旅する理由(ウェリントン:ニュージーランド)

帰国後に記事を書いているため、実際のアップ日は2017.11.18となります。

 

ニュージーランド

 

基礎データ(2017外務省HPより抜粋し一部加筆)
1.面積:27万534平方キロメートル(日本の約4分の3、メインランドは北島と南島に分かれている)
2.人口:約469万人
3.首都:ウェリントン(約20万人、世界最南端の首都。尚、最大の都市はオークランドで人口約120万人、いずれも北島内)
4.民族:欧州系(74%),マオリ系(14.9%),太平洋島嶼国系(7.4%),アジア系(11.8%),その他(1.7%)
5.言語:英語,マオリ語,手話

尚、今回の通貨に関しては実際レートではなく、私の引き出し手数料など考慮したうえで分かりやすく1ニュージーランドドル(以下NZ)=80円とします。

 

2017.11.02(木)

パート-1 制限時間2時間

 日本から約11時間のフライトは順調で、サマータイムの関係で日本より4時間進んだ現地時間09:00時、ほぼ予定通りにニュージーランド一の大都市、オークランド国際空港へと到着する。ただ今回の最初の目的地は過密日程の関係上ここではなく首都のウェリントンだった。国際線から国内線への乗換がありオークランド発は11時と余裕は2時間もあるし、オンラインで成田→ウェリントンと買っているので成田での搭乗の際に日本→オークランド、オークランド→ウェリントンの2つのチケットをすでに入手しているので特に焦る必要はない。

 

 筈だったが案に反してこの2時間が曲者だった。

 

 緩そうなイメージがあったニュージーランドの入国審査が、その緩さが「外国籍用の入国審査のカウンターはゆうに20箇所以上あり、ぱっと見で100人以上は並んでいるのにオープンしているのはたった二つ」という方向で出ていて、しかも時折審査で引っかかる人がいるので予想以上に進みが遅く、入国審査を終えるだけで30分以上かかってしまったのだ。さらに税関の進みも遅く、自分の荷物をピックアップして税関のチェックを終え、空港ロビーに出たころには既に出発1時間前となってしまっていた・・・

 さらに国内線への乗換に罠が仕掛けられていた。国際線と国内線のターミナルが離れており、シャトルはあるものの当然ついたばかりでは時間が読めるわけもなく、空港の案内所を探して聞くとグリーンラインを進めば10分程度で着くと言われ、荷物を背負いながら半ば慌てながら向かう羽目になる。「歩き方」を読んでいれば予め予想出来ていたのだが、生憎機内では寝ることと発売日前に買ったワールドサッカーダイジェストが気になり「歩き方」に目を通さなかった結果がこれだった。

 そして、チェックインカウンターで搭乗手続きを終えた頃には残り時間が40分、ここで一度外に出て煙草を吸い、また中に入り搭乗ロビーにつく頃にはもう出発30分前を切っており、私の到着から時を待たずに次々へと乗客が機内へと入っていった・・・

写真上はオークランド到着前に出た朝食とオークランドの国際空港
写真下はグリーンラインを進んで国内線ターミナルまで

 

 「3時間見ておけば(※ウエリントン行の便は日中1時間に一本程度と頻発している)ここまで慌てずに済んだのに・・・」

 ギリギリセーフといった感は否めないが兎にも角にも173ヶ国目となるニュージーランドがこれで始まったのだ・・・

 

パート2 ウェリントン到着

 ウェリントンまではフライトでたった1時間程度の距離で今回以降のフライトはすべて窓際を抑えているから空からの観光もある程度は楽しめる。

ウェリントン前の機上から

遊びで使ってみたモンスターの写真。右下はデジタルズーム使用

 

 私を乗せたNZ421便はあっけなくウェリントンへ到着、まだ12時だ。国際線と違って国内線は当然緩く、ほぼ流れ作業で空港へと降り立つ。

 

到着したウェリントンの空港

 

