サモア

フィジー→サモア

※地図はtravelers cafeへ提供された武揚堂社の物を使用。

ウポル島と首都アピア(観光案内所の配布地図)

サモア 基礎データ(外務省HP2018年より抜粋し一部加筆):179ヶ国目
1 面積 2,830平方キロメートル(東京都の約1.3倍)ウポル島、サバイイ島および7つの小島からなる
2 人口 約20万人(2016年,世界銀行)
3 首都 アピア(約3.6万人)
4 民族 サモア人(ポリネシア系)90%,その他(欧州系混血,メラネシア系,中国系,欧州系等)
5 言語 サモア語,英語(共に公用語)
6 宗教 キリスト教(カトリック,メソジスト,モルモン教等)
7 通貨 サモアタラ(WST)≒40円(実際は42円)

2018.05.25(金)

 午後に出発したフィジー・エアウェイズ 853便は順調にフライトを続け。1時間の時差をプラスした16時頃、次の目的地である首都のあるサモア、ウポル島上空に差し掛かり、16:30時、ファレオロ国際空港に到着。
 この旅6ヶ国目、新規4ヶ国目となるサモアは、今回ガイドブックに載っている最初の初訪問国だ。
 出来立ての綺麗な空港が、ミクロネシア、マーシャル、キリバスといったこれまで訪問してきたマイナー国家とは一線を画し、ここが少なくとも旅行者に馴染みのある場所だと示していた。

サモア上空とファレオロ国際空港


 ATMにビザ・デビットを入れると無意味に高い手数料がかかる事が分かり、銀行での両替に切り替える。

 現地通貨を手にして落ち着いた所で、ガイドブックに書いてある飛行機の到着に合わせて運行しているというシャトルバスは聞きこんでみたが見当たらず、公共バスが空港外の道路で走っている筈だったが、これも夕方までの運行らしい。
 17時を過ぎた今は微妙な時間でタクシードライバーも「もう終わっているよ!」と言って声を掛けてくる。
 空港から首都までの相場は「50~60タラ(2000-2500円程度)」と書いてあり、聞くと大体この値段で答えが返ってきた。

 『この状況を予期してたとはいえ、バスもあるのにこの値段は高いな・・・』
 かなり渋い表情をしていると一人「じゃあ40(1600円程度)で行ってやる」というドライバーが現れた。
 折からの雨、外でバスを待つにも濡れ鼠になるのが明白だったので
 『本当にそれでいいなら乗るよ』
 と心折れる事にした。

空港を出た直後、少し経つと雨は止んだ。


 空港から首都のアピアまで約30km強、車で1時間程度の行程だ。
 海沿いに近いメイン・ウエスト・コースト・ロード沿いを走っていて直ぐに気付いたのは教会の多さだった。
 そしてアピアに近づく頃、また大雨になる。
 『結果的に正解だったな・・・』
 ドライバーがお釣りを持ってなかったので宿の人にお願いして両替してからタクシー代を払う。
 私の「40タラ」は格安だったらしい。
 『なんでなの?』
 と、聞くと「あなたが困ってそうだったからじゃない、サモア人の気質なのよ!」という事らしい。

 『・・・、いつでもそうだけどお金がない訳じゃない、ただ根がセコいだけなんだ・・・』

 些少に傷んだ良心を胸に、チェックインを済ませ荷物を開いて落ち着いたら、既に時刻は18:30頃になっていた・・・

空港から首都まで。右下が載せてくれたタクシー


 宿の目の前のスーパーは閉まった直後だった。
 ほんの少し歩くと夜21時頃まで空いている大きなスーパーもあるらしい。
 首都とは言え、人口4万人もいかないアピアの夜は、街灯も薄暗かったが建物の灯りで見えないほどではない。
 5分程歩いてスーパーに到着。品揃えが豊富だったので、飲料だけでなくお菓子も買って満足する。

