Category: 激闘の記録!

あらすじ:

舞台国 ジブチ  エチオピア


エチオピアを脱出してエリトリアへいく為に「暑い、高い、何も無い」と3拍子そろっている国「ジブチ」に入国を果たした「デューク東城」、彼を待っていたものは… 「想像を超える獣(けだもの)達であった…」


果たして無事にジブチでの任務を遂行する事は出来るのか?

どうする!ゴルコサーティーワン!!


舞台マップ




第1章:エチオピア脱出編(2005年1月16日)


エチオピア


それにしてもアディスにはちょっと長居しすぎた。最初に3日間動きが取れずよやく動けるようになってから4日間、さらに列車の出発曜日も決まっていたので合計8日間もいた事になる。もうこんなところに用はない、と言いたい所だがジブチに入国した所で又ここに戻って今度はケニアに向かわなくてはいけない、まあそんなこんながあって「重くなった腰」を持ち上げて出国を決めた。

取りあえずは「東に向かう」。下調べはプロフェッショナルとして完璧だ。鉄道の出発は朝の0930、これでディレダワというエチオピア東部の街に行き、そこから鉄道、もしくはバスと腹案は決めてある。これだけ事前に考えていれば「万が一」にも抜かり様は無い。

朝、ホテルを0830にチェックアウトして鉄道駅に向かう、歩いて10分位の所だ、独立を守り通した国エチオピアなどと言った所で「所詮はアフリカ」、1時間前ぐらいに鉄道駅に行ってそれから実際の出発には2−3時間ぐらい待つのが「セオリー」だろう・・・。

駅にはすぐ到着、鉄道はまだ来ていない、まあ予測の範囲内だ。じっくりここは「待ち」の態勢にでも入ろうか・・・

横に立っていた警察官がこの「プロフェッショナル」に話しかけてくる・・・

「あんた、列車を待っているのかい?」

(そりゃそうだろう、それ以外にこんなところに何の用事があるというんだ?)

「ずいぶん早くから待ってるけどここで待ってたら駄目だぜ!」

(おいおいそりゃねえだろう。列車が勝手に来てないだけで出発は0930の筈だ。いくら遅れてるっからってここで待つしかないだろうよ。)と思い、

『おーい、あんたら!列車は0930に出発予定だぜ!到着がまだだからってここで待っちゃ駄目とは随分と無理を行ってくるもんだな!』


と、言い放つ、

どうだ

「ギャフン」

とでも言いやがれ

「おっ、そりゃああんた”エチオピアタイム”だぜ!!”インターナショナル”なら1530が出発だぞ!これから列車が来るし、出発はまだ6時間以上も後だからお前さんはどっかで休んでな!」

『・・・』

『・・・・・・!』


『ギャフン!!!』




この「プロフェッショナルデューク東城」としたことが.・・・、こいつは予想外だった。まさか・・・まさか聞いていた時間が『エチオピア時間(エチオピアは独自の暦と時間を採用していてバスや鉄道はこの時間で運用されている。大雑把に言って我々が日常使う時間と6時間ずれが生じる)』だったとは・・・!

『エチオピア侮りがたし・・・』

せめて1度くらいはどっかに征服されていれば・・・、無念!


※写真は私を見事にだましたアディスアベバの中央駅



これでドッと疲れてしまった…、今から6時間も駅で待つ気はしない、宿泊していたホテルに戻って1300ぐらいまで休ませてくれといったらしっかり「半日分の料金」として「1泊分の8割ぐらい」を請求された…、やはり

「エチオピア侮りがたし…」

それまで9泊もしていたのに….、

いまからでも植民地になって遅くは無いぞ!!!くそったれめ…!





第2章:エチオピア脱出編「アゲイン」(2005年1月16日)



今度こそは「東に向かう」。下調べはプロフェッショナルとして完璧だ。鉄道の出発は『インターナショナルタイム』で1530、これでディレダワというエチオピア東部の街に行き、そこから鉄道、もしくはバスと腹案は決めてある。これだけ事前に考えていれば「万が一」にも抜かり様は無い。

さっきは微妙に抜かった様な気もしないではないが・・・??