 ロビーでATMから新調したビザ・デビットカードでまとめた金額を引き落とし、エアポートフライヤー(公共バス)で行こうとglo(電子タバコ)を吸ってバス停に向かうと、こんな日に限って「11/2のみ 9~14時の間は運航休止」とピンポイントでこのプロフェッショナルを狙い撃ちしたかのようなポップが掲げら/れている。「後2時間程度なら・・・」というのは長期なら良いけど今回は短期決戦旅行だ。タクシーも頭をよぎったが、幸いエアポートシャトル(一定人数が集まったら出発するタイプのミニバス、料金は市内まで定額で一人20NZ、宿泊先付近で降ろして貰える)がすぐに捕まったのでそれに乗ることにした。

 市内へは20分とかからず到着、私以外一人しかいなかった乗客を先に降ろし、私の目的地である市内のメインストリート、キューバ・ストリートのホテルの番地の所で降ろして貰えた。ただ、このホテルが曲者で特に外に看板が出ていないのでしばらくその辺りをウロチョロとし、予約サイトの住所はあっているので一度中に入って、その中の人に聞くとレセプションまで親切に案内してもらえたが、シャッターが降りてしまっている。

 「あらっ、どうするかな・・・」

 gloでも吸って開くまで時間を潰そうとすると、たまたまだ中国系のレセの女性が通りかかり、「チェックインは14時からでまだ一時間以上あるけど、もう部屋は準備できているから案内してあげるよ」と言ってくれ、首尾よく部屋までたどり着くことが出来た。

写真上右側ピンクとベージュっぽいビルの中の一部が宿泊先。
レセはグランドフロアー(写真2段目右側の奥)、最下段左はグランドフロアーのエレベーターホール。
ホテルは2Fにいっぱいあるブロックの中の数ブロックで、さらに部屋はそのブロック内の一室(最下段右側の写真内の右側の扉が私の部屋)。
 後でメールを開いたら「分からないと思うので着いたら電話してね」と丁寧に送信されていたが、フリーWi-Fiだけのスマホなのでそのメールを確認していなかったしどのみち電話もかけれなかった。

 

 一旦荷物を置いてから近くにマクドナルドがあるのは目に入っていたのでランチタイムにする。

 

マクドナルド、食べたのはフィレオフィッシュセット、ヴァリュー・ミール(ポテトとドリンクのセット)で11.NZ(約900円)と高めの値段

 

 海外初日で最初の食事がマクドナルドなんてと思うかもしれないが、もともと偏食で頼んだ結果食べれないものが出てくるのはめげるし、それにファーストフード好きで、行った先でマックがあれば寄ってみてその国のマックが日本と比べてどんな感じか比較するのも楽しいので、いずれいくならまだ国に慣れてない最初こそが最適解だろう。最も、もしご当地バーガー(ニュージーならキウィバーガーやラムバーガー)があってもそれに野菜が挟まれているなら頼まないので、特に「その国ならではのマック」を味わっている訳ではないのだが、「いつも食べてる物が国によって変わるのか?」というの一つの楽しみだ。そしてフィレオフィッシュはいつも日本で食べるのと、大差の無い出来栄えだった・・・

 

 腹を満たしてホテルに戻り、街歩き用に荷物を再編成する。これでようやく観光の準備が整い、シェイプアップベルトを締めて再度ホテルを出たのは15時頃だった・・・

 

パート3:旅に出る理由

 宿を出て目の前のキューバ・ストリートの大地を足で味わい、そこの空気を肌で感じながらgloを一服する。旅行の始まりを感じる瞬間だ。

宿周辺の街の様子、時折「(車に注意するように)」Look Right」と道路に書かれていたのが印象的

 

 もちろん日本を出国してニュージーランドに入国してからもすでに色々と動き回ってはいるが、最初の宿について観光の準備を整えるまでは「旅行前の作業」といった感覚から抜けられない。それを終えて身軽になって街に出たときが、私の旅のスタートなのだ。

 地図はすでにチェックしていてアイサイト(観光案内所)の位置は大体分かっていたつもりだったが、その場所に行っても見当たらない。しばらく迷って現地の人に聞きながら向かうと宿の前の通りを真っ直ぐに3分もいかない近い場所だった。単純なミスでアイサイトのアイマークの位置から線が出ていて、吹き出しのようにその線の先端が実際の位置だったのだ。

アイサイトのあるシビックセンター周辺

 

 

 「1年ぶりだな・・・」

 久しぶりに味わう異国の様子は、格別な物と感じる。

 

