日本
心の何かが告げている・・・
『時間が無い』
と告げている・・・
2006.06.08(木)-09(金)
淡々と観光を終えてフライトに乗りドーハを出発する。
『これでファースト・ミッションも終わりだ・・・』
と、感慨に浸る暇はなかった、そう私には急がなければならない理由があったのだ。
フライトの中から
ドーハから目的地の関空までは約12時間のフライトだ、しかも関東在住の私は大阪からバスで東京に向かわなければならない。
上空から
関東直行にしなかったのはカタールにトランジットをつけたかったからと夜行バスを使ってでも直行便より安かったからに他ならない。
ただ・・・
この日の私は急いでいた。
関空上空から
税関を通過する際にカスタムの人間が10年物を増補してそれでも殆どがスタンプで埋まっている私のパスポートを見て吃驚していたが、第三世界が長かった分、無意味に荷物検査に時間がかかったのは御愛嬌だったのだろうか?
久しぶりの日本、思えば最初にカイロに出発してから約1年半経過していた・・・
馴染みの無い関西に到着したせいか?周り全てを日本語に囲まれながらもまだ実感を掴めずにいたが、それに気を取られている場合ではない。
『急げ・・・』
心の中の声は徐々に大きくなっていく。タイム・リミットは徐々に足音を近づけてきていた。
そうはいいつつネットで予約したバスは夜行だ。
空港でしばらく時間を潰してから市内行きのバスに乗り、そして東京行きのバスに乗る頃にはもう夜になっていた・・・
関空と関空から市内行のバス、そして大阪から東京行のバス
アフリカや中東では一度も見た事もない素晴らしくリクライニングが効いたバスに乗り東京へと向かう。
連続した移動や長い待ち時間の疲労から、私はいつしか眠りに堕ちていた・・・
東京行のバスの中からと山手線の中
到着は早朝だ、大きな荷物を持っていたので空いている電車に乗れるのはありがたい、まあプロフェッショナルならではの計算の上なので計画通りと言えばいいだろうか。
『ここまで来れば・・・』
私の頭の中をリフレインする『急げ』という声が消える事はない、だが安全圏に入った事は間違いないだろう。
地元の近くの駅で私は朝食を食べる事にした。
地元近くの駅
中々機会の無かった朝マック、贅沢にバーガーを2つとボリューミーなブレックファーストは日本に無事に帰国した自分に対するお祝いだった。
私鉄に乗り、引き払ったアパートから大量に荷物をぶち込んでいた実家に戻る、部屋を明けると外国から送り続けていたマップを詰めたダンボールも大量にある。
帰ってきた、と思う以上にこれからの整理が大変だと気付かされる瞬間だ。
だが、今日はそんな事をやっている場合ではない。
部屋の中のある物をセッティングする。その為にずっと『急いで』来たのだ。
部屋の中の邪魔な荷物をどけたり片付けたりしてセッティングを終えたのは夕方だった。
『ふぅ・・・』
間に合ったようだった。
後は夜を待つだけだ・・・
そして夜が来て・・・
テレビの前でワールドカップ2006、ドイツ大会の開幕戦を見るこのプロフェッショナルが居た・・・
開始6分、フィリップ・ラームの素晴らしいシュートを皮切りにコスタリカを相手に4対2の勝利!
歓喜の声を挙げる!
ドイツの幸先の良いスタート、私はこれからの一か月にドイツの快進撃を期待してこう思う。
『もう旅行などどうでもいい・・・』
と・・・