昼過ぎ、ホテルを1430にチェックアウトして鉄道駅に向かう、歩いて10分位の所だ。独立を守り通した国エチオピアなどと言った所で「所詮はアフリカ」、1時間前ぐらいに鉄道駅に行ってそれから実際の出発には2−3時間ぐらい待つのが「セオリー」だろう・・・。

駅にすぐ到着、鉄道はもう来ている、そう言えば朝、到着するところまでは見ていたような気がする。

横に立っていた警察官がこの「プロフェッショナル」に話しかけてくる…

「おっ!又来たな、今度は出発するぜ、切符はまだだから待っててな!」

(そりゃそうだろう、列車はもう来ている。とっとと切符を買わせてくれ!)

「しかしあんたは”ドジ”な男だな、乗り遅れないようにしろよ!」

(おいおいそりゃねえだろう。こっちはアムハラ語(エチオピアの公用語)何か喋れるわけねえし一目見て観光客ってわかっているのに『腐れエオピアンタイム』で俺に教えた奴にこそ『親切心のかけらもない糞野郎』だろうよ!人を『ドジ』扱いしやがって…)

とは当然思ったがここはチケットを手にしないことには出発ができん、適当に相手をしてチケット売り場のすぐ近くで待機して発売と同時に購入!勿論「1等」である。

この「プロフェッショナル・デューク東城」、仮にもツーリスト界で『プロ』を名乗っているからには、「移動は優雅に1等」なのである・・・、まあ値段も200円ぐらいしか変わらなかったし・・・、まあいいでしょう!このくらいの贅沢は。2等に乗ってもしきつかったら1等に乗っていればと後悔するし、1等できついのなら「何をやっても駄目!」と諦めがつくだろう・・・

どうだ!これが・・・これこそが

「『プロ』の思考である・・・」


列車は意外なことに1時間も遅れず1630前には出発、又吃驚する事に途中で故障したり、不可解に長時間停車することもなくディレダワまで順調に走る。


※写真はアディスアベバで撮影したエチオピアの鉄道!中々良いルックス!!



この「デューク東城」の予測では

(途中で故障して2−3時間程度はロス、不可解に合計3時間ぐらいは駅で停車するので合わせて6時間は予定時刻よりは遅れるだろう)

と考えていたのだが、ディレダワに到着して時計を見ると朝の0400、順調すぎるが却って迷惑だ!朝1000頃に到着という予想通りならホテルを見つけるのも簡単だし何よりも「暗闇で見知らぬ街に到着する」という危険を冒す必要が無い。

仕方なく駅前の広場で大の字になって寝る・・・現地人もやっているから大丈夫だろう・・・

しかし、これからどうしようか?鉄道のジブチ行きは無いと言われたし・・・




第3章:エチオピア脱出編 其の2 (2005年1月17日)


うーんやっぱり大の字になって疲れているところで寝れやしない、そもそもこのデューク・東城、”チキンNo.1”といわれるほどの『豪の臆病者』である…

『よし!決めた!!このままジブチ行きのバスを探して乗ろう!!』

と決意して準備に取り掛かる。

まあ出発を決めた理由は(せっかくだからこのままの流れで)という他にも

『今日は月曜日、このまま入国すれば火曜日からエリトリアのビザ取りや、シングル(1回入国可能)しか取得できなかったジブチの再入国の許可を取ることも可能だろう・・・』

という“奥の深い”考えもあった・・・

アフリカを舐めてはいけない、エチオピアでも経験したばかりだ、日本なら半日で終わることもここでは朝早く動いても丸一日、場合によっては一週間かかるとみなければいけないだろう。

今の計画ではやる事は4つ、

1.ジブチの再入国の許可を取得
2.エリトリアのビザの取得
3.ジブチ−エリトリアの往復航空券の購入
4.ソマリランド入国の可能性の調査

が挙げられている。

今日の夜到着して明日の朝一番から動く、ジブチがムスリム国家(イスラム教の国)という事も忘れてはいけない要素の一つだ。木曜日は良くて半ドン、金曜日は完全休業だろう。そうすると火、水、木の3日間、こいつがこの私に与えられた勝負の時間でこの3日間に全てをかけて上記の4項目をこなさないといけないのだろう.、「ここはアフリカ」ということを考えると十分に余裕がある時間設定とは言えないのかも知れないが、まあ「採り得る限りの最良の方針」であることは間違いない!