湾沿いの景色

こちらはモンスターで撮影

デジタルズームでソファーまで写る

遠くの船の上の人まで・・・

たまたま見かけた飛行機、動的目標は予測も必要なので素人な私ではこの程度が限界

 

 初めての土地、初めて見るもの、初めて味わう空気・・・

 すべてが初めてのこの場所を動き回っていると「帰ってきたな・・・」と、強く感じる。

 

上は郵便局内に展示されていた配達のバイク、下は鉄道駅

 

 初めてなのに帰ってきた?
 旅行者ならそれを矛盾と思わないだろう。

 「常に見知らぬ場所を探してうろつきまわる」のは旅行者の習性だ。だからこそ踏み出す一歩の足で見る景色が常に変わる場所に身を置く事が「自分が旅行に帰ってきた」と感じられるのだ。

写真左上:セントポール大聖堂、右上国立図書館。右下の奥の円状の建物は国会議事堂

 

 午後少し遅い時間から始めた街歩き、ウェリントンは20万人程度の都市で、中心部と考えると歩き回ってもそれ程時間はかからない、ビジネス街であるラムトンキー・ストリートを歩いてケーブルカーの乗場へと向かう。

 

ラムトンキー・ストリート

 

 市の中心と高台にあるケルバーン地区を結ぶこのケーブルカーは庶民の足であるとともに観光客にとっては街を高台から見下ろすスポットでもある。全景好きな私がここを訪れるのは当然の帰結というべきだろう。

ケーブルカー

モンスターで撮影
街の全景と目を転じて適当な丘の上の建物を拡大

港に浮かぶボートをズームで

近くのグランドでラグビーをやっていたので

 

 4th Mission 2nd Story(第4任務第2話)の幕開け。

 3rdMission以前は旅行だけしていた、1年前の1st Storyは7年振りの旅行で、旅行自体が全てだった。

 2ndとなり、ややペースを掴み始めた今が、絶景とはいかないまでも取り敢えずの全景が見えたケルバーンで、モンスターで遊びつつ街を見下ろしながら、旅と自分について考える丁度良い契機だろう。

 

 「何故旅行するのか?」

 これに対する答えはない、登山家に「何故登るのか?」と聞くと「そこに山があるから」と答えられるのに似て、「そこに国があるから行く」としか言いようが無いのだ。

 「そこに国があるから行くというのは何故?」

 再度自分に問いかける。好奇心を満たす為だ。

 「じゃあなんで何故国に興味があるの?」

 興味を持ってしまったから・・・、答えにならない答えしか出てこない。それはそうだ。趣味なんてのはそんなもので、好きになってしまったからやっているだけで、それに対して理由をつけるとしても後付けで、それは好きになった理由ではなく、そこから抜けられなくなった理由なのではないのだろうか?

 この後付け理由があるとしたら、それは自分のミニマムが知れる事がその一つなのかもしれない。日常生活を営んでいると些末なことも繰り返しているうちに自分の中で重要なことになってくる。例えば○○というテレビ番組を見なければいけないなど、本来あってもなくてもどうでもよいはずの事が一大事のように感じてしまうのもその一つだろう。人間身一つで持っていけるものが自分にとって無くてはならない物だ。旅行の準備は日常生活でついた贅肉を落とす作業でもあり、そして実際に持って行ったものでやり繰りしていると「ああ、俺はこれだけあれば本当は良いんだ」とわかるのだ。日常の脂肪をそぎ落とし、身軽になった自分がどれだけ自由に見知らぬ場所を動けるのか?それを試していくのは私にとって一番楽しいことであり、だからこそ旅行から抜けられないのだろう・・・

 

 丘の上からまたケーブルカーで戻っても良かったが、時間はまだあったので折角だからボタニカルガーデン(植物園)を抜けて街に戻ることにした。

ボタニカルガーデン

 

 街の喧騒とは打って変わって静かな植物園をのんびりと歩いて降りていくとまたいろいろな考えが頭に浮かんでは消えていく。そもそも散策するというのは頭の活性化に適しているし、身の危険を感じない、それでいて自然に恵まれた場所を歩くとより一層深く考えることが出来るのだ。

 

