マジック・ホテル(スバ・フィジー)

フィジー

   

1FJD(フィジードル)=50円

 

2016.10.31(月)

 ナンディを出て島の南側の海岸線に沿うメインの道路を一路首都スバへと向かう。予定時間は4~5時間、これまでのソロモン諸島、ナウルとは比べ物にならない島の広さを持つ南太平洋の中心ともいうべきフィジー、その首都はこの辺りで随一の都会の筈だ。

車窓から

 

 フィジーを旅程の中間に組み込んだのは偶然ではない。これまでの3ヵ国は情報の少ない、観光客のあまりいないエリアで行くまでは未知数だったが、ここフィジーは歩き方でメインを張る様なよく知られた国であり、ここで何があるかはある程度予測がつく。何かあって体制を建て直すのも容易だからだ。

車窓から

 

 今回の目的地の首都スバは、少なくともそれなりの都会でマクドナルドもあるし、そしてきちんと夜になると強盗も出る、ようするにこれまでの町レベルではない街レベルの首都なのだ。街歩き好きの私が間違いなく寛ろげる場所、それがスバだと確信を持っていた。

車窓から

 

 バスは予定通り順調に進み、やがて街が見えてくる。

バスのチケットは直前で回収された。フィジーはそういう珍しいシステム。下は到着したバスターミナル

 

 12:30時にスバに到着。バスに合わせて待っていたタクシーに値段を聞くと10FJD(500円)と言われる。待受タクシーが高いのはこの世界では常識であるが、距離からいって少しボリ過ぎだった。ヴァカンス・ツーリストの私には高い値段ではない物の、現地の物価を考えると釣り合わないと考えるとやはり受け入れ難い。バスターミナルを出てからタクシーを捕まえようと、とりあえず歩き出す。スバはやはり想像通りの都会だった。

 10分ぐらいあるいて市の中心付近にある観光案内所に近付くと、初老の男性が声をかけてくる。ホテルの場所を言って歩くつもりだというと「タクシーなら3FJDだよ」と教えてくれ、『それなら』というと、親切にタクシーを呼び止めて、「こいつならメーターだから大丈夫だよ」と案内してくれる。この国で騙す手合いが居ないわけではないし、強盗もいるので信用しすぎるのは危険だが、基本フィジー人は親切だと聞いていたので、勧められるがままタクシーに乗り初老の男性にありがとうと別れを告げた。

スバの市街。右上と中左はショッピングモール、中右はシネマ。下右はタクシーのメーター

 

 乗って数分でホテルに到着、メーターは3FJDもいかず、私が支払いのお釣りを探すので苦労したドライバーに少し申し訳なくなった。

 今回泊まるのは「ペニンシュラ・インターナショナル・ホテル」。香港で有名なあのホテルとは無関係だが、ドミなら20FJDクラスから始まるこの国では一泊160FJD(約8000円)と明らかに中の上か上の下には区分されるホテルだ。期待感も高まる。

 チェックインを済ませ、部屋を聞くとホテルの中からではなく外から入るといわれる。『?』とはなったがこれも面白そうだ。一度エントランスを出て建物の1Fに並ぶ部屋の外のガラズ張りの扉のシリンダーに鍵を差し、部屋に入る。

ペニンシュラ・インターナショナル・ホテルと周辺。および1Fの部屋

 

 『・・・・』

 

 『へ、部屋は決して悪くないどころか上等だ、だが・・・』

 外からは見えないが中に入ってカーテンを開けると外が丸見えになる、そう、この部屋のガラス戸は俗にいう「マジックミラー」だったのだ!