流石に「プロフェッショナル」である、まさに「完璧」な計画!「水をも漏らさぬ構え!」とはこういった思考過程の事をさして言うのである・・・


少々前置きが長くなったが朝の0530、準備が終わり出発しようとすると昨夜何かれなく私を気にかけてくれた少年が

「どこにいくの?」

と聞いてきたので

『ジブチにいくのさ』

と答えて立ち去ろうとする。少年は親切にも私の手助けをしてくれて最初はタクシーを捕まえて値段を聞いてくれた。

「10ブル(120円ぐらい)」

と言われ反射的に

『ぼってやがる、それなら歩く』

と言ってしまった。

彼はそんな私に愛想を尽かすわけでも無く丁寧に案内してくれてバス乗り場まで連れて行ってくれた。

彼は親切だったが、私がタクシーを断った時に私に悲しそうな顔で

「お金が無いの???」

と言ったことが忘れられない。

まさか「アフリカ最貧国」と言われるエチオピアで世界でも有数の「高所得国家」のパスポートを所持しているこの「プロフェッショナル」に年端も行かないような「子供金が無い」と思われてしまい同情をされてしまうとは・・・

『ごめんよ〜!金が無いわけじゃないんだよ〜!!ただ“セコイ”だけなんだよ〜」

と心の中で懺悔した。

本当に親切だったその少年はバス停まで案内して、「金を持ってない(セコイ)旅行者」のこの私に同情してを『激励』までしてくれてから別れる事となった…

エチオピアにも『人間』はしっかりと存在していた…、

うーむ、待てよ…、今回はこっちのほうが『外道』かも知れん…

まあ、いいかっ!そんな事どうでも・・・



第4章 ジブチ入国編 (2005年1月17)

ディレダワのバス停に到着したらちょうど出発するところ!値段は2通りあって不可解にも1社はもう一社の半額くらい、見た所バスには差がない。ここは当然「安い方のチケット」を購入して飛び乗る。

バスは日本で言うところの「スクールバス」タイプの中型でちょっと狭苦しいが順調に進む、

国境に到着!いよいよジブチのお出ましだ!荷物検査のためにバスから荷物を降ろしてイミグレーションやカスタムによっているとバスが来た方向に戻っていく。

『・・・???』

『おーいちょっと待ちやがれ!!こっちは金払ってんだぞ!!』

と怒鳴るがもうバスはいない。不可解な私に同乗していた客が

「おいあんた!あれは国境までだぜ!チケット安かったろう!!」

と、教えてくれる。

『そんな事は最初に言ってくれよ・・・!!』

やっぱりエチオピアン!碌な者じゃありゃしねえ…せめて俺がジブチから帰ってくるときまでに

どっかに占領されてくれていれば・・・


ここがそのボーダー



ジブチ


まあそんなこんなで入国を果たす、同乗客が私を案内してくれて一緒のジブチシティ−行のバスに乗る。

両替は市内に到着してからと考えていたのでバス代分だけ両替、しかしレートは
「70ブル→1000ジブチフラン」

このレートが正しいのか良くは分からないが現地人もこのレートで両替しているから間違いないのだろう。エチオピアでのレートから計算すると1ドルが110ジブチフランちょっとの計算になる。(注、エチオピアで1US$→8.9ブルちょっとだった)


バスは2時間ぐらい国境で待ってから出発、ジブチシティ−には1630に到着した。市の中心から少し離れていたのでミニバスに乗っけてもらい唯一知っている「メネリック広場」を目指していく。ここには私設両替商があって金が替えられるはずだろう..




第5章:ジブチシティーファーストナイト(2005年1月17日)

夕方の1700前には何とかメネリック広場に到着。ラッキーなことに観光案内所もそこにあってすぐに地図を貰い、エリトリアとソマリランド大使館の位置を聞く、エリトリアはあるらしいが、ソマリランドの大使館は無いらしい…、古い情報では観光案内所のすぐ傍にあったのに撤退しているようだ…、まあ、まだ良いだろう。今日はもう店じまいだから明日の朝来てゆっくり聞こう。こちらも移動が終わったばかりでホテルも金もまだだ。まずはお金だ!その足で近くの両替商に入るとトラベラーズチェックが両替できる…

ジブチも中々やるじゃない!

