マーシャル諸島

マーシャル諸島まで

※地図はtravelers cafeへ提供された武揚堂社の物を使用。

上段2図は国際機関 太平洋諸島センターより


マーシャル諸島 基礎データ(外務省HP2018年より抜粋し一部加筆)
1 面積:180平方キロメートル(霞ケ浦とほぼ同じ大きさ)
2 人口:52,898人(2014年、世界銀行)
3 首都:マジュロ 約28000人
4 民族ミクロネシア系
5 言語:マーシャル語、英語
6 宗教:キリスト教(主にプロテスタント)
7 通貨: 7.通貨:USドル。1USD≒110円(訪問時のレート、実勢レートと違い、読む人がイメージしやすいように大まかな数字にしてます。)


2018.05.18(金)

 ミクロネシアを出て次の目的地はマーシャル諸島だ。

 国名が示すように、ここはは首都のあるマジュロ環礁を中心に200万平方キロの広大な海域にある29の環礁と5つの独立した島から成る諸島国家で、環礁島は大小さまざまな1,225余りのサンゴでできた島々で構成されている。
 その島々は輪の形を成して並んでおり、「太平洋に浮かぶ真珠の首飾り」と呼ばれる美しさだ。
 
 マーシャル諸島領内に入って最初に立ち寄ったのはクェゼリン環礁、ここは軍事施設になっていて、今までのアイランドホッパーとは違い機内待機となる。

クェゼリン


 夕日を窓に眺めて首都のあるマジュロ環礁に到着したのは夜の19:20時頃。
 既に夜は始まりを迎えていた。

マジュロ国際空港。預かり荷物を回すベルトコンベアー等ない小さな空港。


 降りると宿泊するホテルのプラカードを持った男性が立っている。聞くと私の名前が無いと言ったが、ブッキングドットコムで予約していることを告げ、乗せてもらう事となった。
 乗客に中国系の女性2名が居て見覚えがあったので『ナンマトルに居なかった?』と聞くと、彼女たちも思い当たったらしく、そこで話が盛り上がる。彼女たちも短期休暇でこの後他の国を寄航してから東京→台湾と帰国するという事だった。

 今回泊まる宿は、「マーシャル・アイランド・リゾート」、料金も2泊で225USDと、1泊あたり100USDを越えるこの旅程唯一のリゾート・ホテルだった。

 基本日本でいうビジネスホテルクラス狙いの私が、わざわざ高値のこのホテルにしたのは、Booking.comでマジュロで掲載されていて予約出来るホテルがここしかなかったという事情からなのだが、今は別に長期旅行で予算を切り詰めながらやっている訳ではない、偶にやる贅沢は良いだろう。

 チェックインしてから近くのスーパーでお菓子と水を買い。ホテル併設のレストランでピザを食べる。
 15USDと決して安くは無いがチーズがどっしりとしていて味もしっかりとして美味しかったので満足だった。

上左:マーシャル・アイランド・リゾート、上右:近くのスーパー

 惜しむらくはその料金設定なのにWi-Fiは有料になる事だった。

ホテル室内、バスタブ付き。ピザは食べきれずに持ち帰りにした。


2018.05.19(土)


 朝食は当然料金込みだった。

 レストランに行くとウエイトレスが「宿泊客ならチケットは?」と言われたので、レセプションに行くと「レストランに電話するからOKだよ」と言われまたレストランへ。
 ウエイトレスにその話をするとウエイトレスからレセプションに電話してようやく私が宿泊客だという事が分かる何とも要領の悪いシステムだった。
 ただ席に着くと料金の書いてあるメニューを見せられてそこから選べと言われる。
 値段に差があるので果たしてどれでも”込み”で良いのかと疑心暗鬼になるが、ウエイターがどれでも良いといった言葉を信じ、ちょっと試してみた魚の朝食はイメージと違って外れだった・・・

 一旦レセに寄って明日はどうするのと聞くと”ヴァウチャー”(ここでは朝食券)を渡してくれる。
 こんなものがあるなら予め渡してくれれば良かっただけなのに、この国唯一のリゾートホテルは何とも手際が悪かった。

ホテルの部屋からと朝食


 『さて、どうするかな・・・』

 日程上、観光出来るのは今日だけだった。

 ちなみにマジュロ環礁は、64の小島からなるが、そのうち主な12島は第二次世界大戦後に埋め立てられ地続きになっている。
 この地続き部分は、西から東へ順にローラ地区、アジャルタケ地区、ロング・アイランド地区、デラップ地区、ここで北へ向かって、ウリガ地区、ダリット(リタ)地区に分かれ、大雑把に50km程度の距離となっている。

 マジュロは細長いだけで平坦だ。最初はレンタルサイクルを考えていたが、端から端までとなると往復100kmとなり、時速20kmで走り続けても5時間、これに観光を加えると、どれだけ見る物があるか読めないので終わらない危険性もある。
 そしてそれ以上にホテルで借りれないので、レンタサイクルをやっている代理店なり何なりを探さなければいけない。

