Category: 激闘の記録!

あらすじ

舞台国 日本


10年に渡る間”組織”に勤めていたためにこの「東城史上かつてない金額」を手にし、それを元手に長期旅行の計画を立ち上げる。名づけて≪ビッグサイフ作戦≫。何故か出国前に不可解な1ヵ月半という長期の準備期間を設けて緻密(稚拙?)な計画を練り上げる[プロフェッショナル、デューク東城]、しかしその[デューク東城]に予想だにしなかったしょぼいトラブルの数々が襲い掛かる。  

果たして無事に日本を脱出することは出来るのか?

どうする!ゴルコサーティーワン!!




本編

2004年の10月の終わり…

それまでに勤務していた職を辞し、新たな旅出へと志す。


今回の標的はアフリカ大陸だ。

数多くの旅行者達が様々な国を巡り最後に周るといわれているアフリカ。全ての旅行雑誌がアフリカの旅の困難さを伝えてくる。曰く(ローリーの荷台に揺られながら物のように詰め込まれての移動)であるとか(雨季では車が嵌っていつ目的地に到着するか分からない)であるとか(未舗装路の上を延々と走り続ける)であるとか大抵の情報は非常にネガティブであるといわざるを得ない。

しかし私がここをターゲットにしたのはプロフェッショナルならではの深い洞察力に基づいた考えがあるからだ。

諸君らは物を食べるときどういう順序で食べるだろうか?

私はプロとして満足して食事を終えたいので美味しいものは最後に食べることにしている。

なぜアフリカか?

特にアフリカに一番興味があるわけではないし「はっきりいってどうでもいい」がここに行かないと世界中の国に行くという目的が達成できない。

それならば(もう手遅れだが)少しでも若いうちにこの一番きついといわれるアフリカに最初に行こう。とプロフェッショナルとして論理的に決断した訳だ。

本当に行きたい国は昔からドイツ!ここにたどり着くまでに予算が残っているかどうか甚だ疑問であるがそのためにプロとしてアフリカを最初に仕留めなくては...

そうは言っても旅には具体的な目的が必要だ。

私はこう設定する。アフリカ大陸のの入国可能な全ての首都(もしくはその国一番の都市)を見て回るということだ。

雄大な自然?未開の原住民?行くのに散々苦労した挙句(苦労したくありませんきついのはもう嫌です)そんな物はプロとして5秒で飽きる。それよりも街だ街に行けば何かある(困っても何とかなるんじゃないのかな???)そうだよし街だ!いざ街に繰り出そう。


さて、約十年に渡って勤めてきた某地下組織を抜けるには少なからずのためらいがあった。会社で言えば「現場主任」クラスに相当する立場にあった私にはある意味で将来が約束されており少なくとも現在の出身国の情勢に於いては安泰な人生が送れるはずであった。しかし、30も半ばを過ぎ現場労働者としては若さと勢いをなくしつつある現在、私にはどうしても新たな変化と挑戦が必要だった。

「俺は何にも悔いはない。俺はゼロから出直しだ」

と心に決め、辞表を出す。4ヵ月後に晴れて瘰癧のない自由な身となれた。旅を始めるのは辞めてから1ヵ月後と決めていた。地下組織においてプロと呼ばれる立場にあった私には旅行においても十分な準備期間を取り万全な準備をする予定だ。



そしてその1ヶ月間私は

「とことん堕落してグータラな生活をする」
ことに費やす。

「だって面倒くさいんだもん」

を合言葉に住んでいたアパートでぐうたらする。「地下組織の秘密の掟」に縛られなくていいし上司には怒られない。

「ひきこもり最高!!」

と言いたい所だが世界旅行をやめる名目としたため残念ながら必要最小限の準備はなんとかだらだらと続けざるを得なかった。


今回最初の標的はエジプトのカイロである。十年ぶりの海外であり日本から最初に入る地となるので航空会社も選定にも当然用心の上に用心を重ねる。プロとしての航空会社選定のポイントは多々あるがその大きなものはこういった所であろう。

1.飛行する経路とそのルート上に予期される危険は?
2.どこの国の航空会社でその国の航空機の整備の信頼性は?
3.テロの可能性は?
4.目的地に到着する時刻は?

等々上げればキリはなくなっていくが、様々な要素を検討していった結果1社しかプロの眼鏡にいかなう航空会社は見当たらなかった。

それはずばり

「アエロフロート」である.....