ただレートは1?=175ジブチフラン! 国境では1?=110ジブチフランだったのに...!!

『国境の奴等はどうやらボリ過ぎていたようだ・・・』

さっきの国境でのレート、この私だけでなく他の現地人もボラれていた・・・足元見た嫌な商売しやがる。


まあ金も入ったのでマーケットの中のホテルへ行く。

ホテルに行く途中に早速親切そうな現地人がお助けに現れ、フレンドリーな雰囲気を出しつつ私に案内を始める

ホテルに行くまで通常5分で済むところをこいつのせいで迷いながら30分ぐらいかかってしまった挙句に予測はしていたことだが当たり前のように「案内金」を請求してくる。当然ながら払うわけなどないが・・・それにしても・・・

『エチオピアもそんなにいい国とは思わなかったが・・・ここはもうちょっと性質(タチ)が悪そうだ・・・』

ホテルには何とか到着、無駄な回り道になったので疲れてしまった。さらに酷い事には、決して清潔とは言えないしエアコンこそあるものの共同シャワートイレのくせに5000ジブチフラン(以下フランと略称する:約30?)もしやがる。

これよりレベルを下げたらどんなホテルになるか分かったもんじゃない。ジブチの売りである
「暑い、高い、何も無い」
の内の一つ
「高い」
に関しては早速納得させられてしまう。

何日いなきゃいけないのか分からないが、まあ明日ゆっくり調べよう。

それにしてもお腹が空いている。ホテルの近くにスパゲッティ−の屋台があるので値段を聞くと200フラン、こいつなら安い、早速注文して食べてみる…


『マ、マズイ・・・!!』


どうやらこのプロフェッショナルの好みには合わないようだ・・・



しかし初日からこれでは先が思いやられる。


明日から金曜までは4日、勝負を早めに賭けてかないと・・・!

 

 

第6章:ジブチシティ− 第1編

一夜明けた翌日、今日からが勝負だとばかりに朝0900頃から動き始める、観光案内所に行って地図と併せて再度各国の大使館、それにエリトリアとジブチの往復を考えていたので「再入国の許可」を得る場所を確認する。 

まあ何となく場所のほうは分かったがここで意外な事実が発覚する。 
観光案内所にいるおばさん筋からの情報では 

「明日から土曜日までの4日間、犠牲祭の為に国中お休みなのよ・・・」 

ということである。 

この『プロフェッショナル』である私の計算では今日は火曜日、休みになる金曜日まで数えて通常は3日間は執行猶予期間があった筈だが・・・

『コイツはヤバイ・・・』 

この私の完璧な計算も 

『どうやらこの犠牲祭という祝日までは全く計算にいれてなかったらしい・・・』 


こうなったら悠長に構えている場合等ではない、何せ今日中に『再入国の許可』、『エリトリアのビザ』、『エリトリアへの航空券』と一気にカタをつけてかないと大変なことになる… 、明日からはお休みだ!!

メネリック広場前のタクシーを捕まえ早速ナショナルポリスと伝えると、何か変な男まで乗ってくる。 


ジブチシティー最大のメネリック広場、実際はこの写真に写っている”約4倍”の広大な敷地を持つ...右はその裏にある広場





「ナショナルポリスだろ、俺も行くぜ!」 

等と急ぐこちらの事情も考えもせずに「タダ乗り」なんて事をしやがる… 

普通は断るが今回は時間が勝負だ、どうでもいいからとっとと出発しろと伝えて車を出すと5分とかからずに到着、 

早速手続きの場所に向かおうとすると「タダ乗り男」は私の前を案内するようにして進んでいく。 

『ちっ、コイツハガイドダ・・・』 

人の承諾も得ずに勝手に車に乗り込んだ挙句に色々と世話を焼き、法外な料金を請求してくる輩だ、 

受付の前まで行ったが、そこでこの「タダ乗り野郎」に「お前はいいからどっかいけ」と追っ払うのに10分ぐらいかかってしまう。

『無駄な時間だった・・・』 

しかし接触するジブチ人ジブチ人に碌な手合いがいない・・・ 

追っ払えたのでちょっと人心地ついてほっとし、窓口に忙しそうに動き回ってる制服の男に話しかける、 

『再入国の許可を取りたいのだが・・・』(英語で) 