左上:宿の建物、右上:宿の目の前のスーパー。左下:スーパー、右下:マーケット


 『さぁて・・・』

 実はこの国では来る前から楽しみにしていたことがあった。
 『Mac』
 今回訪れる新規5ヶ国の上で世界的ファーストフードのチェーン店を持つのはこのサモアのみ。
 それもマックがたった1軒のみなのだ。
 これに行かずしてサモアを語る事は出来ないだろう。

 そして訪れたマックのフィレオフィッシュはどこで食べても同じフィレオフィッシュ、想定内の味だった・・・

左上はローカルチェーン。右上と中段はマック!。下段は時計塔とその前の建物

 宿泊したバイアストリートのタロファインは、容量制限こそある物のWi-Fiが使え部屋も綺麗で、何よりも街の中心にあるのが気に入った。ガイドブックを眺めてネットで情報を補いながら明日の観光をどうするか?考える事にした。

部屋の様子とスーパーでのお買い物



2018.05.26(土)
 
 朝食はセットメニュー、食べれる物が殆どで雰囲気も良く満足する。

 『今日はどうしようか・・・』

 ここも2泊3日の行程、明日午後出発なので一応明日の午前中まで観光は出来る。
 だが、天気の事を考えると少なくとも雨の降ってない今日一日で勝負を賭けた方が方が良さそうだった。

 地方を周るか?今日は土曜日でバスの便数も平日よりは減っているらしい。
 それに地図で見る限り首都はそれなりの広さがありそうだ。

 そこでアピアを中心に観光し、もし余力があれば他に手を出す事にして街に出た。
 
朝食とホテルを出て。


 宿から歩いて5分もかからない、アピアのへそともいうべきクロックタワーのロータリーを抜ける。 

クロックタワーとその周辺。高層ビルもある。下左はサモア中央銀行、右は総合庁舎


 向かった先は観光案内所だ。
 開いているのは土曜日は午前中だけ、首尾よく地図をゲットする。
 そして向かいにある大聖堂を訪れる。

伝統的ファレ風な建物の観光案内所とカトリック大聖堂


 そのままアピア港を東へ向かう。

上段:アピア港の風景。中段左:消防署


上2段:アピア埠頭付近から眺めた市の中心。大聖堂は15倍で撮影。下2段はアピア埠頭


 埠頭をさらに東に進むと一気に牧歌的な風景になる。

アピア埠頭を抜けバイアラビーチへ


バイアラビーチ付近


 しばらく海沿いを歩いてから内陸部へ向かう。
 如何にも南国と言った雰囲気はどこまでものどかだった

バイアラビーチから南へ


 途中やや離れた所からアナウンスの拡声音と歓声が聞こえてきた。
 スタジアムの方からだった。
 吸い寄せられるように歩いていくとゲートが見える。
 「2タラ(80円)」
 と、係が告げてくる。
 これがスタジアムから見下ろす景色料と考えるとお買い得だった。

スタジアムへの通り。ゲートは係員が居なければ無意味だった


 やっていたのはラグビーだった。
 高校の時に部活でやっていたので、ただ眺めるだけでも楽しくなってくる。
 景色だけでない思いもかけない役得だった。

陸上グランドもある総合競技場、多分サモア1のスタジアムでは??

 席に座りお菓子と、ジュースでのんびりとラグビーを眺める。
 このまま試合終了までといきたかったが、残念ながら持ち時間に限りはある。ある程度満足してからまた動くことにした。

大回りしながら中心部へ向かって。川で洗濯や水浴びをしていた。


中心部から離れて海沿いと平行に走る幹線道路のバイテルストリート


 大通りのバイテルストリートを歩いているとふと気にある教会がある。丁度丘の中腹に立つそこからは遮る物が無いので街の眺めが良さそうだった。
 私は迷わずそこに向かう。

丘の中腹、Our Lady of Mt.Carmel という教会名だった。


教会とその中、スタッフが清掃したので写真は聞いてから撮った


 眺めは予想通りに良く、またガイドブックに載ってない穴場感も気持ちを高揚させるものだった。
 そして首都狙撃手としては、ここからの景色を見た事でアピアは大体満足してしまっていた。