購入の決め手はこれだ

「だってべらぼうに安いんだもん.......」

モスクワの空港で7時間待ちになることや翌日の深夜0000にカイロ空港到着することなんてどうでもいい。

「だって安いんだもん...」

もちろんの事インターネットでチケットが一番安い時期は調べてる。

「D-DAYは12月15日」

この日を後は値段が2万円ぐらい跳ね上がってしまう。

事前の調査は完璧だ、重い腰を上げD-DAYの3週間ほど前にチケットの購入に行く…

カウンターで当たり前の様に日時を告げる…

「あの〜、その日のチケットは売り切れです…」

「あっあっあっ!!!!!」

しかし、こういった時の対処は流石にプロならお手の物である。当然ながらあわてふためいてその次に安いチケットを尋ねると12月17日、値段は1万5千円高くなっているが仕方が無い…

「どうやらD-DAYは12月17日のようだ…」

プロとして抜かりは無い…


出発3日前、住んでいたアパートを引き払い実家に引っ越す。忙しいことは仕方がないがこちらはアマではない。次は持っていく荷物のパッキングである。今回の旅にむけてプロが練りに練って選んだ旅行用のバッグは赤羽で購入した3−WayBAG(キャスター付き)だ。背負う必要も特になく、かつ引き摺っていけると言う意味では最高であり何よりも安かった(7999円)と言うことは言うまでもない。

ここでプロフェッショナルのパッキングとはどういうものか一言伝授しよう。

1.通常体重の1/3ぐらいが好ましい
2.軽快に動くとしたら10kg多くても15kgといった所であろう
3.荷物は極力減らし軽快に行動する事。なんといってもアフリカでは何があるか分からないし、戦争に行く訳ではないから、軽装備は重装備に勝る

以上の3点を踏まえた上で手際よくパッキングを続けていくと一つこのプロフェッショナルでも解決できない難問にぶち当たってしまった。

「なんだコリャ荷物が多すぎる!」

….という事である。

プロとして必要最低限の物を揃えたつもりがどうやら必要最大限に積み込もうとしてしまったらしい。それともう一つキャスター付きのバッグの容量までそんなに気にして買ってなかった。ということも判明した...

プロの盲点を突かれた思いだ!

後3日しかない。今更新しいバッグを買うわけにも行かず「この旅行の為にと大枚をはたいて購入した最新式のテントやガスバーナー」を置いていく羽目になったがそれでもまだ重過ぎた。

あれやこれやで無理矢理減らした物の結局35kgで出発することとなってしまった...

しかし、キャスター付きの為空港までは問題なくいける!

流石にプロは目のつけどころが違う...


ここで話は変わってよくガイドブックなど見ないで気ままに旅をするなどという戯言をよく皆も耳にすることだろう。日本でならいざ知らず私のいこうとしている所は外地であり些細な情報ですら行動の死命を制することとなる。ガイドブックを鵜呑みにするのは論外だが必要最小限の行動をとるにはガイドブックは必携であると考えた私はプロとして当然ずいぶん前から旅行人のアフリカを購入していた。

今回のターゲットはアフリカ大陸の周遊であり、最初の目的地はエジプトのカイロに設定していた、アフリカという未知の大陸の入り口としては都会であり、航空券の安さやこの先の情報収集の容易さから鑑みて当然の選択だろう。早速前日に旅行人に目を通し入念に読もうとして一つ気付いたことがある。

「エジプトなんてページはどこにもねえぞ!!!」

という事である。

うーむエジプトは省かれていたようだ。旅行人もタイトルに“エジプトはアフリカとみなしません(北アフリカは地域的には中東とも言える)”とでも書いてくれていればよかったのに。と思いつつあわてて本屋に駆け込み地球の歩き方を購入する。プロとして周到な計画に基づき準備を終えることの出来た私はこれでようやく旅立てることになる...


結局なんだかんだで出発日の朝の4時まで荷物のパッキングに追われ、2時間ぐらい仮眠して家を出発、成田空港にたどり着いてしばらくまって搭乗する。


飛行機に乗って去り行く日本を空の上から眺めながら私はひとつの決意をしていた。それは

「一生きついことはもうやらん」

という事である。

この通りに物事が進むかどうかは神ならぬ我が身の知る由もなく、いや!むしろ私がこの先出会うアフリカ人のみ知っている事である。

願わくばどうか快適(楽)に旅行を続けられる事を...


そして出発間際までまごまごしてほとんど寝てなかったので座席に座ると速攻で落ちて寝てしまう…

その姿は

「あたかも数年にわたる厳しい旅を終えて、ようやく故郷日本に帰る旅行者であるかのようであった」

と…

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