はしてないようだ・・・
2005.09.04(日)
この日が最終日、出発は夕方なので昼過ぎに出ても空港には間に合う。
朝チェックアウトの時間に荷物をホテルに預けてもう一度市内を散策する。
少しはリゾートらしいものを見てもバチは当たらないだろう・・・
昨日訪れたマーケットでサラミ・スティックでも買おうかと訪れるといきなり「チン・チョン・チャン」とアフリカでよく聞く差別用語(東洋人、というか中国人に対する蔑称)と言われ、ポルトガル語圏のこの国で英語で言っても分からないのでどうせならと日本語で毒づいてマーケットを後にする。
朝から気分は良くはない。
もう一度市の中心の海外沿いなど・・・
よくわからない難破船など・・・
そして唯一?の見所でもある要塞へ。
せめてここぐらいは入ってみようと思っていたが・・・
まさかの・・・というか日曜日なので十分に予測できたクローズ!
ぷらぷらとして市内にまた戻る。
もうこれで市内には特に見る事がない。
出発は夕方、今はまだ11:30分、しばらくホテルの椅子で座って待っていたが・・・
さすがに飽きたので出発する事に、13:00時に荷物をまとめ空港まで歩くことにした。
4Kmの道のり、フライトの出発は16:30分が予定、のんびり歩いても1時間半もかからないから十分に間に合うだろう。
そしてのんびりと歩いていると・・・
道中から市の中心部を眺めて・・・
自転車に乗った若い男が声をかけてくる。
やけに陽気な彼と世間話をしていると空港には14:00時にはついてしまう。
到着した空港付近、これは飾ってあるのか捨て忘れているのかは不明
そして空港
16:30分出発予定の飛行機は中々来ない。
それに人も6人ぐらいしか待っていない。
これはエア・サービスの飛行機、御覧の通りレシプロ(プロペラ)機。
そして出発予定時刻を大分過ぎた18:00時頃から人が集まり始め・・・
18:30時に出発!
乗り込んだエア・サービス
それにしてもガボンの航空会社であるエア・サービスは優秀だ。今回もたった2時間遅れとは・・・
去りゆくサオ・トーメを見ながらこのショート・トリップでの思い出に浸る。
中部アフリカ屈指のリゾート国家・・・
このプロフェッショナルの目をしても「どこがリゾートだったのか?」という部分は全く判明されなかったが・・・
写真を取ったら捉まったり、街中で警官に絡まれたり、出入国で賄賂を請求されたり、危険すぎて夜歩けなかったりすることは・・・
少なくともこの国では無かった・・・・
この事だけでもこの国を「中央アフリカ随一のリゾート国家!」と認定しても間違いではないだろう・・・