そうするとなにやら私に聞き返してくる、フランス語なので良く分からないが 

「フランス語はできるのか?」 

という事らしい、 

自慢ではないが私には「取って置きのフランス語のフレーズ」がある。こいつさえ言えば相手は私を完璧に理解し、こちらの状況を理解した上で交渉出来るようになるという「魔法のようなフレーズ」だ、

さあとくと聞きやがれ・・・ 

『ジュ・ネ・コンプラン・パ・フランセ』

どうだ・・・! 

日本語訳すると「私はフランス語が話せません」になる。文法は完璧だし発音もそれっぽい、お前が今相手にしようとしている男がどういう男かこれで理解できただろう・・・、さあ、どうする?小役人殿・・・ 

すると奴は大きな身振りで私にジェスチャーで示してくる、それによると、

『なになに???』

『えっ???』 

「フランス語が喋れないならどっか行ってな!相手になんかしてられないんだぜ!!」 

という事らしい… 

『ガーン!!』

『おい、ココハナンテトコナンダ・・・、仮にも国家の移民局で・・・、外国人に対して・・・、コレハナイダロウヨ・・・』 

さっきの「タダ乗り野郎」のことがふと頭によぎる、「アイツハエイゴガシャベレテタ・・・」、こうなるのなら「ボラレてでも奴を使うべきだったのだろうか・・・?」 

それでもめげずに2度3度話しかけようとするも忙しそうに動き回るだけで相手にはしてもらえない…思案に暮れていると10時に到着してたのにもうそろそろ11時になろうとしている。ベンチで一休みしていると若い男が話しかけてきて私の状況を説明すると「俺が聞いてみるよ!」といってくる。さっきの「タダ乗り野郎」と違って無償でやってくれるらしい、これで少しは光明が見えてきた・・・ 

彼が聞いて私のところに戻ってくる。それによると 

「今日は12時で終わりで受け付けて欲しいなら月曜日に来てくれ、どうしても書類を今日出したければ賄賂を払えば受理はしてやる。まあそっちにパスポートを戻すのは月曜日だけどな…」 

と言う内容だ。今日中に全部やってくれるのなら金額によっては「賄賂」ぐらいは出してもいいが・・・、これでは何をやっても「ダメ」でしかない・・・

しかも官公庁は公式には14時半までは開いてる筈だが1200時なのに今日はもう終わり・・・ 

「悔しいが他にもやるべき事があり、もう午前中は終わってしまう」 

再入国の許可、どうやら他の国でもう一回ビザを取得したほうがいいだろう・・・ 

それにしても・・・ 

『ここは気に入らない・・・!』 


第7章 ジブチシティー 第2編

エリトリア大使館は1230時までオープンしていたので何とか間に合い、祝日前つまり今日中に取得しなければいけなかったので即時発行の高い料金を払ってビザを手に入れる。一息ついてそのあたりをちょっと歩くと日本国旗がはためいている、大使館は無い筈なのになんだろうかと思っていると玄関の文字が目に入ってくる。

『JICA(ジャイカ)か・・・』 

正式名称は知らないが、まあ日本の海外支援団体の一つだ・・・、まあ海外協力団体などに興味を持つ私ではないが、これも何かの縁、在住者ならではのジブチの情報も手に入るかもしれないしついでに寄るのは悪くない考えだ・・・

早速門をたたき、面会を申しでる。 

私の応対をした男は責任者であるようで「ムッシュウ・イワイ(仮名)」と呼ばれていた…、ジブチとソマリランドの情報でもと思い早速聞き込みに入る。 

「ムッシュウ・イワイ」 

は、まずソマリランドについて、残念ながらここで得られる情報は無い、と教えてくれた後で、ジブチについての情報を私に色々と伝え始める… 

一つ、「いや〜、こんな国始めてですよ〜!、役所は0830−1430と公式にはなってるんですが実際に働いてるのは0930−1100だけで役人はみんな帰ってしまうんですよ!、役人相手に仕事ができるのはこの一時間半だけ!ひどいところですよ!!」 

