アンゴラ
2005.08.12(金)-13(土)
ルアンダの宿泊を1日延ばしたのはガイドブックにある奇妙な符号に気付いたからだった・・・
私が利用していたガイドブックは2種類、世界的に有名なロンリープラネットの最新版である2004年度版、それに南アのゲストハウスで中古で購入していた同じくロンプラの90年代後半(1998か99だったような気が・・・)版である。
同じロンプラで2種類買ったのは、最新版だと治安の悪い地域や国などの都市の地図が無く、私の予定のルート上の国々をカバーしていなかったからだ。
ここルアンダも最新版では都市地図が載っておらず、しょうが無しに5年以上も前の情報、それも地図も大雑把でなんとか使えるといった程度のロンプラ中古品を利用していたのだ。
その両方の記述をみているとあるおかしな事に気付いたのだ。ロンプラ中古版で載っているパノラマ・ホテル、明らかに高級ホテルとしての記述がなされている、料金も100ドル以上は確定だ。だが最新版、ここでは45ドル程度の記述、物価のあがりつづけているこのアンゴラで・・・岬の中腹にこれ見よがしにリゾートチックに建つこのパノラマ・ホテル、これが半値以下に落ち込んでいると言うのは謎だった・・・
ロンプラ最新版の記述が何か間違えているのか?それとも何か他の理由があるのか・・・確かめずにはいられなくなっていた。
イリヤの中腹辺りにあるパノラマ・ホテル、市内の全景が見渡せる絶好のポジションにある。
イリヤ地区の観光に訪れた時、私は思い切ってこのホテルを訪れて、値段を確かめることにした・・・
いかしたロビーのラウンジで制服をバリッと着こなすコンシェルジェ、パンフレットには5ツ星のマーク。このホテルが只者では無いと思わせる瞬間。
そして値段を確認すると「55ドル・・・」と・・・
45ドルは越えている物もルアンダ市内のホテルの値段を考えるとコイツは格安だ。
それに5ツ星・・・
落とし穴はどこに・・・??
思い切って部屋を見せてもらうようにリクエストする。
すると・・・
エアコン、TV、バス(お湯は出ずに水だけ)、冷蔵庫・・・
必要とされる装備は全てついているのだが・・・
全てがキチンと機能している部屋は・・・
非常に少ないという事が判明したのだ!
『へっ?なんで??』
理由は分からないが・・・(注:後で日本大使館に確認したら以前岬にいく水道のラインが止まった事があり、その日に宿泊中だった客が水道栓を開けっ放してチェックアウト、ラインの復旧とともに大量の水が噴出し、その為ホテルのインフラが壊滅的なダメージを受けたという事だった、尚この話は”パノラマ伝説”としてルアンダ市内で知られているそうだ)
この5ツ星に全くそぐわない・・・
というか今泊まっているホテルよりも考えようによってはショボイこのパノラマホテル・・・
私の中でどうしても泊まらなければいけない、そんな気分にさせられてしまったのだ・・・
そう、私の人生の中で最初の・・・
そして恐らく最後の・・・
「5ツ星ホテル・・・」
それをアフリカ中央部、アンゴラの首都ルアンダで体験することにしたのだ。
12日、今までの宿を引き払って荷物を持ち、リッチにタクシーで・・・”シェアタクシー”でパノラマホテルに向かう。
そしてチェックイン、早速このホテルからの景色を堪能する。
都市部からパノラマホテルへと向かう道、ゲートがありパノラマホテルの湾と反対側はビーチリゾート?になっている。
ホテルから岬の突端方向を眺めて・・・
そして市の中心部を・・・
確かに眺めは良い・・・ルアンダの眺めをどう評価するかは別としてだが・・・
パノラマホテル、この景色を見れるなら・・・そして写真の撮りづらい市内の写真を岬側からとはいえ心置きなく撮れるのはまあ良いと言っていいだろう。
だが、このホテルの設備は・・・
ちなみにこれが泊まった部屋の中、なんかビミョーです。ちなみにエアコン、テレビは死亡中、冷蔵庫はOKです。ベランダへ出る扉の鍵はかかりません、大丈夫か?これで??
そして5ツ星ホテルの概念を覆すトイレとバスタブ。お湯はもちろん出ません。
重厚な造りの廊下部分、テラスの扉は施錠出来ず、防犯上の問題は??
エレベータ完備、勿論動きません。いいデコレーションでないかと・・・
1階にあるカジノやバーなどの店舗、勿論オープンしていません。これもデコレーションかと・・・
この他に水の無い屋外プール等充実した設備を誇っていた・・・
1階のメインロビーから2階に上がる階段、これはまともか・・・
さらに私はこの5ツ星ホテルのレストランを堪能することにした。
レストラン、中々小洒落ている。
そして2000円近くかかった夕食、別にそんなに美味しくは無い。そしてデザートのケーキは何故か横倒しで・・・
うーむ、これはこれでなんか笑える・・・
そして部屋に戻って夜景を堪能する・・・
ルアンダ市内の夜景、先ずは要塞など・・・
そしてパノラマホテルらしく夜景のパノラマ連チャンで・・・
そして昼間のパノラマ今度は3連チャンで・・・
朝食はビュッフェ、物価が高く食事に苦しんでいたルアンダ市内で思う存分食べたい物を食べ満足する。
朝食はこんな感じの物を食べた。メニューは少ないけどとりあえず味はまあまあ
1泊で・・・1泊で十分だった・・・
私はこれでアンゴラの首都ルアンダに大きな満足を得て、後に出来ることとなったのだ・・・
ホテルからの出発はシェアタクをハイヤーするという「ウルトラ・リッチ」に・・
前日約束したはずの時間からハイヤーを予定していたタクシーが1時間遅れる(相手は一時間早くと勘違いしていた)というアクシデントはあったものの、そこはエレガントに決めていく。
そして去り行くパノラマ・ホテルを眺めながら、私はプロフェッショナルとしてこう思う。
「恐るべし、ルアンダのパノラマ・ホテル・・・」
ここは間違いなく”世界最低の5ツ星ホテル”であったと・・・