教会からの眺め


 ただまだ観光を終えるには少し早かった。

 中心部でまだ見ていない場所もあったので、そこへ戻っていく。

バイテルストリート


市の中心へ向かって


宿から少し(歩いて3分ぐらい)南の教会。中段左が宿


食料品マーケット。下段右はその北のバスターミナル



 これで市の中心は終わりだ。
 寄り道はあったが、大体は予定通りと言って良いだろう。

 そしてアピアではもう一つ、中心からやや外れた所に訪れたい場所があった。
 アピアの臍ともいえる、お馴染みのクロックタワーを抜け、そこに向かう事にした。

クロックタワーとその周辺。


 私が向かったのはムリヌッウというアピア西側に突き出した半島エリアだった。

中心部からバスターミナルへ


アピア湾沿いのマリナウ通りを北に向かう。


 ムリヌッウは昔都のあった場所で、現在は行政機関が集まる地域になっている。
 立派な建物の少ないアピアで、数点だがそれなりに見栄えのある建築物がここでなら眺められるのだ。
 
上右:国会議事堂。中左:裁判所、下左:土地称号裁判所。など


 とは言いつつ、数点、それもメインストリート沿いなので通過しながらあっさりとそこを見終わってしまう。
 折角なので一旦突当りまで出てから戻る事にした。

突端から裏側へ。下段左は古い王の墓のあるエリア


またメインストリートへ


 これでムリヌッウの見所は終わりだ。
 時刻は既に17時前、地方に手を出すには遅い時間だ。
 ただアピアの中心部を少なくとも自分の好きな形で見れたのでもう満足だった。
 
中心部付近。近代的なビルもある。


 アピアはのどかな首都だ。
 偶にタクシーの運転手に話しかけられるのが、南太平洋の小国としては珍しく、やや煩わしさを感じなくもないが、客引きで著名なインド、モロッコ、エジプト界隈から比べると空気扱いされていると言ってもいいレベルだった。

マーケット入口。中は土曜の午後なので閑散としていた。


 17時を過ぎ、少し早い夕食をマックで締めようと思ったが、その手前にあったローカルファーストフードに吸い寄せられるように入ってしまう。中国人経営だが中華ではなく、KFCっぽいメニューだったのでそれにした。

夕方で月がはっきりと見える。下2段はローカルチェーン、この時の客は私だけ


 食事が終ったが、宿に帰って寛ぐには少し早い時間だった。
 夕日でも眺めようと思い、また中腹の教会を目指す。

クロックタワー周辺。ここでもまた月を撮影。下段は信号機と歩行者用ボタン

 教会には18時過ぎに到着。
 夕日は残念ながら雲に隠れ、また夕焼けもそれほど良い物はみれなかった。
 夜景まで粘ると明らかに街が暗くなるので、これで諦め戻る事にした。

教会の夕景


 アピア2日目
 地方や夕日こそ諦めたが、首都狙撃手として、首都をがっつりと観光出来ただけでなく、思いもかけないラグビー観戦や穴場の見晴らしスポットも見つけられ、満足するものだった・・・


2018.05.27(日)

 今日が出発の日。
 フライトは17時前の遅い出発だ。
 宿でのんびりとくつろぎ、チェックアウトも1時間遅らせてもらっていたので11時にのろのろと出る。
 観光案内所や宿で聞いた所だと、休日はバスは殆どないが空港を通り抜けて港に行くバスだけ数本運行しているという。
 そこでバスを一応目指し、ダメなら戻ってタクシーと予め宿のおばちゃんと調整していた。

 土曜日でも十分閑散としていたのだが、日曜はそれに輪をかけて街が死んでいる。
 時折しか人に会わない中心街を歩いて湾沿いのバス停に着いたが誰も居ない。
 ひょっとしてと思い、今度はマーケット横のバス停に行っても無人だった。

