2010.07.07(水)
その日は朝から気が気ではなかった・・・
いよいよ準決勝、相手はスペイン。一向に調子が上がってこないとはいえ世界最高級のタレントを揃える強豪が相手だ。
私は朝24時間勤務を終え、そしてその日は夜勤だったのでアジトには戻らず、勤務先のホテルの仮眠室で身を休めることにした。
夜勤の開始は午後18:00時、朝の10:00時までと結構長い、この中に仮眠時間が含まれるのでゲームの終わりに近くなる早朝仮眠(5:00-9:00の4時間)となって万が一の延長があっても勤務をせずに見れるなるようにお願いして万全の態勢を整えてたのだ。
2010.07.08(木)
そして日付変更線を越え、日本時間の3:30にキックオフ!
残念ながらこの時、このプロフェッショナルは巡回点検中で見る事は叶わなかったが・・・
前半が終わりに近づいた4:00、勤務の拠点である防災センターへと戻り・・・受付業務(館内に入退館する人の手続きをしたりホテル内の施設を利用する社員や業者に鍵の貸出をしたりするのが主な業務です。)をする傍ら・・・
ネットライブで観戦する傍らようやくこの”重要な戦い”を観戦する事が出来たのだ。
そしてその後目にしてきたものは・・・
ボールポゼッションを優位に保ちつつ試合を自分達のペースで進めるスペイン代表と・・・
守備に忙殺され、得意のカウンターの冴えを欠くドイツ代表の姿だった・・・
見始めてからの試合の大半はスペインペースで・・・
そして仮眠時間に入り、業務を完全に無視して観戦に没頭出来る様になって10数分後・・・
スペイン代表のディフェンダー、カルロス・プジョルがヘッドでゴール・・・・
これでドイツが激しく攻勢に転じて試合が動くと思ったが・・・
この日のドイツはそのまま調子が一向に上がらず・・・
ロスタイムを1:0でゲームセットに・・・・・
ドイツ代表のワールドカップはここに終わりを告げたのだった・・・
勝負にたらればは禁物だ。
ワールドカップ直前にドイツの大黒柱でワールド・クラスのプレーヤーであるバラックや正ゴールキーパーのアトラー、レギュラー・ディフェンダーのヴェスターマンが負傷欠場しなけらば、とか、これまで好調で縦への推進力を持つ期待の若武者トーマス・ミュラーが累積警告で欠場しなければ・・・と、考えなくもないがスペイン代表にしたってフェルナンド・トーレスやセスクが本調子ならと言い返せるに決まっている・・・
試合に負けて涙に濡れ、ふて寝した挙句に仮眠後の勤務をテキトーに流して申し送りを2,3件忘れたまま帰宅してしまったこのプロフェッショナルではあるが・・・
この辺りの運・不運も含めて・・・
それが勝負であり、ワールドカップという世界最大の祭典での闘いなのだろう・・・
そう、この日のスペインは・・・
残念ながら私の応援するドイツよりも上だった。と、認めざるを得ないだろう・・・
だが、ドイツにも光明はある!
今大会の主力であるラーム、ポドルスキー、シュバインシュタイガー、メルテザッカーらはまだ20代中盤、そしてゴールキーパーのノイアーにしても24歳、負傷欠場のアトラーも25歳、少なくとも10年はドイツのゴールキーパーは安泰だ。また一年前まで全く耳にかすりもしなかったエジル、ミュラー、クロース、ケディラ等の期待の新人達。
30歳を越えたレギュラーはクローゼのみ、チームはまだ若い、これから経験を積めばこの先10年は毎回優勝候補に挙がる強豪チームにはなるだろう。
試合が終って数時間たった今、感情の整理はまだつききっていないが・・・
今回は潔く試合の勝者であるスペインを称え、決勝戦でいいゲームを見せてくれる事を期待しよう・・・
そしてドイツ代表の次のターゲットはユーロ2012(欧州選手権)、そして2014年のワールドカップだ!
今度こそ・・・
ドイツの優勝を期待する・・・
また、このプロフェッショナル・・・
好都合なことに現在はホテル勤務・・・
日本に来て当ホテルに宿泊するスペイン人には・・・
温かく今回のドイツ戦での勝利と決勝進出を素直に「おめでとー!」祝福し、祭りと称して”片っ端から血祭り”にでもあげる事にしようではないか・・・
特にサッカー選手を・・・