 『うーん・・・』

 調べていると陸続きの西端のローラ村までバスが出ているらしい、ホテルのレセプションで確認するとウリガにあるバス停から2USDと安価だ。
 私の泊まっているデラップ地区からウリガ地区、そしてその上のダリット地区を併せてD.U.D地区と言い、それがマジュロの中心なので、ここを全て歩いて見て周る途中にバスで一旦ローラを往復するのが一番効率的だろう。

 そう決めて宿を出る事にした。

宿で貰った地図。ダリット地区はRITAとも言われる。


ホテルからデラップ地区


デラップ地区、写真下の右は政府庁舎


中段はバス停、カラフル。下段右のMJCCは唯一の日本人商店。
色々相談にのってくれるらしいが既にやる事が決まっていたので中のチラ見のみ。

ウリガ地区への途中で。写真上右のクレーンの下辺りに居た男の子がポーズをとってくれた。
下段左はマーシャル・アイランド・リゾート、右はニュー・ドッグ


ウリガ地区に入って


教会、消防署、警察。それに下段は単科大学


ウリガドッグ


上段:ビキニ環礁市役所,下段左はマーシャル諸島航空のオフィス


 レセのお姉さんからホテルからバス停まで1時間はかからないわよと言われていたが、ついつい気になるところを見ながらのんびりと周ったので1時間はオーバーしてしまった。
 ただ、雨が降ったのは郵便局前のローラバス停に着いた頃だったので、ラッキーだった。

ローラバス停付近。郵便局や銀行、中段右ロバートレイマーズホテル[予約は直接HPから)などが近くにある。


  バス停と言われても何も目印がある訳ではない、どれが何やらさっぱり分からないので雨宿りしている人に適当に聞くと「俺もいくから一緒に居ればいいよ」という男が居たので後は人任せになる。
 「あれだっ!」
 と彼が捉まえたシェアタクシーに乗り、乗客が集まるのをしばらく待ってから出発となった。

シェアタクから。一番上の左が待っていた所。最下段はマジュロ環礁唯一の橋


ホテルから空港付近まで


 大体1時間程度だろうか。シェアタクシーはローラ村へ到着。
 そこで乗客をそれぞれのピンポイントの場所で降ろしつつ、私の目的地へと運んでいく。

ローラ村


 そしてローラ村のはずれからやや奥まった、ビーチのある公園で私を下ろす。13時頃だった。
 2ドル渡して『サンキュー』と伝え、帰りのタクシーはどこで捉まえれば良いかを聞くと意外にも「俺がまた来るから待ってればいい」
 という事だ。親切なのか?確実に捕まる乗客を先押えしたいのか?
 ローラ村その物にも少し興味はあったが、まだ中心街で地続きの端のダリット地区を見ていないので、このまま話に乗った方が良さそうだった。
 
 端っこのビーチは入場料1USD。この値段なら入らない手はない。

ビーチ入口


 中に入ると直ぐにバレーボールをコートでやっている一団が居たり、それなりに賑わいを見せていたが少し奥に行くとそこは果てと言った感じで穏やかな景色となる。

ビーチの端。


 30分ぐらいのんびり周って、そろそろかと一度入口の見える辺りで待機する。
 タクシーが何時頃来るか?最初に聞いておけばよかったと思ったが、もし1時間待って来なければ歩いてローラ村でも散策すれば良いだろう。
 売店でコーラを買って休んでいるといきなり雨が降ってきた。
 『さて・・・』
 14時を過ぎて、これでは動くのもどうしようかと考え始めた頃、待っていたタクシーがやってきた。
 
売店と降り出した雨


ローラ村から中心部へ。今度は後ろの席で、かつ雨だったので余り写真は撮らず。


 ローラバス停へは15:30時頃。結構いい時間となっていた。
 幸いにもほぼ上がったが、途中雨が降り出したりしたことを考えると自転車では多分相当なハードスケジュールになっていただろう

降りたローラバス停付近。ここから来たのダリット地区へと向かう。


 ここで私は一つの実験を始める事にした。
 スマホのオフラインでも使える地図アプリ「maps.me」だ。
 予め渡航先の地図をダウンロードしておけば、現地でそれを呼び出してその上にGPSの情報で自分の位置を表示させる優れものだ。
 有名なgooglemapも同様な事が出来るオフライン機能があるが、地図の詳細さでmaps.meの方が一日の長がある。

maps.me

 フォース・ミッションを開始した1年半前に既に存在していたアプリだが、当時は昔の長期旅行時と同じ手法でどこまで出来るかを、旅行ブランクを取り戻すリハビリの目安とした事もあり、敢えてこの新しい技術に手を出そうとは思わなかった。
 そして前回はニュージーランドは地図が充実しているので必要がなく、またクックやニウエは狭くルートも単純なので別にアプリでなくても紙ベースで十分だったからだ。

 マジュロも多少のループはあるものの基本1本道だ。わざわざ使う必要はない。
 それでも敢え試すのは、同じ手法を続けているだけだと人は馬鹿になるだけなので変化が欲しかった事と、今の旅行者が利便と言って使っている物ならメリットがあると思ったからだ。