中心部。中段右:港沿いのバス停。下段右:マーケット横のバス停


 『タクシーだな』
 サモアは酷暑という程ではないものの暑い事に間違いない、そんな感じだった。
 タロファインに戻ると、やや驚いた顔で「どうしたの?」と聞いてきたので『バスが無かったからタクシーで行くよ』と答えると、何の親切心からか、「今日は待ってないとダメよ、12時くらいだからね。もしそれでだめなら戻ってきて!」と、一度心折れて出来れば諦めたい心境になっている私に無意味なワンチャンスを与えてくれる。
 (ちきしょう、また戻るのか・・・)
 折角のアドバイスなので無下にする事も出来ず
 『じゃあもう一度行って、30分待って来なかったらまた戻ってくるよ』
 と言って再度港沿いのバス停へと向かった。

 バス停は相変わらず無人で人の気配がしなかったが、5分程待つと2台のバスがやってきた。
 その内の一台が目的のバスだった。
 『幾ら?』「4タラ(160円)だよ」
 まだ誰も乗っていないバスの運転手の真後ろの海側になる右側の席をゲットする。
 出発は12:30時。空港にも余裕で間に合う時間だ。

 そしてバスは予定通りに発車する。
 人間現金な物で、宿のおばちゃんのアドバイスに感謝していた・・・

港行のバス。


 バスの現地人以外の客は、私の他にニューヨーカーのツーリストが一人乗っていた。
 私は荷物を私の席の前に置き、おとなしく座っていたが、彼は荷物を自分の座っている席の横に置き、写真やムービーを撮るのにはしゃいでいた。
 空港には13:30時に到着。
 最初に彼が支払う時、請求は8タラだった。「6じゃないの?」と抗っていたが覆える事はなかった。
 『?』
 嫌な予感はあったので、手にしていたのは5タラ札だ。
 もし彼と同様に請求されたら(最初に4って答えてたよね)と言うつもりだった。
 だが、私にはそのまま4タラで、お釣りの1タラも返ってきた。

 私が下りた時、先に降りていたニューヨーカーがいくらだったと聞いてきたから『4』と答えると、彼は”おいっ”といった感じでバスのドライバーに文句を言ったがそのままバスは走り去る。
 「どういうことだ?」
 『あんたは多分荷物も含めて2座席占領したと判断されたんじゃない?俺には良く分からないけどね』
 彼は納得はしなかったようで「あいつらはクソだ!」とか悪態をついていた。気持ちは分からなくも無いが、聞くという単純な事を最初にやらなかったのだから、それはそれで仕方がないのだろう。
 そもそも私にした所で同じ旅行者だからといって、初見の彼の料金までは気にはしない。
  
空港の入口と空港内


 空港に入って持っていたサモアタラを両替する。
 少額残っていたので水でも買おうと思ったが空港内は少し高いので今度は微妙に足りない。
 到着が早かったので空港のチェックインカウンターもまだ開いてない。
 町中のスーパーやキオスクなら大丈夫な分は持っていたので空港から出ようとすると、たまたま歩いていた掃除のおばさんがどうしたのと聞いてきたので『水を買いにスーパーに行く』と話すと何故かそれを聞いていたレンタカーのスタッフが来いといってオフィスの水を1本、私にくれた。
 『お金がない訳でもたかりたい訳でもないのに・・・』
 断るのに断れず、『サンキュー』を告げ有難く飲むことにする。

 ようやくチェックインの時間が来て、ボーディングパスを貰い、イミグレーションを抜けゲートラウンジへと向かう。
 
 残っていた2タラのココアみたいな飲み物があったので、それを買ってのんびりと時間を潰す事にした。

ココア風ドリンク。下段右はニュージーランドの軍用機


 やがてF254便が到着。そして予定通り16:50時に離陸する。

FJ254便


 私にとって179ヶ国目となる国サモア・・・

 見たのは首都だけで他に大したこともしなかったが、ここでは多少のハプニングこそあったものの、大体は私の想像の範囲内だった。

 改めてここでのすべての出来事を振り返ってこう思う。


 『サモアだけに・・・』


 「さも、ありなん・・・・・・』


 と・・・

 

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