 

 『なんかこんな所があったな・・・』

 

 所謂既視感、デジャヴという奴だ、こんなホテルに泊まった事は無い、だがどこかで見たことがある。私の中のこれまで得た莫大な知識の中からある物が蘇る。そうだ!これは

 

 『マジックミラー号だ!!』

 

 部屋としては確かに面白いが・・・そ、それにしても落ち着かない・・・。

 

 フィジーで8000円を払ってこの部屋に泊まってポルノスターでも気取るかどうか?すぐに決めることが出来ず、私は街に出ることにした。朝ナンディで摂ったのはごくごく軽い食事で、またATMでお金をおろす必要もあったからだ。

ホテルからスバの中心部へ歩いて。

 

 食事は明確な目的があった、日本出国以来初の海外マクドナルドだ。

スバ中心にあるスクナ公園とそのすぐそばにあるマクドナルド。値段はフィレオのセットとチキンで16.5FDJ(約825円)と日本とあまり変わらない。

 

 コーラのサイズが日本より大きいだけで久しぶりのマクドナルドはやはりマクドナルドだった。フィジーでは明らかに現地料理よりはワンランク上の値段になってしまうが、決して美味しいとは言えない、このいかにもジャンクといったフードの味が私が都会の人間である事、そしてここが文明のある国である事を思い出させる。

 腹がある程度満たされたところで一度ホテルに戻る事にする。実は今日はディワリ祭の影響か?振替で祝日になっていた為街は死んでいたからだ。途中祝日でもやっているショッピングモール内のスーパーに寄り、水などの必要品を買って歩いて帰ろうとすると観光案内所付近でタクシーを勧めてくれた初老の男性とまた出会う。先ほどのお礼を言うと「今度はバスに乗れば良いよ」とまたまた親切にバスストップまで案内してくれる。少し待って来たバスは70セント(35円)とこれまた良心的な値段でしかもホテルから歩いて1分もかからない所にバスストップがあるので便利だった。

 『さてと・・・』

 マジックミラー号をどうするか?一度部屋に戻るが面白さより落ち着かなさが優先だ、ここに3日と思うとくつろいで態勢を建て直す事が目的なスバでこのまま泊まり続けるにはどうもしっくりこない部屋だ。

 それに連れが誰かいるなら少しは盛り上がり様あるだろうが、1人マジックミラー号で1人ポルノなんてヴァカンス中のエレガント・ツーリストにはあまりにもイメージダウンな選択肢だし、それ以上に単なる変態だ。

 レセプションにいって『もし可能なら落ち着かないから部屋を替えれるか?』と聞くと「いいわよ」とあっさりと了承される。

 案内された次の部屋はスマッシュヒットともいえるあたり部屋だった。このホテルで最上階の4Fだがエレベーターもあるので苦労しないし、セーフティーボックスやテレビなど先ほど下の部屋にあったものに加えてアイロンとアイロン台まである。これまでの旅行でアイロン付きの部屋に泊まるのはパプアニューギニア以降2回目だから、今回の南太平洋周遊で今迄のサードミッション以前とはえらく違ってホテルのクオリティーの良さの記録更新中だ。

 移った次の部屋

 

 これで態勢が整ったので、また街に、今度は夕食を食べに出ることにした。先ほどのバスに乗ろうと少し待ったが、来なかったので歩いて出ることにした。

ホテル最寄りのバスストップと街まで歩いた景色

 

 

 またマクドナルドも芸が無い、さっき寄ったスーパーはショッピングモール内にあり、上にフードコートがあったのでそこに向かう。

ショッピングモール付近と中で食べた食事。下はショッピングモール脇の小川沿い。

 

 ガラスケースの中にメインフードが並んでいるので気になった二つを『ハーフ&ハーフって出来るの?』と聞くと「いいわよ!」と気持ちよく了承して貰えたのでビーフ&ラムにポテトが私の夕飯となる。骨付きだったので少し面倒ではあったの物の、9FJD(450円)にジュース2.25FJD(約113円)を足してもマクドナルドより安くて満腹になるので良い選択だった。

 祝日は18時でクローズらしく、食べ終わるころにはエスカレーターなど止めて閉館作業に入っていたショッピングモールを出て、バスを待ってホテルに戻る。寝るところと食事場所、そして街まで出る交通は押さえたので明日からはここで動くのには不自由は無い。

ホテルの夜、プール付。右は部屋の外から

 

 夜また花火が上がっている。今回の旅行の為に新調していたカメラーに花火モードにがあったことに遅まきながら気付き、部屋の外の喫煙場所で煙草を吸いながら打ち上がる花火を写真に収めながらのんびりと夜を過ごしていた。

部屋の外から撮った花火

 

 

 ここでの滞在は後2日だが、少なくとも退屈はしなくて済みそうだった・・・

 

 






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