時は1月21日、
楽しかったセネガルの最後の総仕上げとして旧植民地府のあるサンルイ、その本島の1周を徒歩で試みることにする。
今迄、「きつい、汚い、危険」避けて旅を続けてきたが西アフリカも後はモーリタニアを残すのみ…少しは「冒険」をしてみてもいいだろう。
とりあえずオーべルージュ(安ホテル)を10時ごろに出発する。島の南側に位置するこのオーべルージュから島の東側を川沿いに北上して1周する計画だ。
1月のサンルイの陽射は穏やかで、そんなに暑さは感じない、出足は中々に好調だった。
しかしいったいどれだけ歩けば島の一周などということが達成できるのだろうか?
「歩き始めて一体全体どのくらいたったのだろうか?」
外は決して寒くはないのに吐く息は白くなり、もう心臓も破裂しださんばかりである。
もう5分はたっぷり歩いただろうか?目の前に(パティシエ)が見えてくる。
「そう言えばオーべルージを出てから何も口にしていないな」
と考え、立ち寄ってパンとジュースを頬張る。砂漠の中のオアシスのような有難さだ。
一息ついたところでまた歩み始める。最北端までの道のりは果てしなく遠い。
もう島の中腹から10分は過ぎただろうか…
なにやら川の水の雰囲気とちょっとした広場が見えてくる。私はどうやら島の最北端に到達したらしい。
お洒落なレストランがあったので立ち寄ってアイスコーヒーを特注する。1500CFA(約300円)もしたがここは金を出し惜しみしている場合ではなかった。この先を続けるためには必要な出費だった…
通常は並みの旅行者ならここでほっとして終わるところであろうがこの「デューク東城」超八流のプロフェッショナルという異名は伊達ではない。更なる冒険を求めて南下を始める。
今度は脇目も振らずに一直線に南へ進む!道は果てしなく続きどこが最南端なのかは「神のみぞ知る」といった趣を漂わせ始めてきている。
時間ももう分からないぐらいになった20分後...ようやく最南端だ...
しかし冒険はまだ続く。オーベルージュには戻らなければいけない。
残る最後の気力を振り絞りさらにそこから10分...
「見慣れたオーベルージュだ…」
自分の部屋に倒れこむようにして辿り着く。
体力の泉は当に尽き果ててはいたが今の私には達成感と満足感に満ち溢れている。
「単独の島の徒歩による一周..」これを成し遂げることのできる人間は稀有な存在だ。
「トータル実質1時間に及ぶ大冒険」
そしてこれをたった1人で成し遂げた自分への誇り…
この経験を胸にこの先も旅を続けていけるだろう...
注:サンルイ島は東西に約500m、南北に約2000mという川の中州にある島です。
念の為...

写真は果てしなく続く「サンルイ横断道路」の一つ…
注:道路の切れたところに移っているのは島外にある半島側のエリアの建物…