 旅行をする理由は人それぞれだ

 一度も目にしたことのない絶景を見たい
 現地の人と触れ合いたい

 等々他にも色々あるだろう、それは各々が思ってやれば良いことだ。

 ただ、私は別に絶景を見に行こうとも、現地の人と触れ合おうとも思わない。私は私の決めた行動の中で、「その時出会ったものが見れればそれで良い」のだ。そしてそれを誰かと分け合おうとも思わない。こうして記事こそ書いてはいるが、私のは「私の為の旅行記録」であって、誰かに「旅の素晴らしさ」や「旅の感動」を伝える物ではない。それこそ感性なんて十人十色というだけではなく、その時の自分の気分でも大きく変わるものだ。それに感動するほどの感情はギャップからしか生まれない。どれだけ美味しい料理を食べても続けていれば飽きるというヤツだ。例を出すとサハラ以南のアフリカを抜け、モロッコについて最初に見たマクドナルドやエスカレーターは私にとって感動を呼ぶほど素晴らしいものだったが、スペインから南下して来た旅行者から見ればありふれた風景にしか過ぎないだろう・・・

 

街に戻ってから。右下は「アブラケバブラ」という向こうではそこそこあるチェーン店で食べたマカロニとチキンのホワイトクリーム

 

 夕食後宿に戻り、日本では16時台に日没となるのに20時過ぎが日没になるこのウェリントンで、移動の疲れもあるから早めに休むかどうするかを少し考えたが、日が落ちるのを待ってまた少し外に出ることにした。

ウェリントンの夜景

 

 「じゃあ自分ってどんな旅行者なの?」

 これは自身のアイデンティティーをどこに持つかという話だ。

 海外に出たことにの無い日本人から見たら、世界を旅している人は一緒くたに旅人のように感じるかもしれないが、旅行している者すべてをまず「旅行者」と仮定すれば、多様なスタイルがある現在、さらに中身は細分化されている。例えばトレッキングが好きな人が海外に良いポイントを見つけてそこを攻略しに行ったらその人自身は自らを「トレッカー」だと思っているだろうし、全く同じことをやっていても旅が好きな人がたまたま経路上景色の良いトレッキングポイントがあったのでそこを歩いて景色を堪能しているなら彼は自身を「旅人」だと思っているだろう。チャリダーやライダーでも旅がメインなら旅人、チャリがメインならチャリダーという具合に自身のアイデンティティーを持つだろう。要はやっている当人が自分をどおう考えているのかが一番大事なのだ。

 遡ってじゃあ私は私をどう思うのか?

 渡航期間や訪問国数から旅人のように捉えらえれがちだが、私は今まで自身を旅人と思ったことは無い。

 日常生活から切り離された場所をあくまでも第3者として気の向くまま歩いて見たい物を見て空気を味わうのが私のやりたい事だ。そんなに旅行するならそれを仕事にするように努力すればと思うかもしれないが、例えば旅を仕事にすると旅その物を楽しむのではなく、仕事として旅を楽しむというスタイルになってしまい、それは私の思いとは違う。

 そう、あくまでも物見遊山の観光(メインターゲットが首都というやや特殊な傾向はあるが)メインな”ただのいちツーリスト”というのが私自身の望む位置で、それが今叶っているのだ・・・

 

 

モンスターで撮影した月(上手な人は手撮りでも出来るらしいが素人なので三脚を使用)
普通に撮るとただの光の点だがズームするとここまで取れる。2段目右と最下段はデジタルズーム

 

 

 旅を出る理由・・・

 特に何かまとまった考えが浮かんだわけでは無かった。

 だが、それで別に構わない。

 そもそもこんな事に結論付けようとしても意味はないだろう。

 

 「ツーリスト」という望むべき自分が今ここにある。幸せがどこにあるかと問われれば、旅行している今こそが幸福な瞬間なのだからあれこれ考えずにそれを噛み締めれば良いだろう・・・

 

 

 

 

 

 

 そして私は今回の旅についてこう考えた。

 「特に必要のないモンスターを持ち、シェイプアップベルトをしてダイエット等という旅以外の余計なことを考えながら観光する今回のスタイルは、言ってることとやってる事が明らかに矛盾している・・・」

 と・・・。

 

 






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