一つ、「いや〜、役人の給料は役職で決まってまして〜、そういった訳で働いても働かなくてももらえる給料は一緒なんですよ!だからぜんぜん仕事をしないんですよ!」 

一つ、「いや〜、ここはフランスの植民地だったでしょう!、以外にソルボンヌなんて高学歴の者がいるんですが・・・、政府関係の職につくと学歴でもう一生が決まってるもんだから仕事なんてしやしないし出来もしない、その癖学歴を鼻にかけてこちらを見下してくるような奴が多いんですよ!」 

一つ、「いや〜、私は他のアフリカの国にも勤務していたことがあるんですが…、これほど伝統の無い国はありませんね。マーケットにお土産物があるでしょう、あれはこの国で生産したものじゃなくて[輸入したものをこの国の特産品]として販売しているんですよ〜、こんなでたらめな国はないですよ〜」 

一つ、「いや〜、午後になったらみんな[ガット(麻薬効果のあるはっぱ)を噛んでラリっている]いるでしょう・・・いい大人が・・・、働いている人の方が少ないですよ!、お金についてはアメリカやフランスの援助も入ってるから・・・、たかって甘える事しか覚えようとしないんですよ〜」 


『うーむ・・・』 

色々と情報を教えてもらったが・・・ 

どちらかと言えば 

「情報と言うよりは愚痴」 

ではないのだろうか・・・?? 

旅行に役立つ情報は無かったような気がするが・・・


まあ分かった事は 

「ジブチが碌でもない国」 

というのがハッキリとしたことぐらいであろうか… 

しかしこんなとこ、早く脱出せねば… 

ジャイカの事務所から歩いて市内に戻る途中に見た景色




よし!チケットを買いに行こう!! 

と、旅行代理店を数件回る、船については月曜日に出航したばかりだからどうせ待たなきゃいけなくなるしそんな気もない…、とっとと脱出するのがここは得策だ。 

チケットは問題なく購入、一つ問題があるとしたら、出発は金曜日でしかも深夜のフライトしか無い、と言うことだろう。これで自動的に今日も含めると4日待ちが決定だ。

何はともあれ、これで態勢は整った・・・ 



第8章 ジブチシティー 第3編 

後は時を待つだけである。 

しかし・・・それにしても 

『暑い・・・』 

いや、ここまでくると 

『熱い!』 

が正解であろうか?とにかく昼時は何にもやる気がしない・・・ 冬場であるこの時期にもかかわらず、冷水シャワーは勝手にホットに変わってしまうほどだ。聞いた話では夏にシャワーを浴びると火傷してしまうらしい。

しかも参った事に朝は5時ぐらいから 

「アラーフ・アクバル」 

の大音響、国では一番大きい物のどうみてもしょぼいとしか言いようが無いモスクが近くにある関係上、こいつが毎朝スピーカーを通じて流れてくる。 

『きっと新しい嫌がらせに違いない・・・』 

おかげで毎日5時に1度起きてから2度寝・・・、非効率なことこの上ない。 

観光しようにもそもそも何かあるのか?この国は?? 

無理して一度日中に大統領邸や港を観光したが熱さにやられて夢遊病者のようにふらふらになってしまった・・・。


観光した大統領邸に港


この他にも市内を消化試合のようにして無理やり見所を作って見て回ったので、当然ながら大した見物を見たわけでも無く、すぐに市内散策もすっかり飽きてしまった。 

他に見た適当な観光地。観光地と言っていいのか?


また午後になると毎日のように葉っぱを噛んでラリッているジブチ人・・・、それも一人や二人じゃなく道端にズラーと並んでいる。働く気配すら無い。 

「こいつらは動物か・・・?、獣と変わりやしない・・・」 

ホテル代、食事代、そしてやることの無さ・・・、働かないジブチ人・・・。全てがこの私を痛めつけるのに十分である・・・、3日目は1日の殆どがホテル内でダウンといった運びとなってしまった。


※写真はマーケットエリア付近、首都なのに”ゴミ捨て場”の様だ...



