ベラルーシ

ベラルーシ全図および経路図
 

2006.10.10(火)


 世に 星の数ほどテーマパークあれど恐らく一般人の知識ではあの有名な「ディズニー・ランド」が最高峰として認識されているのではないだろうか?

 ただ旅行界に於いてテーマパークを論ずるとすればやや趣が異なってくる。

 ディズニーランドの様に敷地が限られ、街の空間と隔離され謂わば「遊ばせてやろう、楽しませてやろう」と「お仕着せ」にも近い 恣意的な場所とは違い「街そのものがテーマパーク」と呼ばれる場所があるのだ。

 私がこれから向かう都市ミンスク、ベラルーシの首都がそんな場所だった。

ヴィリニュスのバス停



 旅行者にとって数少ない「Things,you never  miss!(逃してはいけない場所)」と言われるこの場所は珍しくビザが必要(当時ヨーロッパではロシア、ベラルーシ、モルドヴァの3ヶ国のみ、モルドヴァは現在ビザ無しに変わった)な事もあり、ヴィリニュスであった2人の日本人旅行者に

 『ディズニーランドを超える場所ですよ!』、『ここを見なければ東欧に来たとは言えませんよ!』

 と、熱心に誘ってみたが「Things,you never  miss!」と言われるこの場所を一緒に訪れては貰えず、空振りして相変わらずの単独行動となったのはやや計算外ではあったがこれからミンスクを訪れるという高揚感が道連れが居ないという失望をかき消していた・・・

ミンスクまでの道中とミンスク近郊



 ヴィリニスからバスに乗って約4時間、ミンスクに到着する。さあ”テーマパークの始まりだ。


ミンスクの鉄道駅





 ここでこのミンスクが”テーマパーク”と呼ばれる訳でも少し話しておこう。

 この街の歴史書への登場は11世紀に遡る、この程度の歴史なら珍しくも無いがミンスクはワルシャワとモスクワを結ぶ線上にあった為に第2次大戦において人口の半分以上を失い街の面影が全くなくなっていた所、戦後ソビエト時代に完全な計画に基づく復興が行われ広い通りにソ連式のビルが立ち並ぶ整然とした街並が続くようになっている。

 そう、 歴史のあるモスクワやサンクト・ペテルブルグでは見られないソビエト式の街並がもっとも色濃く残っている大都市がまさにここミンスクであり、その事を揶揄されて「ソビエトのテーマパーク」との 異名高き場所になっているのだ!

 これで私が訪れた理由がはっきりとしたことだろう。

 私が駅から少し歩いた、これもまたソビエト的な名前を持つ「スプートニク」に部屋を取り、市内に出た。

ミンスクの街並、左上は聖シモン・聖エレーナ教会



 安宿の無いベラルーシで約30ユーロ(4500円)のホテルは痛手ではあったが「ディズニーランドに行った」と考えれば安い物だ。そしてここはディズニーランドを遥かに超える場所だった。

ミンスク市内、同じビルが並んでいる。日本の公団住宅みたい。


そしてアパート、妙に横に長い



 この街を一言で例えるなら”無機質”という言葉が良く似合うだろう。

 歴史ある街なのにそれを全く感じさせないつくりをしているのだ。

スィビスラチ川



 それは旧市街にも見て取れる。この街の旧市街は戦後に旧市街として建てられた為に歴史的な趣は無く、ただ綺麗といった程度にとどまる。
 ようるすに「新しい旧市街」と言う二律背反性を何の苦も無く同在させているのだ!こんな場所は極めて稀であるといえよう。

トラエツカヤ旧市街、写真上、右の広場がまるで新築のアパートに囲まれているよう。中央右は聖霊大聖堂



 旧市街を眺めた後は「大祖国戦争史国立博物館」へ訪れる事にした。
 街の中心である10月広場に面して立つこの博物館は4人に1人が犠牲者になったといわれる第二次世界大戦の歴史を伝えるミンスク最大の場所なのだ。

大祖国戦争史国立博物館



 印象的な展示物が多いこの博物館に満足してさらに街を眺めに行く。

写真上の右は確かサーカスの劇場だったような・・・



 私が次に目指したのは勝利広場だ。
 第二次大戦のソ連勝利を記念して高さ40mのオベリスクが建てられたこの広場の周囲にはネオクラッシック様式の建物で囲まれて社会主義的な冷たさを感じるソビエト的な場所だった。

勝利広場、2枚目は地下にある”ガラスの輪”、戦死者の死を偲ぶエターナルフレイム(永遠の炎)が灯っている



 勝利広場を眺めてから今度はまた経路を戻って行く。

ネザレ-ジナスツィ大通り、2枚目は10月広場


ミンスク駅付近の大通り




 歩いていて立派な建物は多い物の歴史を感じさせないどこか無機質な街並、私がミンスクに来たのはそのソビエティックな無機質さを感じる為に違いなかった。そしてそれこそがこの街をして「ソビエトのテーマパーク」ならしめているのだ。


ネザレージナスツィ広場付近



 人がそれほど多い訳では無く、またさらに整備された大通りの所為か?想像以上に人が少なく感じるミンスクも到着してから今までで大体メインの場所はカヴァー出来ていた。

 後は夕陽をどのタイミングで見るかだった。

ネザレージナスツィ広場付近



 私は動きまわるのを止め、そのままネザレージナスツィ広場付近に留まって日が墜ちるのを待つ事にした。

ネザレージナスツィ広場付近に沈む夕日



 ソビエティックなビル群の隙間から沈む夕日、私にはミンスクで見るには一番相応しい様に感じさせられた。

駅周辺


駅の夜景、結構煌びやか。



 私は食事を摂って駅の夜景を眺めてから宿に戻る。ソビエトのテーマパークと呼ばれるこの都市が満喫できたと感じられる充実した一日だった。


 ミンスク、ベラルーシの首都。私はプロフェッショナルとしてこう断言しよう。

 ここ”ミンスクはディズニーランド以上のテーマパークである”

 と・・・



 『・・・』


 『・・・・・・』


 ちなみにこのプロフェッショナル、生まれてから一度もディズニーランドへ訪れた事が無いので上記比較が根拠のない物である事も併せて伝えておこう。

 うーむ、誰か私をディズニーランドへ連れてって下さい・・・

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