ニジェール マリ
地図は左がマリ、右がニジェール
2005.11.17(木)―18(金)
ニアメの観光にけりをつけ、次に向かう先はマリ東部の都市、ガオだ。
ここは世界遺産でもあるアスキア王の墓がある。バマコに行く道中にあることも相俟って訪れることを決意していた。
移動は例によってバス。
ニジェールの国営バスでもあるSNVバスターミナルでチケットを買う。
バスターミナル内の一コマ。
国営バスがダイレクトに国をまたいで隣国につながる。いわばインターナショナル・バス・・・
ニジェールとマリなら十分期待できそうだ。
ターミナルの中にある広告も『なかなかやるじゃない!』と思わせる。
てか、これで『やるじゃない!』と思える時点でかなり非文明化した自分を感じる。
左は広告。、右は時刻表。
朝早くにターミナルに行きバスを待つ。
私の乗るバスは・・・
『おぉ~!』
普通だ!
普通のバスだ!!
ブルキナからニジェールへの移動へ引き続き・・・
正しい移動の在り方だ。
しばらく待つとポーターがやってくる。私の荷物を束ねるテープ代として100CFA(約20円)の徴収が。しかし国際バスで手ぶらで乗る客なんてほとんどいないだろうに相変わらずセコクぼってきやがる。
しばらく待ってその不機嫌さのままで呼びたしに答えていくと・・・
『んっ?』
※:写真は後ほど撮影したもの
『俺の乗るバスってこれ?』
SNVのロゴは確かに入っている・・・
でもこれは・・・・
『バスじゃなくてトラックって呼ぶんじゃ??』
これから始まるガオへの道のり、トラック型じゃないと行けないとは・・・
不安が一気に高まる。
だが・・・
ここは行くしかない。
バスは9:30頃に出発。
ニアメ郊外。
バスはしばらく順調に進む・・・しばらくは・・・
道中の景色
私の座った座席は窓側、ちょっと暑いので窓を開けようとすると私の横は丁度開かない窓だった。
『うむむむむ・・・』
ちょっとお金がかかってそうな地方の建物。裁判所と書いてある。
車内の暑さは仕方がないとして・・・、道はわざわざトラック型のバスを使うほどでもない。
『トラック型なのはあくまでもバスの所有数が少ないだけか・・・』
心配が杞憂であると感じ始めたころ・・・
乗って6時間くらいたってAyarouを通過すると・・・
そこは未舗装路に変わっていった・・・
境目。こんなんなんで写真に撮ったんだろう?舗装路に対する未練なのか?
未舗装路へ突入と同時に地面の凹凸が金属のフレームにイスっぽいものを乗っけただけという”一応座席風”の私の席にダイレクトにその振動を伝え始める。
『うぐぐぐぐ・・・・』
車窓から見える景色、道もこれとあまり変わらず
『こっこれかっ!トラックタイプのバスにした理由は・・・・』
あまりにもバンピーな路面をダイレクトに伝えてくれるために私はバスの中で何度も跳ねていた。
『くぅぅぅぅ~』
だが、そこはこのプロフェッショナル、この程度の移動なら、これ以下の移動なら何度も経験済みだ。
落ち着いてニジェール川でも眺めるとしようか・・・
ニジェール川。
川向うに沈む夕日・・・
ニジェール川にかかるロマンの瞬間・・・
トラック型のバスだろうがなんだろうが見える景色に変化はない。
そして私の心にも・・・
そして日がもう落ちかけてきたころ・・・
日没直後
トラックが激しくホップ!
座席が外れて一度宙に上がり・・・
着地した瞬間、私の足が挟まれて・・・・
『あぎゃぁぁぁぁぁぁぁ~』
『痛い・・・痛いぞ・・・』
見ると金属のフレームとその上にただ乗っけただけの座席の間に挟まれた部分が破れ明らかに血が出て・・・
『これぞ本当の出血サービス!』
などと言っている場合ではない。
マシーンと呼ばれる私であっても体は生身だ。アンドロメダで機械の体を手に入れているわけではない。
しかし”ただ移動しているバスの中で座っていただけ”なのに負傷するなんて・・・
『でも泣かない、だって男の子だもん』
出血する足を抑えつつ、強がるのが精いっぱいであった。
バスは夕方国境へ、また時差が1時間生じる。
マリ
そして少し進んだところで夜間は休憩。
このあたりは治安がよろしくないので夜間移動は禁止しているということだ。
翌朝また移動を開始する。
悪路は相変わらずのままだ・・・
マリ領内の景色
ちょっと逆光に・・地面の段々は写真からも見て取れる。
途中で見た動物群
バスは10:00頃ガオへ到着。
ガオ郊外
24時間、移動としては特別に長い時間の移動ではない。
だが・・
悪路と負傷が私の疲労感を加速させていた・・・
到着したガオのバス停で、このきつかった移動の終に歓喜して叫んだ事は・・・
このプロフェッショナルならずとも必然の出来事だろう。
そう
『ガォォォォォォッ!』
と・・・