そして木曜日の夜…、出発(といっても金曜日の深夜で実質は土曜日の早々朝)前夜・・・、いよいよ『犠牲祭』がやってきた・・・ 


第9章 犠牲祭の夜 

それまで滞在した4日間・たっぷりと身も心も痛めつけられているようだった。


今日は『犠牲祭』 

何でも生きた羊を殺して神に生贄として捧げるらしい。

普通の観光客なら「変わった出し物が見れる」と喜ぶところなのかもしれないが、犠牲祭は深夜に行うものらしく、出発前ぐらいはしっかりと寝ておきたいのでこんな祭りなど私にはもう関係ない、さっさと休んで次の日になり、そして一刻も早くこの国を脱出したい気持ちでいいっぱいだった。 

当日の昼はのどかに時が過ぎ、そして夜・・・

みなが寝静まる時間の筈の深夜の0100頃・・・

ベッドに入り、明日のことを考えつつ、まったりとまどろみの中に落ちつつある私に大音響が聞こえてくる。 


「バタバタバタ・・・、ヒョウヒョウヒョウ・・・!!!」 

「ドカドカドカ・・・、イヒャッホウ−!ヒャウアー・・・!!」 

「バタバタバタ・・・、ヒョウヒョウヒョウ・・・!!!」 

「ドカドカドカ・・・、イヒャッホウ−!ヒャウアー・・・!!」 


???こいつらは獣か?まともな人の声など聞こえやしない。しかも一向に止む気配が無い。 


「バタバタバタ・・・、ヒョウヒョウヒョウ・・・!!!」 

「ドカドカドカ・・・、イヒャッホウ−!ヒャウアー・・・!!」 

「バタバタバタ・・・、ヒョウヒョウヒョウ・・・!!!」 

「ドカドカドカ・・・、イヒャッホウ−!ヒャウアー・・・!!」 




『うーむ・・・』 

『どうやら今日は寝るのは無理なようだ・・・』 



しかしそれにしてもいったい何時まで騒ぎ続けるのだろうか?? 

人の嬌声と、バタバタと動き回る物音のせいでまったくくつろげやしない… 


「バタバタバタ・・・、ヒョウヒョウヒョウ・・・!!!」 

「ドカドカドカ・・・、イヒャッホウ−!ヒャウアー・・・!!」 

「バタバタバタ・・・、ヒョウヒョウヒョウ・・・!!!」 

「ドカドカドカ・・・、イヒャッホウ−!ヒャウアー・・・!!」 


いっいかん・・・殺意を覚えてきた・・・ 

しかし「祭り」なのは分かるが・・・こいつらは・・・、そもそも毎日バカンスだろうが!ガットばかり午後噛んでラリッてやがるくせにそれだけじゃ足りんのか・・・



結局朝の6時ごろまで嬌声が止む事は無く、眠りに落ちたのは朝の7時過ぎとなってしまった、まったくツイてない。 

ここがその時泊まっていたホテル・ド・ジブチ。ジブチの中では明らかに中級以上のランクだが犠牲祭はそんなことお構い無しだった・・・




第10章 ジブチ出国 

今朝は『犠牲祭』とやらのせいで散々な目にあった。 

ホテルは半日分の宿泊として1800までの料金を支払っていたので、その後タクシーに乗って空港へと向かう。 

空港に着いたのは1900頃、さらにそれから6時間ぐらい待ってようやく夜中の0100、飛行機に搭乗する。 

夜のジブチの国際空港。本当に小さい


ここでエリトリア行きに乗った乗客は僅かに3人…、少なすぎて忘れることができない。もっとも飛行機はナイロビ発、ジブチ経由、エリトリア行きなので乗客も全体で見れば少しはいるのだが…それでも20人といなかったことははっきりとしている。 


座席について、去り行くジブチの夜景を見ながらこれからの行動に思いをはせる、なによりも、ここに戻ってこなければいけない・・・この獣達の国へまた・・・ 

ふと溜息をついて言葉を漏らす・・・

『今回の犠牲祭、生贄は間違いなくこの“デューク東城”であった・・・』 

と・・・

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