日本
2016.10.17(月)
話は9月13日まで遡る。
私は出国1月前までに航空券はすべて抑えるべく画策し、旅行月に本当に休んで大丈夫そうなのかを職場に確認しつつルートを調べていた。そしていよいよタイムリミットが近づいてきたので、ここで一気に全日程分の航空券を入手することにした。
昔は旅行代理店に赴いて希望日程を告げ、実際に買えるかどうかを待つ、などというやり方で時間も手間暇もかかっていたが、今は時代も進みその気になればすべて家に居ながらPCを使ってWeb簡単に手にすることが可能だ。
かつてはその旅行スタイルの隙の無さから「コンピューター」、「マシーン」等と形容されていた私が、今やその「コンピューター」を駆使して旅を決めるツーリストになっている。まさに「ミスター・コンピューター」と言い換えても過言ではないだろう。
早速手配に取り掛かる。今回使う予定の航空会社は5社、会社から無理やり休暇を取ったものの最大1ヶ月という短期旅行の期間限定という縛りで訪問する国の関係上、それしかルートが取れないという形になってしまったので、安さよりも日程優先となるのは仕方ない。
その日は仕事の上り日で眠気はあったが、まず必要な航空会社のウエブをすべて開き、順々に予定ルートを入れていく、このルート上でもし満席などになっていたら行く国を修正してすぐにプランを練り直さなければいけなかったからだ。ただ、幸にして予定ルートはすべて下調べ通りにOKだ。私は出国後のルート順に、次々と航空券を抑えて確定していく・・・
「ブランク?」、それはアマチュアの台詞だ。いくら7年国外に出ていないとはいえ私ほどのプロフェッショナル ツーリストともなると旅行に関して何かをする際、身体に染みついた動きが自動的になされていく、それにこの動作は今に始まったことではない、サードミッションの終盤、PCを駆使してカリブ海、ヨーロッパ諸国を悉く落としてきたこの私だ、これだけイージーに物事が進むようになった昨今、万に一つの間違いも起きようがない・・・
慰労なくすべての航空券の予約を終え一息つく。下調べしていたとはいえ、すべての行為を終えるのにかかった時間は2時間程度。実に簡単なオペレーションだった。
少し間をあけて航空会社からのリプライメールをチェックし、航空券をPDFに落としたりしながら先ほどの動作にミスがないかを確認する。この作業はルーティン・ワークとなっているがパーフェクトとも呼ばれる私に落ち度なんてありようが・・・
「ん??」
画面を見ながらふと手が止まる。予約した5社のうちの1社、そこに違和感があったのだ!
「MR/TOJO TOJO」
・・・
「誰?こいつ??」
他の情報はすべて私のものだが・・・
そういえば他の会社は家族名 個人名の順で入力だったけど1社だけ個人名 家族名の順だから気を付けないとと思っていたのだが・・・まさか半分だけ直して「苗字&苗字」で送信していまったとは!!
弘法も筆の誤りプロフェッショナルもブランクの誤り!
私はあわてて修正メールを送る。パスポートコピー(実際は添付写真)送ったりして何とかその日に訂正できたが危ない所だった。いずれにしても後は出発だけ、ホテルでものんびりと予約すればよいだろう・・・
そう、コンピューターだって完璧ではない、問題がないか確認し、何かあれば即座に手を打つこの修正の鮮やかさも「ミスター・コンピューター」ならではのものだろう!
そして3日後・・・
こんどは別の航空会社の全く同じチケットを2つ買っていたことが、クレジットの支払いメールで発覚した・・・
「うーむ・・・」
調べなおすと9/13の同じ時刻に同じ会社からメールが2通届いていたが・・・それがまさか同じ航空券を2個買っていた事になっていたとは・・・!!
またしてもあわててメールを送り、なんやかんやで1個キャンセル出来たが・・・
5社予約した中で2社間違いをおかしているなんて・・・残り3社も果たして本当に大丈夫なのか?不安しか持てないことは否定できない事実であろう・・・
「うーむ・・・」
いずれにしてもこのプロフェッショナル、どうやらミスター・コンピューターへの道のりは遥か彼方と言わざるを得ないだろう・・・