ダリット地区を端に向かって


上左:ガソリンスタンド、下右:ネットカフェと看板に書いてあった。


 迷わないための自己位置標定は旅行者にとって一番大事な事だ。
 私は、基本地図とコンパスがあれば自分を見失うことは無い。
 ただ、今までは持っている地図や周りの風景、ランドマーク、道路の名称など多岐に渡る情報からその自己位置を得るというそれなりに頭も使えば手間もかからう作業の繰り返しだったのだが、maps.meはそれをGPSで自動的に特定してくれる。

 道が単純なので見続けていた訳ではないが、時折眺めてその都度自分の位置が正確に表示されるのを眺め、実に便利になった物だと体感する。

こんな感じ。日本帰国後にマーシャルを開いてスクショしたので、自己位置は表示されず。
※実際は青い矢印が地図上に現れる。


 『なるほどね、今の若い旅行者はこれがスタンダードなんだな・・・』

 スマホ時代の旅行、このお手軽さからどこでもスマホを開いてしまうので、それが盗難などの犯罪を呼び起こす危険を持つ。
 以前でも、危険な国や都市では地図は人前では開かないのは旅行者として当然の心得だったが、スマホが当たり前で育った世代からすれば、この”用心”という部分は根本的に抜け落ちる部分かも知れない。

 ただ、どこでも自分の位置が簡単に分かるというのはあまりにも魅力的だった。
 マーシャルでは必要ないが、今後治安の悪いエリアに行く時があれば、以前と同じく人目に付かない所でスマホを取り出し、記憶してしまうという用心をすれば良いだろう。

下段は端につく手前。ジュースとケースのパンを買った。


地続きの端



 地続きの両端を制覇したのは16:30時少し前。
 公共機関も利用できたし、後はまた宿に戻るだけだった。

ダリットの裏通りから。


下から2段目は珍しいモスク


ウリガ地区の教会


ウリガ地区の裏通り


上段はこの島一大きいと思われるスーパー。下段はデラップ地区のホテル前の通り

 ホテルには18時前に到着。
 食事をどうしようか少し悩んだが、昨日と同じく種類こそ変える物のピザにする。
 偏食家にとって食事とは食べれるものを執拗に食べる事であり、そこに現地食を食べる楽しみは無い。

自分の部屋から。夕日は残念。そしてピザ


2018.05.20(日)

 今日が出国の日、フライトは09:30時だ。

 朝食が06:30、空港行のホテルバスが06:30時発なので、折角のインクルーディングが食べれなくなると半ば諦めていたが、昨日相談したらわざわざお弁当にして作ってくれると言っていた。流石この旅程唯一のリゾートホテルだ。Wi-Fi有料はいただけなかったが、慌ただしく動いてネットをチェックしている暇も無かったからそれはそれでOKだろう。

 料金がチェックアウト時だったので、クレカで支払い、朝食は?と聞くと。レセの男性は”?”だった。
 たまたまそこに居た昨日レストランで「これを朝食メニューでお願い」と伝えた女性が居たので、彼女から説明してくれて事なきを得たが。そもそも昨日事前に作ってレセに預けておくという話だったのが「これからレストランに行って確認する」という話に変わってしまっていた。

 『うーん・・・』

 もともと諦めていたのがラッキーといった感じだったので『もしまだ出来てないなら諦めるよ』と言って、ドライバーにレストランに弁当を取りに行ってもらったが、幸いにも朝食を手にすることが出来た。

 『私から言い出さなければ朝食抜きだったな・・・』

 まあ結果は出たのでよしとしよう。

最後にホテルの窓から。朝食はエッグとベーコン、トーストなので良かった!
 

到着した空港


 やや早く着いたので直ぐにチェックインの手続きをし、時間が余ったのでホテルからもらった朝食を食べてのんびりとする。

空港。出国審査前の通路に日本語でも書かれたマジュロの地図があった。

 土日どっぷりで観光案内所に行って地図は貰えなかったけど・・・
 地続き完全縦断(往復)が公共機関と徒歩セットで出来たからまあ満足だろう。

 次の目的地は?
 ここでユナイテッド航空とはお別れだ。ハワイへと向かうUA155便を尻目に、私が乗るのはまさかの「アワーエアライン」、旧ナウル航空だ。

まさかまたナウル航空に乗る日が来るとは・・・



 もちろん目的地はナウルではないが・・・

 09:30時、私を載せたON042便が離陸。
 この国とはこれでお別れだった。

 それにしても・・・
 夜間に到着して早朝に出発、中日の一日はフル観光。
 折角この旅程唯一のリゾートホテル、それも無料で使えるプールやフィットネスジムも備え付けられている所に、この旅最高値で泊まったのにそれを全く楽しめずに出国とは・・・

 『中々上手くはいかないもんだな・・・』

 マーシャル諸島は縦断の満足感とリゾートし損ねた不満足感。
 その両面を併せ持つ滞在であった・・・

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