Category: 謎3rd 南米編

2008.04.05(土)


 私がキトから帰途につこうとして手に入れた一枚の片道チケット・・・

 このチケットはコトパクシ行き鉄道のチケットだ。

 そう、ここから日本帰国へのグレートジャーニーが始まるのだ!!



 本当は金曜日の晩に夜行バスでクエンカに行こうと思っていたが、某ガイドブックによると、エクアドルの鉄道は世界で唯一公式に屋根の上に乗る事を許可された鉄道ということだ。

 かつてモーリタニアという国で、鉄鉱石が満載の貨物車の上にタダで乗って黒人以上に真っ黒になった経験を持つ私だが、屋根の上はまだ未経験だ。

 それにキト発は土、日の週2日のみ・・・

 このタイミング・・・

 逃す訳にはいかなかった・・・






 えっ??

 タイトルの”アン鉄”って何かって??


 そんなの「アンデス高山鉄道」、略して「アン鉄」に決まっているだろう!!

 誰も言ってないって??

 前にもチベ鉄で言ったが・・・

 このホームページに限り”私こそがルールブックだ!!”

 私が「アン鉄」と言えば誰か他の者が言わなくても”アン鉄”なのだ!!




 

 ・・・





 ・・・・・



 ハッ!!



 私としたことがちょっと平静さを欠いたようだが・・・


 話を元に戻して続けよう・・・








 計画はこうだ。

 キトからコトパクシまで鉄道で行き、その後はバスを乗り継いでリオバンバまで今日は行く。

 そしてリオバンバでは水、金、日にアラウシ方面に高山鉄道(これも屋根に乗れる)が出ているので、日曜日のチケットを土曜日に到着して購入し、日曜はリオバンバからこの高山鉄道に乗り、アラウシで宿泊。もしくはアラウシからバスに乗り一気にクエンカまで・・・


 移動経路に無理なく高山鉄道、それも2回も乗れるという私ならではの完璧な計算だ。





 土曜日

 朝ホテルをチェックアウトしてトロリーバスで駅へ向かう・・・

 0800時発の列車に十分余裕をもって間に合うようにと0700時と早めに駅へ着いたら・・・


 キトのチンバカジェ駅


 駅は・・・工事中・・・


 すこしあせって中の人に聞いたらとにかく8時まで待てと・・・


 どうみても鉄道が入ってこれないようになっているのに・・・


 そうこうするうちにどんどん人もたまって来た




 どうなっているのか?


 そして0800時を少しまわったところで・・・



 来たのは・・・



 どう見てもバス・・・




 どうやらチンバカジェ駅ではなく他の場所まで移動して鉄道に乗るらしいが・・・



 すぐ近くに移動して鉄道に乗るものと思いきや、バスはそこから1時間ぐらい走り・・・




 バスからの景色も決して悪くないが・・・




 ようやく、駅に到着・・・


 しかし、ツーリストインフォや某ガイドブックではキトから乗ることになっていたのに・・・



 まあでも気持ちを持ち直して鉄道に・・・



 「おおっ!」






 いかにもツーリスト向けの風貌・・・

 ガイドブックにあったように上には斜め外向きに座席が付き・・・


 「こっこれだ!!」


 「これこそが私の求めていた高山鉄道・・・・」



 「これが片道たった2.3?で・・・」


 その時、誰かの声が・・・


 『オートロ・トレン(違う列車よ)』

 と・・・


 そして指差す方向には・・・





 「・・・」




 「・・・・・・」





 「まあ片道2.3?ではこんな物だろう・・・」



 しかし、上にはどう見ても座席ではなく荷台がついていて人が無理矢理乗っているだけである・・・


 勿論この私も荷台とは言え屋根に乗りたかったのだが・・・


 この列車に乗る人はキトからコトパクシの往復でチケットを買い、列車そのものを楽しむ人が殆どで・・・

 私のように次の目的地に抜けるために利用するような客はおらず・・・

 大きな荷物を持っているのは私たった一人で・・・

 最後に列車に乗ったため、上はすでに満員で・・・


 世界で唯一、屋根に乗れる列車で・・・


 普通に車内の座席決定・・・!!!(涙)


 普通に車内から見る景色も決して悪くはないのだが・・・


 線路の上を馬が走っていた




 これでは何の為に・・・



 1時間ぐらいたったのだろうか?

 1000時、列車が途中駅に停車する・・・


 タイミングは今しかない、

 私は列車の係に涙目でお願いする!


 「今日、コトパクシで降りたらそのままリオバンバへ向かうんです。お願い、上に・・・上に乗せて~・・・!!」


 私の悲痛な叫びは聞き届けられた!!


 係から「じゃあ上にあがっていいよ」と言われ・・・


 そして上からの景色は・・・

 


 風も心地よく、私は爽やかな気分に浸り・・・


 太陽の周りに円状に虹が出ていた・・・





 そして私の横にいた「エクアドル人女子大生きゃぴきゃぴ」が私に興味を持ったらしく色々と話しかけてくれて・・・また飲み物もご馳走になり・・・


 上にのる人々、そして女子大生達
 



 彼女たちは歌を歌い・・・爽やかな笑顔を振りまき・・・


 そして全員で



 「デューク・デューク♪」



 のコールまで・・・






 「・・・」






 「・・・・・・」







 「ウフッ・・・!!」





 『もう景色等どうでもいい・・・・』








 列車は1030時にコトパクシに到着




 合計たった1時間半ぐらいだったが・・・




 風光明媚な高山の合間を走るその景色は確かにのどかで、それでいてその風の冷たさが心地よく私を刺激して・・・

 私は高山鉄道に十分な満足感を抱いていた・・・







 そして中でも最も大きな充足感を与えてくれたのは


 「女子大生きゃぴきゃぴ」


 だったことは改めて言うまでも無い事だろう・・・

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